指トリガー

ゆびとりがー

指トリガーとは、銃のトリガー（引き金）に指をかけている行為のことである。

概要

指トリガーとは、常に拳銃やライフルのトリガー（引き金）に指をかけ、いつでも撃てるようにする、あるいは周囲からそう見えている行為のことである。「指トリ」と略されることもある。

常に臨戦態勢をとるため、昔の映画などではよく使われていた。ただし、近年では事故を防ぐためとして、指をトリガーガードの外に出すようにしていることも多い。

日本では、国家として徴兵制が敷かれていなかったり銃刀法が施行されているために銃の扱いに縁がない人が多く、深くトリガーを引かないと銃弾が発射されないと考えがちだが、調整次第ではトリガーに軽く触れる程度でも弾を発射することができる。つまり、何かの拍子にトリガーに触れた程度で、弾があらぬ方向に発射されてしまう可能性があるのである。

そのため、射撃をするとき以外はトリガーに指をかけずにいることが望ましい。

特に、近年ではサバイバルゲームが流行しているなか、指トリガーは危険な行為として注意されることが多い。トイガンやエアソフトガンであっても、この状態で不意にトリガーを引いてしまいBB弾が目に入ってしまえば失明に至る可能性もあるほか、それ以外の箇所に当たっても普通に負傷する可能性や器物破損につながることもある。

本人にトリガーを引く気がなくても、何らかの拍子に引いてしまうことがあるので、それを防ぐための心がけである。

また、本物の銃であればまぎれもない死傷事故につながりかねないため、その取り扱いについては厳重に注意する必要がある。

日本で本物の銃を撃てる場所は限られているが、海外旅行では実際の銃を撃てる射撃場へ行くことも比較的容易である。軽いノリで銃を扱った結果、重大事故につながる可能性もあるのだ。

銃を扱うときは、それが本物であろうとレプリカであろうと

①すべての銃には弾が装填（そうてん）されているものとして扱う

②破壊殺傷したくない人・物には銃口を向けない

③射撃を企図するまで安全装置を解かない

④射撃をするとき以外は引き金に指をかけない

⑤射撃をする際は目標の周囲と後方を確認する

という意識をもって取り扱うのである。

指トリガー警察

一方、これらの指摘を事細かに行う「指トリガー警察」なる人たちもいる。

無論、彼らは親切心で注意を行っているのだが、時として無可動の銃で行うコスプレイヤーや、創作で銃が出てくる際にたびたび指摘を行い、騒ぎになることがある。

もちろん、それらの指摘される対象を真似して、第三者が可動するエアガンで同じポーズをとってBB弾を発射してしまい事故につながる可能性はなくもないのだが、行き過ぎた指摘が炎上したり、忌み嫌われることもある。

特に、騒ぎが起きることを警戒し、最近では映画やドラマを制作する企業も「指トリガー警察」の動向を気にするようになり、お互いが銃を突き付けているのに指がトリガーから離れているというマヌケなシーンが出されたりすることもある。

銃関係のほかの考証はガバガバであるにもかかわらず、そこだけ律義に守っていることすらある。

指トリガーは、「今すぐに撃つぞ」というキャラクターの「殺意」や「行動」を示すものであるが、行き過ぎた指摘の結果、緊迫感が薄れてしまったりマヌケな画ができてしまうのである。

また、指をトリガーにかけない、というマナーや行動が一般化したのは比較的最近であり、以前は当然指にトリガーをかけるのが常識ですらあった。何なら、第二次世界大戦のころなら、常にトリガーに指をかけ、銃口の向きを気にしてない写真などはゴロゴロ見つかる。当然、映画などでも同様で、相手に銃を突きつけるときもトリガーに指をかけていることは多い。

そんな時代を題材にした映画にも、同様の指摘をするのであれば野暮であると言うしかない。

そして当然の事ながら、マナーを守らないような現在のマフィアやギャングは指をトリガーにかけていることも珍しくないのである。

そもそも、「指をトリガーにかけない」というのはマナーではあるが、それらを創作上のヤクザやチンピラといったならず者が一々気にかけているのは滑稽に見えてしまう。マナーと言うのであれば、人に銃口を突きつけている時点で本来ではアウトなのである。

カッコいい絵面（えづら）になるので、それを無可動や確実にBB弾の入ってない銃でやっている「気をつけている」コスプレイヤーなどを相手に騒ぐのは、さすがに過剰反応であるといえる。

それらを踏まえて、注意する場所や場面、言い方などはよく考える必要がある。厳しい言葉で語気を荒げずとも指摘はできるのだから。

また、コスプレを行う側も、そのようなコスプレを行ったり写真を撮る際は、前提となる情報をきっちりと確認し、小道具として用いるエアガンやガスガンに一発のBB弾も入っていない状態であることを、やり過ぎというくらいまで確認しておこう。

そして、映画やドラマなどの映像作品を制作する側についても、不当な指摘にはきっちり反論できるくらい、設定に関する下調べをしていただきたいものである。