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萌黄(死亡遊戯で飯を食う。)の編集履歴

2024-09-29 18:39:06 バージョン

萌黄(死亡遊戯で飯を食う。)

もえぎ

ライトノベル『死亡遊戯で飯を食う。』の登場人物

概要

ライトノベル『死亡遊戯で飯を食う。』の登場キャラクター(メイン画像中央右側、緑髪の人物)


家庭環境になんらかの問題があったらしく、デスゲームの参加者となって生きる道を選ぶ。

原作一巻のエピソード「キャンドルウッズ」にて主人公幽鬼(ユウキ)の前に立ちふさがるも、絶望的なまでの実力差があり、あっさりと敗北してしまう。


しかし、彼女との短い出会いをきっかけに、それまで漫然とゲームに参加していた幽鬼は「ゲームを続けていくことの意義、続けていくための目的」について考え直すことになる。

そういった意味で物語の主題である「デスゲームで99連勝を目指すプレイヤー・幽鬼」を産み出す最初の契機となったキャラであり、幽鬼自身ものちに、記憶に残ったプレイヤーの一人として名前を挙げている。


プロフィール

本名は原作では未登場だが、コミカライズ版にて両親から「萌黄」と呼ばれるシーンがあり、本名=プレイヤー名、であるらしい。

年齢は登場時点で十五歳。

本編登場時の「キャンドルウッズ」で三戦目、という、まだ初心者に近いプレイヤー。


容姿

原作においては容姿について言及されていないため、挿絵の情報が全てである。

挿絵では特筆すべき点のないごく普通の体形で、萌黄色の髪を下寄りの左右で大きめに束ねている(要はしずかちゃんヘアー)


性格

登場期間がごく短いため描写は少ないが、良くも悪くも生真面目で思い込みの強い「自分にはこれしかない!」と思い込んだら軌道修正できずに闇雲に突き進んでしまう性格であることがうかがえる。

また確たる信念や自信がなく、そのことに不安を覚えてはいても自己解決はできない、という、いわば「マインドコントロールされやすいタイプ」でもある。

まとめて言えば「影響をうけた相手次第で良くも悪くもなる、典型的な一般人キャラ」だと言える。


生い立ちなど

デスゲームに参加するに至った経緯については

「両親の言う通りイイ子にしていたら全てを失った」

と語っている事から、家庭環境が原因である模様。


両親については原作ではそれ以上の言及はないが、コミカライズにてデスゲームの師である伽羅にそそのかされ、自らの手で殺めたシーンがある。


作中における活躍(?)

作中で登場したキャンドルウッズが三戦目ではあるが、一戦目で殺人鬼プレイヤー「伽羅」に出会って弟子入りし、ゲーム外で彼女の薫陶を受けたため、三戦目のプレイヤーとしてはそれなりのポテンシャルを有していた模様。


キャンドルウッズにおいては自チームが自分以外すべて初心者、という状況であったため主導権を握って支配下に置き、師の教えを元にゲームを進めようとするも、様々な悪条件のため相手チームに終始圧倒され続け(後述)、焦りを深めていく。


更には相手チームにその師である「伽羅」が参加しており、いつものようにルールを全く無視して自由気ままにゲームを破壊し始めたことで状況が悪化。

生き延びるには自分一人だけでも速やかにクリア条件を満たさねば、と焦っていたところで主人公・幽鬼に遭遇。

経験値も才能も絶望的なまでに及んでおらず、難なく一蹴されて(注1)死亡する。


本人は「自分が自分らしく生きるにはデスゲームの世界しかない」と思いつめてプレイヤーとなったようだが、実際には進んで殺人を犯しつつも内心で罪悪感を抱え続けていたりする、どこまでもシャバっ気が抜けきらないキャラクターであった。


この点に関しては、直接に彼女を知る関係者は皆そう感じるらしく、

幽鬼からは「(デスゲームに)向いてない。実社会でやっていくべきだった」と評され、

師である伽羅からは、逆に(恐らくは、その致命的な向かなさを)「可愛かった」と評され。

後に登場した同門の弟子からは「長生きできそうにないタイプ」と、散々である。

しまいにはコミカライズ版の巻末オマケにて、ゲーム運営からすら「生き残っていけるか疑わしい」と評価されてしまった。


また余談として同門の弟子からは「怪しい自己啓発に染まりそうなタイプ」とも評されている。

その時点ですでに殺人鬼・伽羅に心酔して弟子入りしているわけだから、まさにそのものであるが……



(注1)このとき、幽鬼が素手だったのに対し萌黄はかなりの数の武装

   (拳銃3丁、煙幕手榴弾3個、ダガーナイフ)を所持していた。

   にもかかわらず、一方的に翻弄された挙句にカスリ傷すら負わせられず敗北。

   幽鬼からは「仮に百回繰り返しても結果は変わらないだろう」と述懐されてしまっている。




ゲーム「キャンドルウッズ」にて置かれた状況

萌黄が登場したゲーム「キャンドルウッズ」は、プレイヤーたちが「ウサギ」と「切株」の2チームに分かれ、「ウサギ」は一定期間生き延びれば勝ち。「切株」は一人につきウサギを5名殺せば勝ち、というモノである。

ウサギの方が大人数だが装備はなく、切株は少人数だが武器を支給されている、という違いもある。

萌黄は後者、切株チームであった。


ただし、この「狩る者狩られる者」の立場はルールで保障されたものではない。

つまり「ウサギが切株から武器を奪って全員殺してしまえば、結果的に生存できる」というクリア法も成り立つのである。

そして実際にウサギたちがそうしたことで、切株チームは絶望的な戦いに追い込まれていく。


また、このゲームにおける各チーム構成は、切株側が「大半初参加で少数。経験者も3戦目の萌黄ひとりだけ」なのに対しウサギ側は「大半がベテランで人数は切株の十倍。90戦超の伝説的プレイヤーなども参加している」と、質、量ともに圧倒的に上回っている状況であった。


ここから見えるキャンドルウッズの真の構図は「切株は狩られる側」というものである。


人数でも経験でも劣り、唯一のアドバンテージである武器も、奪われてしまえば終わり。

更には、仮に個人ごとのノルマである「ウサギ5人殺害」を満たしたとしてもゲームの実施期間が終了するまではステージ内に留まらねばならないルールである。

両陣営入り乱れての殺し合いの最中に「私はもう5人殺したので戦いません!」と言って見逃してもらえる可能性は、恐らくほとんどないだろう。

(*なお作中では、事実上のゲーム決着後にこの論法で無用な戦いを回避したキャラはいる)


では切株が生き延びるにはどうすれば良かったか?と言えば、例えば

「速やかに自分のノルマぶんを殺し、後はウサギに化けて紛れる(数百人いるので誤魔化せる可能性は高い)」

「可能なら、他の切株も殺して自身の殺害・露見リスクを低下させる」

といった方法が考えられる。


そういったいわば「図々しい」手段を思いつかず、提示されたルールに則って正面きっての勝負に挑んでしまう辺りが萌黄の限界であり、「デスゲームに向いてない」と評されてしまう所以であると言える。


また置かれた状況を考えると運営から期待された役割は、

要するに初参加プレイヤーに対する「チュートリアルキャラ」だったとも考えられるが、

その場合、そうした末路を迎えることまで運営の想定だった可能性すらある。


いずれにせよ「素直に言うことを聞いて、期待に応えるよい子」からの脱却を求めて参加したはずのデスゲームにおいてすらも、最後までその枠から抜け出すことができなかった、と言えるかもしれない。



師・伽羅との関係性

初参加したゲームで、師である殺人鬼・伽羅と良くも悪くも運命的な出会いを果たす。


奔放な殺人者である伽羅はゲームのルールを全く無視して他のプレイヤーを次々と殺害していくが、前記の通り「両親の言いなりになったせいで人生が滅茶苦茶になった」と感じていた萌黄は、ルールに囚われず己が思うままに振る舞って他者を蹂躙していく伽羅の姿に、強いあこがれを抱いてしまう。


そしてついに殺されようとしたとき目を輝かせて「弟子にしてほしい。貴方みたいになりたい」とのたまった萌黄を、伽羅は「面白くて可愛い」と評し、命を助けた上で弟子入りを許す。


その後は伽羅の元で他の弟子とともに共同生活をするようになり、この期間にプレイヤーとしての修行を積み、殺人への覚悟やその技術を習得していくことになる。

……もっとも、その成果は前記のとおりである。


余談ながら、後に登場した同門の弟子たちはいずれもベテランプレイヤーに成長しており、断片的な回想描写から、師である伽羅も意外なほどにマトモな指導をしていた事がうかがえる。

であるにもかかわらず、恐らくは性格的にもっとも生真面目に指導を受けていたであろう萌黄が一山いくらレベルの実力にしか成長しなかった、というのは、やはり幽鬼に評されたとおり「向いてなかった」のであろう。


主人公・幽鬼に与えた影響

ここまで書いた通り、萌黄は、本人以外は誰が見ても「デスゲームに向いてないキャラ」であった。


しかし、その「誰が見ても分かる向いてなさ」が故に、幽鬼に一つの疑問を抱かせるに至る。

そんな「向いてないヤツ」が「何か目標があって必死になって参加している」にもかかわらず、

「大した目標もないが才能だけはある自分」が、才能任せで踏みにじるのはどうなのか、と。

自分もデスゲームに挑み続けるに足る、相応の目標をもっているべきなのではないか、と。


こうして生じた迷いは、萌黄の師である伽羅との対戦を通じて「このゲームで99連勝する」という、物語の根幹となる大目標へと昇華されていくことになる。



関連タグ

死亡遊戯で飯を食う。伽羅(死亡遊戯で飯を食う。)

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