『僕は悪くない』
『ぬるい友情・無駄な努力・むなしい勝利』『これが僕達マイナス十三組のモットーだよ』
『また、勝てなかった』
『人物』
箱庭学園三年マイナス十三組在籍。自称「愚か者と弱い者の味方」。
強烈なカリスマの持ち主であり、マイナス十三組のリーダーとして君臨する。
外見こそ普通の学生だが、言動や行為の1つ1つが常軌を逸したものばかりで、どれが嘘でどれが本心なのか見極めが非常に難しく、考えている事が全く読めない人物。
登場当初は「心が無いのではないのか」と思わせるほど、言う事すべてが白々しい敵勢力のリーダーという面が強かったものの、物語が進むにつれ次第に人間らしい面を見せるようになる。戦挙終盤においては安心院なじみに促され、「あいつらに勝ちたい」と隠された本音を吐露。その後のめだかとの本気のぶつかり合いの末に改心する。
激昂した時は「この子感情があったの!?」と驚かれるほど
めだか曰く「仲間思いな男」でもあり、めだかに敗北した際、仲間たちに「心配しないで」「マイナス十三組のみんなは僕が身を挺してでも守るから」と伝えるも、逆に「球磨川さんはそんなことずっとやってきたじゃねえか」「今度はあたし達があんたを守る番だ」と返されていた。
週刊少年ジャンプの愛読者で、好きな漫画は『落ち込め!ネガ倉くん』。
他にも新選組が好きだが、これは『由緒も伝統も無い負け犬の卑怯者集団だから』などではなく、珍しく純粋に好きだったりする。
安心院なじみを『愛しの安心院さん』と呼んだり、めだかが「大嫌いで大好き」だったり、喜界島もがなの彼氏の有無を気にしたりなど、非常に惚れっぽい性格。財部依真に惚れたときの『また一人女の子を好きになっちゃったぜ』『本当 僕は昔っから惚れっぽい男だ』という発言からして、本人も自覚はあるようである。
実は男の子らしく裸エプロンや手ブラジーンズで週刊少年ジャンプの表紙を狙っていたりする。ファーストキスの相手は安心院なじみ。
『カギカッコ』
彼の台詞は基本的に二重カギカッコ(『~』)に囲んで表記されるが、これは「格好つけている(括弧つけている)」という言葉遊びがまざったメタ表現。
本音を言うときは『』が外れる。
流石にアニメ版では『』の表現は難しいのか普通に話している。
ただし中の人があの人と同じなので心のATフィールドは全開である。
『経歴』
4歳にして異常を研究する箱庭総合病院で診察を受け、担当医の人吉瞳に「明らかに異常以上の、それ以下の何か」と診断されるなど、その特異性は幼少期からのものらしい。その際、球磨川は自分を「異常なし」と診断するよう瞳を脅迫、結果として彼女を辞職に追い込んでいる。
また同時期に病院に通っていた黒神めだかと接触し、めだかに強烈な印象を与えた。
箱舟中学では生徒会長として阿久根高貴を手下に恐怖政治を布くが、阿久根の改心をきっかけにめだかと対立。乱神モードとなっためだかの実力行使により転校を余儀なくされる(このことは球磨川が登場する以前、3巻で描かれている)。
その後は転校を繰り返し、物語の舞台である箱庭学園に現れるまでいくつもの中学・高校を廃校に追いやってきたらしい。
直前まで通っていたのは日本屈指の名門校・水槽学園で、彼の着ている学ランはそこの指定服である(ただし、他の男子生徒の学ランは緑である。)。水槽学園時代の球磨川の活躍(?)は、番外編「グッドルーザー球磨川」として、漫画・小説・アニメにて公開された。
箱庭学園卒業式では何故か卒業生代表として答辞を述べる。その際あらゆる大学受験、就職活動に落っこちたことを明らかにし珍しくガチ凹みしていた。
『戦闘能力』
球磨川自身は「どこに打ち込まれても致命傷」と言われるほどひ弱で、(普通の作品であれば出すこと自体間違っているレベルの能力を保有しているにもかかわらず)何より自身が最悪の過負荷であるが故に、どんな勝負にも勝つことができないという歪んだ性質を持つ。
だが、どんな致命傷を受けても立ち上がる鬱屈した精神力と、弱さという弱さを知り尽くしているが故の相手の意表をついた戦法とセンス、そしてどこからともなく取り出す大小種類さまざまなプラス螺子を用いて、過負荷(スキル)に頼らずとも相手を翻弄し『螺子伏せる』。
また、自分たちが勝負に弱いことを誰より知っているので、まともな勝負はまず仕掛けてこない。『スリルとリスクを天秤にかけた分の悪い賭け』を何より好み、相手には思いもよらないやり方で引き分け・敗北に持ち込み、全てを台無しにしてしまうのが彼の常套手段である。
要するに球磨川は、ゲームに勝つ気がはじめからなく、いかにして相手に嫌がらせができるかだけに命をかけているわけだ。彼と戦ったものたちのほとんどが、その戦いに勝利したことがきっかけでその後の人生が壊れてしまっている。球磨川と戦って勝ってしまうこと自体が永劫の呪いとも言える恐怖なのである。それはめだかでさえ例外ではない。
また、ひ弱なのは否定できないのだが、時折妙な瞬発力を見せることや、(めだかの特性にあてられたとはいえ)空中での連打を見せるなど、良くも悪くも不安定なところがあるため、敗北こそすれど時間稼ぎや削り役として、それなりに成果をあげた、なんてこともしばしば。
そのためか、本編がすすむにつれ、性格の厄介さなどを承知のうえで、実力をかわれる様子や、協力を仰がれる描写を時折見せるようになった。
『所持スキル』
過負荷『大嘘憑き(オールフィクション)』
『「現実(すべて)」を「虚構(なかったこと)」にする』過負荷。
因果律に干渉してあらゆる現象・事象・概念を『なかったこと』にしてしまう能力。
(例:自らが受けたダメージ、黒神真黒の臓器欠損、他人の五感、自分の気配、『死』etc…)
制限としては、この能力で『なかったことにしたという現実』を、再びなかったことにすることはできない。また、過負荷を完全になかったことにすることはできない。
こんな無茶苦茶な能力のせいで、某スレでの戦法は一時期、「(相手が球磨川と向き合うことで心が折れない場合)相手の攻撃を黙って受けて自殺し、あの世で安心院さんに見つかる前に全力で現世の対戦相手自体を『なかったこと』にする」という最強スレにあるまじき戦法だった。
なお、この過負荷はもともと安心院なじみが所有していたスキルの1つ「手のひら孵し(ハンドレット・ガントレッド)」を元にしたもの。安心院さんによると、元のこのスキルの効果は「事象の卵細胞化、つまり因果の逆流という、極めて平和的なもの」とのこと。安心院さんに「手のひら孵し」を回収されたことで消えてしまったかに思われたが…。
過負荷『劣化大嘘憑き(マイナスオールフィクション)』
宗像形に殺された際、以前「手のひら孵し」を「大嘘憑き」に改造したときに使った心の中のパーツを掻き集めてでっち上げた「それっぽいスキル」。
劣化しているために「強い心のこもった行動」を『なかったこと』にできなくなっている。そのため「大嘘憑き」ほど凶悪な能力ではなくなっているが、それでも心のこもった行為でなければ、自分の死や致命傷を『なかったこと』にすることが出来る。
過負荷『却本作り(ブックメーカー)』
球磨川の禁断(はじまり)の過負荷。
受けた者はあらゆるステータスが球磨川と同じ、過負荷に落とされてしまう。
安心院さんによれば「唯一、史上唯一悪平等たる僕に有効なスキル」であり、球磨川はこれと『大嘘憑き』を使って彼女を封印していた。
使用する際に手持ちのマイナス螺子が細長く伸び、それを相手に突き刺す必要があるのだが、本人曰く「心を折るための過負荷」であり、痛々しい絵面に反して肉体的ダメージはほぼ0らしい。
これを食らっためだかの台詞によると、心を折る効果に関しては、球磨川自身が弱ければ弱いほど効果が高まるようである。それゆえに、球磨川の『強さ』に気付いていためだかの心が折れることはなかった。
このスキルも球磨川が学園生活の中で幸せになるにつれ劣化していき、現在(漆黒の花嫁衣裳編)は効力の弱くなった『劣化却本作り(マイナスブックメーカー)』となっている。
(めだかちゃんの婚約者くらいなら30年くらい封じられる程度…十分です球磨川さん)
完全版不完全『安心大嘘憑き(エイプリルフィクション)』
故・安心院なじみからの2つの遺産の1つとして再びその手に渡った『手のひら孵し』を使って劣化を止めた『大嘘憑き』に、もう1つの遺産である、スキルを使わないスキル『実力勝負(アンスキルド)』を組み合わせてできたスキル。過負荷かどうかは不明。
3分間自らのスキルを禁止するスキル『実力勝負』を大嘘憑きに組み合わせたことにより、「なかったこと」にした現実が3分で元通りになるスキルとなった。これによってある意味取り返しがつくスキルになったと言える。
???『虚数大嘘憑き(ノンフィクション)』
箱庭学園卒業後(もっと言えば百輪走後だと思われる)に全国ツアー最終日の須木奈佐木咲の前に現れた際に所持していたスキル。過負荷かどうかは不明。
基本的には大嘘憑きと同じだが、『なかったことにしたという現実』を、再びなかったことに出来るようになった「取り返しのつくスキル」。
「改造された」と明言していることからおそらく安心大嘘憑き(ひょっとすると大嘘憑きに戻している可能性もあり)を不知火に改造してもらったのだと思われる。(安心大嘘憑きでは過去になかったことにしたものは戻せない(なおせない)為)
このスキルをもってして須木奈佐木から消した記憶を戻してあげようと提案していたが、すげなく却下された。(どうやら同じようなことを全国でしているようだが、ほとんどに断られているようだ)
『副会長として』
生徒会戦挙後、めだかの勧誘により会長めだかの「対抗勢力」として副会長に就任。
箱庭学園見学会ではめだかに代わって所信表明を行い、「残酷な選別」と称して、参加に来ていた600人あまりの中学生(異常者含む)の心をへし折るなどの活躍を見せる。
その後の後継者育成のオリエンテーリングにおいては、優勝した場合の副賞に「女子全員の裸エプロン」を希望。その結果、中学生達から「裸エプロン先輩」というあだ名を付けられることになる。その後も、「手ブラジーンズ」、「全開パーカー」など、どんどん新たなジャンルを発掘して行くことに…。
なお裸エプロンについては、第2回人気投票にて球磨川が2位の黒神めだかにダブルどころかクラドラプルスコアを付けてぶっちぎりの1位を獲得してしまったため、本誌上でカラーで実現した。詳細は裸エプロン先輩を参照。
『負完全と呼ばれた男の正体』
登場初期の読者やめだか達の印象では、球磨川は『人を人と思わない人でなし』だと思われていたが、実は箱庭学園に転校してきた時点で既にそういった側面はかなり失われていた。
グッドルーザー球磨川で描かれた水槽学園に在籍していた頃まではまさに前評判通りの人物で、(いくら相手を選んでいるとはいえ)好きな女の子の気を引くために一生モノのトラウマを植え付ける、自分のことを気にかけてくれる女の子を惨殺するなど、取り返しのつかないことを平気でやる極悪人だった。(めだかや阿久根や善吉が過剰に球磨川を恐れていたのは、この頃の球磨川しか知らなかったため。)
球磨川が変わるきっかけになったのは、水槽学園を巡る陰謀で須木奈佐木咲から抹殺されそうになった時、咲が球磨川を友達だと認識してしまったせいで球磨川を殺し損ねてしまったことである。その後は、咲を含む水槽学園の敵を皆殺しにして学校を壊滅させた後に『大嘘憑き』でなかったことにする、といういつも通りの段取りを行った球磨川だったが、本人としては自分のことを友達だと思ってくれた女の子を手に掛けたのは相当なトラウマになっていたらしく、この事件を境に以前からの極悪人を演じる一方で、内心では誰よりも仲間を傷つけてしまうことを恐れているという支離滅裂な人間性とその副産物としてある種のカリスマ性を得ることになる。(球磨川自身も『以前の自分に戻ってしまうんじゃないかと不安だった』と言っており、周囲を傷つけながら孤独を味わっていた頃よりも、仲間を庇って自分が傷だらけになっている現在の方が楽しいようだ。)
球磨川本人としては、この事件からずっと『咲のスキルである操作令状による支配が続いている』という認識らしく、転校後も後生大事にしていた水槽学園の制服である学ランは球磨川にとっては宝物のようだ。
これ以降の球磨川の行動や作戦は、「自分が囮(悪者)になって敵の注意を引きながら時間を稼ぎ、その間に仲間に目的を達成してもらう。旗色が悪くなれば早々に勝負を投げて次善策を打つ」という過剰な安全策が基本的なドクトリンになる。
『主な愛称』
『禊ちゃん』
『クマー』
『裸エプロン先輩』
『全開パーカー先輩』
『悪いシンジくん』