あかつき
あかつき
1.日本の金星探査機の名称 2.関西~九州間のブルートレインの名称 3.NHK朝の連続テレビ小説の番組名
金星探査機「あかつき」概要
あかつき(第24号科学衛星:計画名PLANET-C又はVCO(Venus Climate Orbiter: 金星気候衛星))は、宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所(ISAS)の金星探査機。観測波長の異なる複数のカメラを搭載して金星大気を立体的に観測する。
2010年5月21日に種子島宇宙センターから打ち上げられ、半年後の12月7日に金星への軌道投入シーケンスが実行された。同日10時28分、金星の地食から脱出、通信が回復した。衛星の詳しい状態を鑑定したところ、セラミックスラスタによる逆噴射後約2分20秒の時点で衛星の状態が不安定になり、本来緊急時に行われる衛星が回転して進む状態になってしまい、セラミックスラスタによる十分な逆噴射が行われなかったため、結果として金星の軌道投入に失敗。しかし太陽の周回軌道に入り、2015年11月の軌道投入を目標としてRCSスラスタによる軌道制御を2011年11月中に3回実施し正常に完了した。
従来の気象学では説明ができない金星の大気現象のメカニズム解明を主目的としている。言ってみれば、あかつきは金星版気象衛星である。このミッションの成果は、惑星の気象現象を包括的に理解することにつながると期待される。加えて、赤外線により金星の地表面の物性や火山活動を調べ、また地球出発から金星到着までの間に惑星間の塵の分布を観測する。
「初音ミクを金星へ」のスローガンの元、署名が1万人を超え、初音ミクパネルが搭載された。
金星探査機「あかつき」航海記録
- 2010/05/21 6:58:22(日本時間) H-IIAロケット 17号機によりIKAROS及び5機の小型衛星群と共に打ち上げられる。
- 2010/06/28 13秒のOME噴射を実施し、セラミックスラスタの世界初の気土壌実証を行う。
- 2010/10/08 搭載カメラの確認のため、射手座の一部および牡牛座、月、地球を撮影した。
- 2010/12/07 OME噴射により金星への軌道投入を試みるが、予定の軌道への投入に失敗しセーフホールドモード状態となっていた。
- 2010/12/09 LIR,UVI,IR1の3台のカメラで金星を撮影した。
- 2010/12/27 トラブルの原因が逆止弁の閉塞であり、これが原因で異常燃焼が発生した結果スラスタの一部が破損したと発表された。(「あかつき」の金星周回軌道投入失敗に係る原因究明と対策について(その2))
- 2011/09/07 第1回OMEテスト噴射の実施の結果、OMEの推力が想定の1/9であることが判明。
- 2011/09/14 第2回OMEテスト噴射を実施し、推力の結果が第1回と同程度であることが確認された。これによりOMEを利用した当初予定の周回軌道への投入は困難であることが確認されたため、RCSスラスタによる軌道投入計画に切り替えられた。
- 2011/10/06,12,13 OME用の酸化剤投棄を実施した。
- 2011/10/26 宇宙開発委員会での発表で、姿勢制御用RCSを使った運用計画が報告される。(「あかつき」の現状と金星再会合に向けた軌道制御運用について)
- 2011/11/01,10,21 RCSスラスタによる軌道制御を実施し、正常に行われた。