概要
Scratch(プログラミング言語)とは、アメリカ合衆国のscratch財団とマサチューセッツ工科大学のチームが共同開発したプログラミング言語サイトである。
Scratchで活動する人は「Scratcher」と呼ばれ、世界に7000万人以上のScratcherが存在している。また、著名なScratcherとして「2dMinecraft」などで知られるgriffpatch氏が存在する。
言語としての特徴
通常のプログラミング言語は「コード」と呼ばれる文字列を入力する事で「スクリプト」を作成し、コンピュータに動作を命令するタイプの物が多いが、Scratchは「ブロック」と呼ばれるプログラミングの「コード」を簡略化したものがスクリプトに使用されている。
ブロックを組み立てるような感覚でスクリプトを組み立てる事ができるため、プログラミングの入門として教育の場で広く活用されている。
2019年にScratch3.0がリリースされ、デザインが一新された(一部Scratch2.0のままになっている所もある)。
サイトとしての特徴
Scratchのサイトとしての特徴として、まず「共有」が挙げられる。共有とは、Scratcherが作成した作品をScratchのサイトに公開できる機能であり、scratcherで無くても見ることができる。
「評価」と「リミックス」
公開されたプロジェクトには、ハート型の「好き」と星形の「お気に入り」の二つの評価をつける事ができる。
「好き」は単純な高評価を表すが、「お気に入り」はブックマークのようなものであり、後でプロフィールから簡単に見つけることができる機能となっている。
リミックスとは、共有された作品を自分の作品として取得することができる機能で、他者のプロジェクトを自分流に改造したり、スクリプトを覗く事で他の人の技術を学ぶ事ができる。元のプロジェクトに何も変更を加えないリミックス(無変更リミックス)をするScratcherがいるが、これはScratch Teamが「無変更リミックスはリミックスとは認められない(要約)」との見解を示しいる通り、コミュニティーガイドライン(後述)に違反している。
「傾向」と「注目のプロジェクト」
Scratchで他人のプロジェクトを見たくなったら、ぜひ「傾向」と「注目のプロジェクト」のページに行ってみよう。「傾向」には人々がプロジェクトにどのように反応しているか、要するにトレンドが載っており、「注目のプロジェクト」はScratch Teamが審査して一定のレベルに達したと評価された名作が掲載されている。
Scratchサイトでの交流
Scratchには、特定の人のプロジェクトや活動をチェックしたり、他人と関わりやすくするためのフォロー機能や、SNSのようなプロフィールページが存在する。またScratch独自のシステムとして、Scratcher同士の交流の場・特定のジャンルのプロジェクトをまとめる場所である「スタジオ」という機能が存在し、Scratcher達は単なる雑談から作品の共同制作までに幅広く利用している。元々Scratchは学習コンテンツであり、Scratchのフォロー機能にはTwitterのような「ファン」や「友達」という意味合いは無かったが、SNSとしての機能上、Scratchで友達を作ったり、F4F的な付き合い(follow for followの略, 「フォローされるためのフォロー」)もごく自然に行われるようになった。
また、コミュニティーガイドラインに「8歳以上の全ての人に適切な作品」という文章があるため、不適切な内容は削除されてしまうことが多い。トラブルなどを防ぐためにTwitterのようにリツイートなどの拡散機能が存在しないため、誰かが極端に有名になること自体が少なく、ましてや炎上に至ることはほとんどない。(例外もある。)
ディスカッションフォーラム
ディスカッションフォーラムはScratchのwebサイトの一部であり、その名の通り「議論をする場所」であるが、宣伝用のトピックや質問コーナーも存在している。いくつか細かいローカルルールが存在するので、利用する際は⚠️⚠️日本語フォーラムのお約束です。必ず読んでね⚠️⚠️に書いてある事を守り、基本的なネチケットを遵守すること。
発信者が持つ著作権
Scratchで共有されるプロジェクトは、その内容物全てがCC BY SA-2.0のライセンスのもとで頒布されるよう設定されている。CC BY SA-2.0とは簡単に言えば「原作者の名前を書けばこの作品をリミックスしても良い」ということであり、Scratchにおける自由なリミックスはこれの下で成立しているといる。
発信者が守るべき著作権
Scratchが抱える大きな問題として、Scratchでは画像、音声といった様々なデータを簡単にアップロードできてしまうため、著作権を侵害する作品が横行していることが挙げられる。
本来著作権とは誰かが作った作品を他人に取られないようにするための決まりであり、実際にScratchでの著作権侵害が原因で法的にヤバいこと(パックマン事件)になった事例もある。君の安全のためにも、他人が描いた絵や、音楽、動画などを許可なく使ったりするのはやめよう。
なお、ディスカッションフォーラム内にも著作権についてのページがあるため、そちらも参照。
「報告」
もしScratchでコミュニティーガイドラインや法律に違反しているプロジェクトや行動を見つけたら、迷わず報告ボタンから報告しよう。ルール違反が発覚した場合は、ユーザーへの制限やプロジェクトの公開禁止の処分が下される可能性がある。
Scratch用語
- F4F:「follow for follow」の略で、「フォローしてほしいからフォーローする」こと。人によっては嫌う人もいるので、誰かをフォローをする時には何か一言挨拶をしておこう。元々はInstagramなどで海外のユーザーが使っていた言葉。
- 無変更リミックス:改造しないでリミックスをすること。明確な禁止行為であり、報告と削除の対象となる。
- 無差別フォロー:理由もなく手当たり次第にフォローをする事。知名度を手っ取り早く上げるために行われる事があるが、スパムでありマナー違反。
- スク友:Scratch内での友達のこと。以前は「ボーイフレンド」「ガールフレンド」にあたる「スク彼」「スクカノ」もあったが、Scratchは出会い系サイトではないと言う理由でScratchTeamから公式に禁止された。
コミュニティーガイドライン
Scratchチームが作成した、するべき事、してはいけない事をまとめたルールのこと。
Scratchを利用する際にはしっかり目を通しておこう。
関連タグ
プログラミング プログラミング言語 Scratchアニメ 教育
外部リンク
⚠️⚠️著作権(ちょさくけん)について ぜひ読んでね⚠️⚠️
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