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概要

ギリシャ神話に登場する古参の女神の一人で、その名は「星の乙女」を意味する。

ラテン語では「アストレア」とも呼ばれる。

正義を司る女神であり、ローマ神話ユースティティアとも同一視される。

主神ゼウスと女神テミスのあいだに生まれた娘で、その権能から同父同母で同じ権能を持つ女神であるホーライ三姉妹の一柱ディケーと同一視される。

翼を持つ乙女として描かれることもあり、乙女座のモデルともされる。

彼女がモデルとされる場合は、右手に持つ「麦の穂」がとなり、また左手に天秤を持つようになる。これは彼女が前述のユースティティアと同一視され、さらに後世にて「正義の女神」となり、「裁判の守護神」として信仰されたためである。天秤座は上記の天秤がモデルであるという説が存在する。

当初は人間の善性を強く信じ、父ゼウスの治世になって争いを繰り返す人間の説得に最後まで奔走したが、人が鉄器を手に入れて侵略戦争を始めたことから、人間に失望して世界を去ったという。

地上に常駐していたのでオリュンポス十二神には数えられていないが、神々の検事総長とも言える地位にあり、神罰の正式な執行役も担当しており、正式に処罰対象と判定された他の神々を罰し、国の一つ二つ容易に壊滅させる程の強大な権限と力を有している

然し、些細な事で神罰を執行する父を含めた他の神々と異なり、神器である「正義の天秤」で対象者の罪を厳密に見極めて証拠を掴み、父であるゼウスと母であるテミスと相談した上でもう一つの神器である「正義の剣」を振う。

最後まで地上に常駐して、人々に正義と平和を説いた逸話からも、性格的には「言葉で改心させられる相手は罪を許す」伯父のハーデスに寧ろ近い。

地上に常駐する唯一の神で、尚且つ正規の神罰の執行者なので、人間と接触する機会が多い女神なのだが、彼女が下す神罰は慎重に調査をした上での人も神も納得するような真っ当なものであるので皆が納得して特に逸話に残らず、神話のエピソードに登場する頻度は少ない。

また、権力の悪用と私欲に基づいた争いを殊の外嫌う性格故に、王侯や英雄に協力する事も殆ど無いので、余計に影が薄くなっている。

唯一、ペルセウスの伝説においては、権力を悪用する主君に苦しめられた異母弟ペルセウスが助けを求めて彼女の元を訪れたという(比較的省略されがちな)逸話で登場しており、異母妹であるアテナへの仲介を行っている。

逆に現代では裁判所などに「裁判の神」として彼女の像が置かれるのが定番となっており、オリンポス十二神外の神としてはハーデス、ペルセポネと共に見る機会が多い。

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