概要
「湾岸ミッドナイト」シリーズを象徴するクルマ。
本作はこの「悪魔のZ」に何かしらのカタチで人生を狂わされた者達の物語であるため、実質的な主人公だったりラスボスだったりする存在。
仕様 | L28改3.1L(3,134cc)+MHI TD06ツインターボ→IHI RHC6 RACINGツインターボ・オイル潤滑方式をドライサンプ方式に変更・カーボン製ルーフ及びアンダーパネル装着 |
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馬力 | 約600馬力→800馬力(小説版「疾走のバラード」ではブースト圧2.5kg/m²で770馬力) |
ナンバー | 横浜33 て 53-68(原作・WMMT4) |
横浜33 て 53-681(アニメ版) | |
横浜33 つ 53-68(劇場版) | |
横浜33 て 5-368(頭文字D THE ARCADE) |
かつては凄腕の最高速系チューナーとして名を知られた一方で、手がけた車が「速すぎる」ために乗った人間をことごとく死に追いやってきた「地獄のチューナー」こと北見淳が手がけたクルマにして、彼の最高傑作。
最高速度は実測で300Km/hオーバーを叩きだすという凄まじいパワーを持つ一方、時折このクルマ自体が意思を持つかのような不可解な動きを示し、歴代のオーナーを何人もクラッシュへと追い込んできた。
そのミッドナイトブルーに塗られた禍々しいボディと、「狂おしく、身を捩るような」気味の悪い走りから、このクルマはいつしか走り屋の間で「悪魔のZ」と恐れられ、選ばれた人間以外が乗ると凄惨な事故を起こす呪われたクルマとして語り継がれるようになる。
主人公と同姓同名の元オーナー・朝倉晶夫も、このクルマに乗って首都高速湾岸線で起こした事故により、19歳という若さでこの世を去っている。
(一方、一部の登場人物は「悪魔=堕ちた天使」というイメージから、「チューニングという反逆行為によって、人外の力を得たクルマ」と解釈している)
横浜のとある解体所にて解体されるのを待つだけだった所を、本編の主人公・朝倉アキオが一方的に惚れ込む形で購入。
しかしZの呪いは新たなオーナーとなったアキオにも容赦なく降りかかり、物語序盤においてフロントバンパーを損傷する程度の軽いケースも含めて3回のクラッシュを経験し、トラッカーの安さんがちょっとした悪戯として幅寄せをしたことが原因で、遂には大破炎上する。
だがすでにZの魔力に取り憑かれていたアキオは、北見の旧友であるボディ製作者・高木優一の手を借り、廃車同然となった悪魔のZの修復を兼ねた大改造に着手。その後、更なるボディの強化や低速域での動きを視野に入れたチューニングなど、徐々に手が加えられていく。
これによって、暴力的なエンジンパワーはそのままに難のあったコーナリング性能も改善されていき、ドライバーに逆らって事故を起こす描写も無くなった。
一時期は空力性能を上げるためにGノーズも装着されたが、エンジンの冷却効率が悪くなると言う理由で、すぐに外された模様である。
ちなみに装備しているホイールはRSワタナベのEIGHT SPOKEだが、大人の事情により湾岸ミッドナイトMAXIMUM TUNE 6RRではRAYSというメーカーのホイールであるTE37 V(※ちなみにこのホイールはプレイヤーは使用不可能で似たようなホイールであるTE37 SAGAは使用可能)、頭文字D THE ARCADEの湾岸ミッドナイトコラボではパナスポーツというメーカーのよく似たホイールに、ドリフトスピリッツの2023年の湾岸ミッドナイトコラボ(原作タッチ仕様の「悪魔のZ 原作タッチver」)では別のメーカーのホイールに差し替えられている(YOKOHAMAのADVAN RacingRSである)。
パロディ
首都高バトルシリーズ
元気から発売されたレースゲーム、首都高バトルの多くの作品でラスボスを務める「???」はこの悪魔のZのパロディである。ラスボスに相応しく凄まじい加速と最高速を誇り、登場時の不気味な演出も相俟って多くのプレイヤーにトラウマを植え付けた。
特にシリーズ通して最もマシンスペックがインフレした首都高バトル0ではR34GT-RのRB26DETTエンジンに換装され、最高出力1104馬力・車重722kg・パワーウエイトレシオ0.65という元ネタを上回る驚異の数値を叩き出した。ゲーム中の最高速度である425km/hに一瞬で到達し、直線勝負ではまず勝てない鬼畜仕様である。
2024年現在、ソフトでの最終作である首都高バトルX発売から18年、スマホのアプリゲームXTREMEのサービス終了から7年が経つが、今も当シリーズの続編を望むファンは多かったが、25年に新作の発売を予定している事が発表されたので(現状はSteamのみで、PS5及びPS4などのコンシューマー機種での展開は不明)、再び「???」を見られる日が来ることを期待しよう。
チョロQシリーズ
他にはタカラ(現タカラトミー)から発売されたレースゲーム、チョロQHG2のフジシティの外れに「ナツオ」というキャラクターがいる。
ボディはブルーのS30で、名前からしても言わずもがなアキオと悪魔のZのパロディである。秋から夏に季節が変わっただけ。
話しかけると「サンドポリスのインターチェンジでレースをしよう」と提案される。承諾すると、サンドポリスインターチェンジに移動。クローバー型インターチェンジでのレースが始まる。
ナツオのスピードはそこまで速いわけではなく、ある程度の装備なら楽に勝てる相手となっている。それでいいのか朝倉アキオ..いやナツオ。
また、続編チョロQHG3では、スクラッチマウンテンに「レイラ」というキャラクターがいる。ただこのキャラクターのボディがブルーのS30というだけで、他に悪魔のZ要素がある..というわけではない。
トミカプレミアム
ミニカーでは、タカラトミーから2019年1月にトミカプレミアムで日産・フェアレディZが発売されたが(ちなみに17年に発売された黄色いZ32から入れ替わる形となる)、そのエクステリアはノーマルではなく、オーバーフェンダーや大型フロントスポイラー等、明らかに悪魔のZを意識したモデルであった。しかしこれでは飽き足らず、後にトミカプレミアムアンリミテッドにて新規金型を起こして「悪魔のZ」として正式に発売された。(プレミアム無印ではメーカーの許可が取られていないため、ワタナベEIGHT SPOKE..ではなくSEVEN SPOKEになってしまっている。そんなホイール実在しないよ)
INNO64
他にも中国のミニカーメーカであるINNO MODELS社からも悪魔のZそっくりの1/64スケールモデルが発売されている。発売告知のサンプル画像では左ハンドルでフェンダーミラーだったが、実際の製品は右ハンドルでドアミラー仕様に変更されており、ライトカバーやナンバープレートまで忠実に再現されていた。