概要
正式タイトルは『りゅうごろしようじょ ～誰も信じてくれないので【冒険者】のふりしていますが本当はレアクラスの【黒竜騎士】です。【竜を食べるほど強くなるユニークスキル】で最強に至り、悪しき竜を全て滅します。包丁で～』
2022年6月10日から発表されており、書籍化もされている。
書籍版は聖華文庫から刊行、挿絵はあえ君、ベネット、餅月あちゃも、Hassann Graham、eijiが担当。既刊2巻（2025年現在）。
あらすじ
突如現れた竜の大群によって全て奪われた少女、タニアは全ての竜を滅ぼすと誓った。その日からひたすら厳しい鍛錬を続け、ついに最強の騎士の一人となった。彼女は【竜殺し包丁】という人語を喋る巨大な剣を片手に国をまたいだ旅を続け、竜によってもたらされた事件を解決していく。
登場キャラクター
- リッシュタニア・カーラ・ドラグニル
本作の主人公であるソロ冒険者。通称「タニア」。
虹色に見える銀髪と青い瞳をしている他、10代前半にしか見えない姿が特徴。これはある事情で外見が10代前半で止まっており、そのせいで金銭を稼ぐために冒険者組合に出向いても断られる事も珍しくない。そんな彼女だが、この世界でも最強の一角と名高い黒竜騎士であり、意思を持つ大剣『竜殺し包丁』を武器兼相棒としている。また、魔法を心得ている。
カーラの里を竜に焼かれた過去を持っており、人に害なす竜を滅ぼすために黒竜騎士になったのだが、同時に竜を見るたびに憎悪を掻き立てていく程に竜への憎しみは強い。
一方で冒険者を志したのも「自分のように悲しい想いをする人が少しでもいなくなるように」という想いが理由であり、大切な人が窮地に陥った者に対しては放っておけない性分である。
- 竜殺し包丁／リュー
タニアの武器にして相棒である意志を持つ大剣。
とにかく口も性格も悪い上にタニアを「小娘」と呼んでおり、おまけに（理由は後述するが）魔石を事ある毎に要求している。とは言え、タニアからも「リュー」と呼ばれており、ダンジョン攻略を行っているもリューが心の支えになっている事が多い。一方でタニアの向こう見ずとも言えるお人好しには少々焦っている。
仕組みは不明であるが、尋常じゃない強度を誇っており、しかも斬れ味が鈍らない。流石にこびり付いた魔物の肉片を水で洗い流す必要はあるが、鍛冶屋で打ち直す必要はほぼ無いので武器としては一級品である。また、幅広で面が広いという特性から、王冠構えと呼ばれる守りの構えで心臓、喉笛、頭蓋を護り敵の急所への攻撃に対応できる。他にもソナーを備えており、敵の気配を読み取る事が出来る。
しかし、魔石を定期的に摂取しなければ機能停止してしまうのが欠点だが、それを差し引いても非常にコストパフォーマンスの良い武器となっている。
それとは別に、タニアのドラグアムド『アルマトスフィア』の起動キーとしての役割もあり、展開時にはこの武器に貯蔵した魔力も使える利点がある。
竜
異形の存在であり強大な敵。姿も個体によって千差万別。また、ダメージを受けてもあっという間に再生していく上に、強力な竜には特殊なスキルを持っている。
共通するのは、人に害をなす存在である。
- ジャバウオック
竜の一体。
体は蛇のように長大でありながら毛や鱗はなく、その巨体とは不釣り合いと言えるほどに腕が小さく、翼も極限に退化している。目の無いウナギのような頭部をしており、口部はゴブリン程度なら余裕で入れる大きさを持っている。
自身の体を透明化させる能力を持ち、そこからしなるムチのように繰り出す尾の一撃で敵を葬っていく。不可視な上に音速を優に超える攻撃の回避は困難であるが、砂煙の中では透明な姿が逆に目立ち、大きなダメージを受けると透明化の維持が難しくなっていく。また、全身に覆われた粘液により、接地面の摩擦を無くして音を立てずに動く事が出来る。
音で空間を認識しており、聴覚を駆使して獲物を狙っていく（その事もあってか元から目は備わっていない）。だが、それ故に余りにも凄まじい音に対しては致命的となってしまう。
スキルは【引力操作】。引力でエサを引き寄せて捕食するというのがこの竜の狩りである。
最終的にはタニアに敗れ去った挙句にスープの具材にされて美味しく頂かれた。
竜鎧装着（ドラグアムド）
竜との戦闘を想定した決戦兵器。黒竜騎士のみが有する力であり、身体に刻み込まれている黒竜紋に魔力を込める事で展開する事が出来る。
漆黒の強化外装を纏う事で身体能力を大幅に強化する他、漆黒の装甲により如何なる攻撃を通さない様にしている。強力な性能を持つ分、魔力の消費も激しい為、展開するタイミングを見極める必要がある。
完全展開時は全身に装着する事が出来るが、体の一部に限定した装着をする事が可能。
黒竜神からの下賜されるこの外装は一種の祝福として固有の名が与えられるが、個体識別の番号ではなく意味性と言う性質を持っており、その名前に込められたモノが悪意であれば呪詛、愛であれば祝福となる。
- アルマトスフィア
タニアが纏うドラグアムド。固有の名の意味性は不明。
このドラグアムドは他のモノと異なり竜殺し包丁を触媒としている。
