「箱庭学園の創始者にして 平等なだけの人外だよ」
「ままならねーな 人生は まるで週刊連載だぜ」
安心院なじみ(あじむ なじみ)とは、『めだかボックス』の登場人物である。
周りには「僕のことは親しみを込めて『あんしんいんさん』と呼びなさい」と言っている。
概要
球磨川禊が中学で生徒会長をしていた時に副会長を務めていた女性。
魅力的過ぎる人格と、魅力的過ぎる容姿を兼ね備えた人物。
球磨川が「最後に恋した女性」(後に喜界島や財部にも惚れているが)であり、その「かわいすぎる」容姿のせいで好きになっているだけではないかと疑問に思った彼は、彼女の顔を剥がす暴挙に出る。
そして、変わり果てた彼女の姿を見ても、以前と変わらずに好きなままであることを確認した。
この際に球磨川の過負荷『却本作り(ブックメーカー)』と『大嘘憑き(オールフィクション)』によって存在を封印され、それ以来彼女は世間的には死亡しており、黒神めだかの乱神モード発動のきっかけにもなっている。
その後、生徒会戦挙庶務戦にて、大量のハブに噛まれて死に瀕した人吉善吉が、教室のような空間で出会う。
彼女本人の弁によると、何人かの心の中に住み着いており、特に球磨川禊とは、彼が死ぬたびに会っている(球磨川は『死んでも会いたくない』と語っていたが)。
生徒会戦挙編の後、球磨川の『大嘘憑き』が消滅し『却本作り』が弱まったことにより、全身をマイナス螺子に貫かれ、髪が白く変色した姿で箱庭学園に姿を現す。
善吉の「主人公化」を完遂し、全てを諦めて自害しようとするが、めだかにその病理を看破された上で制止され、「現実を学ぶ」ために1年13組へ編入させられた。
その際、残り一本になっていた螺子が完全に外れた。
所持スキル
7932兆1354億4152万3222個の異常性と、4925兆9165億2611万0643個の過負荷、合わせて1京2858兆0519億6763万3865個のスキルを持っている。
『ジャンプのバトル漫画も真っ青のインフレだよ』とは球磨川の弁。
おそらく、彼女がやりたいと思ったことは全てでき、今までに登場した異常性・過負荷を考えると森羅万象を操れるといっても過言ではないかと思われる。
心の中に住み着いていたのは、好きな時に、好きな場所にいられる『腑罪証明(アリバイブロック)』という、一京分の一のスキルによるもの。
生徒会戦挙会計戦ではそのスキルのひとつ、他人の視界を盗み見る事ができる『欲視力(パラサイトシーイング)』を善吉に貸し、勝利への糸口を見つけさせた。
球磨川にはかつて『手のひら孵し(ハンドレッド・ガントレット)』を貸しており、それを元に過負荷『大嘘憑き』が作り出されている。
再び球磨川が本来の能力である『始まりの過負荷』を返してもらう目的で彼女に会いに来た時、彼の格好つけない(括弧をつけない)偽りなき本音を聞いた彼女は『口写し(リップサービス)』のスキルを使って『大嘘憑き』をもらう代わりに、『始まりの過負荷』を返した。
これまで登場した彼女のスキル名には、身体の部分や身体能力に関連する言葉が入っている。
全身これ能力ということか。
ちなみに作者がジャンプの巻末コメントで「安心院さんが一番重宝しているスキルは多分、スキルを数えるスキル『指折り確認(カウントアップ)』」とコメントしている。
あまりに膨大な数のスキルの中で、しょうもない効果を持つものもまだちょいちょい混じっているかもしれない。
性格
あまりにも自らが飛び抜けているため、「自分以外は全て平等にカス」という、極めて平等な思考を持つ。
カスと思っている相手にも親身に接している点では、かなりの人格者である。
誰よりも上に立つが故に、誰よりも人を見下している。
また、幸せと不幸のような対極に位置するものも、全て同じ意味という論理感を持つ。
悪平等(ノットイコール)
彼女が所属するのは、異常でも過負荷でもなく悪平等。
劣等感(マイナス)なんてくだらない、優越感(プラス)でも全然あがれない。だったらそんな差別は無意味極まる。
プラスもマイナスも自分たちの前ではおしなべて普通に平等であると、まるで神であるかのように達観する。
なお、「悪平等」とは造語ではなく実際にある言葉で
「平等に扱うこと、平等を重視する政策等が向上心の減退や逆差別等を生み、かえって社会に弊害をもたらすこと」である。
一生懸命頑張ってるやつも、サボって笑っているやつも平等に尊重する、
いわゆる「お手繋いでみんなで仲良くゴール」である
また「めだかを倒すために主人公ならないか」と人吉善吉を誘う時にはどこぞの吐き気を催す邪悪のような話術を使っていた。
…まあ、フラスコ計画のことを多少は(少なくとも、一般人に施せば9割方壊れるというくらいは)知っている善吉に対し、自らの魂胆の全てを晒した上で誘っているのだから、アレよりはマシである。
「この世界がもしも『週刊少年ジャンプ』に連載されている漫画だったら」と仮定して物事を話すことが多く、彼女の台詞は非常にメタフィクションの要素が高い。
「主人公」「ラスボス」「最終回」「アニメ化」など、現実を漫画に例えることが多いが、それはもののたとえなどではなく、何でも出来過ぎたがゆえのシミュレーション仮説という病理により本気でこの世界を漫画だと信じていたためである。
自身の倫理観である「悪平等」もすべてが平等に紙の上のインクと考えるからである。
フラスコ計画による完全なる人間作りも、完全なる人間を作ることが目的ではなく、失敗することで「できないこと」があるということを証明し、この世を現実だと認識したかっただけである。