漫画「めだかボックス」の登場人物。
「なんっ…でそこまで!的確に人を傷つける台詞が言えるんだよお前はあああああっ!!」
「言うに事欠いてまさかのトランプだと!?」「トランプを武器にする奴なんて現実にいるわけねーだろ!俺が二次元と三次元の区別もつかねー馬鹿だってのか!?」
概要
二年-十三組所属。友達の志布志飛沫と同時期に-十三組に転校して来た男。
片眼鏡と執事服(制服?)という風貌で、-十三組生の中では例外的に理性的な物言いをするが、「偉そうな奴は何されても仕方ない」とエリートを目の敵にしており、暴力的かつ高圧的な本性を露にする事がある。
また、能力の関係上ストレス耐性が皆無であるため、ちょっとした説教でもされようものなら理解不能なキレ方をして被害妄想を撒き散らし、そして理性の無い攻撃行動に出る等、実は-十三組のメンバーの中でも極めて危険な存在であり、所謂「モンスターチルドレン」の代表格ともいえる。加えて志布志以上にスキルを使う事への躊躇いが無い為に、黒神真黒ですらも「球磨川君より怖い」と恐れている。
『大嘘憑き』があるとはいえ球磨川禊の腕をへし折りながら登場。幼少期にも、異常者の管理・研究に特化していた箱庭総合病院を志布志飛沫と共に廃墟にすると、彼もやはり過負荷なのであった。
生徒会戦挙の副会長戦に参加。その一週間前(生徒会戦挙会計戦の直後)、球磨川が『はじまりの過負荷』を取り戻すべく自分自身を殺させるために、「なんかお前、トランプを使って戦いそうな顔だな(笑)」と挑発した結果、あまりにも突発的な逆上によって性格どころか髪型や顔、服の着こなし方まで激変、球磨川を自身の過負荷で重傷を負わせて、結局そのワイルド蝶ヶ崎君により頭を踏み砕かれて球磨川は命を落とすことになる。
理性の無い世界の素晴らしさを、球磨川さんは体を張って教えてくれたようである。
対決した日之影空洞は、ルールに基づく形で蝶ヶ崎に勝利しているのだが、彼自身の能力に打ち勝てる者は、登場人物の中では結局誰一人としていなかった。
また、蝶ヶ崎自身も日之影に負けた事に未練…というよりも興味さえ持っていなかったようなので、改心には至っていないが、最終的には球磨川が敗北を認めた結果、自身もそれを認める姿勢を見せている。
もし、蝶ヶ崎に何らかの大きな野心の様なものがあったとしたらと思うと、ゾッとせずには居られない話かもしれない。
過負荷「不慮の事故(エンカウンター)」
自分が受けた身体的・心理的ダメージを他の対象に移すという極めて凶暴な過負荷。他人に害をもたらす過負荷の能力としては、「大嘘憑き(オールフィクション)」をも凌駕し得るトップクラスの危険度を誇ったスキルである(「大嘘憑き」の場合は、身体の傷等を無かった事にする事が出来る為、プラスにもなり得る為)。
防御や反射ではなく「移す」能力であり、一度ダメージを受けた事実は変わらない。しかし即死したとしても、その『死』さえ他人に押し付けることができるため、どのような攻撃にも無傷でいられるのには変わりない。
更にこの能力は、自分が受けたダメージを移す対象に、蝶ヶ崎自身が一切触れる必要性は無く、その対象を(人間の様な生物はおろか、鉄骨の様な無機物も問わない)意識するだけで発動できる(つまりはワイヤレスで)上に、押し付けられた対象は、それを防いだり回避する事はまず不可能という、恐ろしいまでに凶悪さを兼ね揃えている。志布志曰く「武道の達人が殴られた衝撃を地面に逃がしたりするのをワイヤレスで発動出来る」「核兵器落としても殺せない」。
幼少期から「不幸をすべて周りに押し付けてしまえば自分は誰よりも幸福になれる」との考えのもと、過負荷を使い続けてきた。その結果、家族すらダメージとして押し付けてきた彼は、気づけば何も無くなっており、回想すべき過去すら持たない人間になってしまっていた。
彼が過負荷の中で例外的に理性的な人間であったのも、この過負荷によって他の人間にトラウマやストレスを押し付け続けた結果であり、その代わりにその押し付けられた人たちはどうなっているか不明。
志布志のスキルとは最悪な相性(そもそもダメージそのものを本人が別の対象に押し付けて受けない為)で、特に仲が良い訳でない彼女が蝶ヶ崎と行動を共にしているのも、そのスキルの危険性や、自分以上にスキルを使う事に躊躇が無い彼に対する「恐怖心」からである。
スキルの内容や蝶ヶ崎自身の人間性を聞かされた名瀬夭歌も、このスキルを使い続けた代償は「性格が歪むどころじゃ済まない」と、絶句させている。
純粋な戦闘においては、自分一人の時は受けたダメージを相手に送り返せばいいので負けることはおろか傷付く事すら無い(本人のポリシーとして、そういった戦法はあまりとらないらしいが)。
ただしダメージの移動を出来るのはあくまでも蝶ヶ崎自身だけであり、他人のダメージは移動できないので、仲間を失うような状況に陥っても何も出来ないという欠点もある。その点に関してだけは「大嘘憑き」の方に軍配が挙がるといえる。