概要
元々「空亡」と「妖怪」という言葉を並べて扱ったのは、荒俣宏(博物学者、小説家、神秘学者、妖怪評論家、タレント)による『陰陽妖怪絵札』だった。この本は、真珠庵の『百鬼夜行絵巻』(室町時代に制作)を元にして作られており、最後の場面で太陽が「空亡という時期」を利用して夜明けをもたらすことが述べられている。
>空からころがり落ちてくる火の玉のような太陽は、まさに闇を破る万能の力といえる。
>太陽は、夜の闇を切り裂いて夜明けをもたらすとき、空亡という「一日の暦の切れ目」を
>ついて、夜の中に割りこんでいく。この空亡の隙間は、どんな妖怪にも塞ぐことができない。
それと
小松和彦は『百鬼夜行絵巻の謎』216-217頁にて以下のように述べている。
真珠庵本の妖怪たちの<楽園>は、「巨大な火の玉」(陀羅尼の火)の出現で終わり
百鬼夜行(妖怪たち)の出没するときは、「夜」であり、「朝日」とともに沈黙し、
どこかに立ち去っていきます