極度に希釈した成分を投与することによって体の自然治癒力を引き出すという思想に基づいて、
ある物質を何百倍も水で薄め、砂糖玉にしみ込ませた「レメディ」と
呼ばれる錠剤を飲むと自然治癒力が回復し病気が治る、という触れ込みである。
科学的にはどう考えてもただの砂糖玉でしかないのだが、
信じている人達は「物質のパターン・波動が水に記憶される為、治療効果がある」と思い込んでいる。
その歴史
もともとはドイツの医師であるザームエル・クリスティアン・フリードリヒ・ハーネマンが考案した。
当時の医療は瀉血といって、わざわざ血を出して治療するというほぼ迷信に近い療法があり
当然この「治療」が逆効果になって死亡する人も多かった。
それに比べば、ただの砂糖玉を与えるだけで実質何もしていないホメオパシーは
少なくともマイナスではなかったのである。しかしハーネマン自身はこれを
ホメオパシーそのものが効いたと思い込んでしまい、この間違った見識に基づいた
トンデモ理論を構築して行く事になる。
その結果ヨーロッパではすっかり広まってしまい、保険適用される国まで出る様になった。
また実質ただの砂糖玉である故に経費が安く、お金のない発展途上国でも広まってしまった。
問題点
現代の科学からすればまったくの出鱈目でしかないのだが、使っている人の中には
ただふつうに病気が自然に治っただけなのをホメオパシーのおかげと思い込む人が多く
結果的に現代医療を遠ざけるようになる者も少なからずいる。
これが自分だけならまだいいのだが、我が子に受けるべき医療を受けさせず
重大な結果を招いたり、酷い例では助産師がホメオパシー信者であったため
与えるべき薬品のかわりにレメディを与えたため新生児が死亡して訴訟沙汰になった事件もあった。
しかし雑誌等でファッション的に紹介されたり、一部の医師や看護師などの
医療有資格者がハマっていたりすることもあり、日本でも一部芸能人が
ハマってしまい結果的に業者の広告塔状態になっている。
また鳩山由紀夫政権時には鳩山本人がホメオパシーの信奉者であったため
長妻昭とともに予算をつけようと目論んだため各学会の猛反発を浴びた事もあった。