天秤とは、重さをはかる道具の一種である。
⚖️概要
元始的な秤の一種で左右対称な長さになるよう棒の中心を支点に定め、棒の両端に地面と水平に吊るした皿を取り付けたもの。置き型と吊り型の二種類がある。
計測方法は、量りたい物体を一方の皿に載せ、もう一方の皿に重さの基準となる錘(おもり)を載せていき、両者が吊り合った時点の錘の合計を、物体の重量と定める。
現在でも科学の分野、特に微妙な計測が必要な化学や薬学の分野で重宝され小学校や中学校の理科の実験で使った人も多いはず。
咎を定める神器
同時に、天秤は古代から人の罪悪の計測器という神話・宗教的なシンボルとしても用いられている。古くはエジプト神話でオシリスが主宰する『死者の法廷』において登場し、ギリシャ神話でも正義の女神アストライアーの持物として登場する。天秤座の天秤も、アストライアーの天秤に由来するとされる。
現在でも、アストライアーを起源とする裁判の守護女神『審判の女神』の象徴として、またそこに由来して裁判官や弁護士のバッジに意匠として取り込まれており、その面影をうかがい知ることができる。