幻想少女大戦は、スーパーロボット大戦(以下スパロボ)シリーズのシステムを基として製作された。
四部作が予定されており、その一作目である「紅」が2010年8月に頒布された。
2012年7月に二作目である「妖」が頒布され、2013年5月に三作目の「永」の体験版が公開された。
製作はサークル「さんぼん堂」。
概要(幻想少女大戦紅)
以下は第一作目である「幻想少女大戦 紅」についての概要である。
ストーリー
「紅」の名の通り東方紅魔郷を主軸としているが、
他シリーズのストーリーが語られたり紅魔郷には出ていなかったキャラクターを話に組み込むなど、
システム
単にスパロボのシステムを再現するだけに留まらず、
「弾幕」や「グレイズ」といった東方ならではのオリジナル要素を搭載し、
「敵陣のど真ん中に高回避力ユニットを突っ込ませればそれだけで安心」といった
いわゆるリアル系無双をさせにくくするなど、工夫を凝らしている。
また、原作の個性豊かなスペルカードも独自に表現されている。
戦闘
スーパーロボット大戦の大きな特徴である戦闘アニメも再現しており、
技の中にはスパロボやその他ロボットアニメのオマージュを取り入れたシーンや台詞も見られる。
また、戦闘中の台詞の掛け合いもパターンが多い。
BGM
東方のアレンジBGMが全面的に使用されているが、特徴の一つとして
敵味方含めて全キャラに専用BGMが搭載されている(毛玉などの雑魚を除く)。
中には聴く人が聴けば一瞬で分かるほどにスパロボBGMを意識したアレンジも含まれている。
参考:
幻想少女大戦紅 オリジナルサウンドトラック クロスフェードデモ(ニコニコ動画)
概要(幻想少女大戦妖)
以下は第二作目である「幻想少女大戦妖」についての概要である。
ストーリー
―――幻想郷―――
それは東の国の辺境の地に、古くから存在している。
人間と妖怪が住み、そのその歴史を脈々と紡ぐ、小さな隠れ里。
幻想郷には、二つの大きな結界がある。
力の弱まった妖怪を幻想郷に呼びこむ「幻と実体の結界」
幻想郷とその外部を常識と非常識の境界で分かつ「博麗大結界」
これらによって、幻想郷は外の世界との往来を断っている。
そこで人間と妖怪は、独自の文化を築きながら暮らしていたのである。
第一一八季夏、幻想郷を紅い霧と嵐が襲った。
人体に有毒な紅い霧は幻想郷中に広がり、人々を苦しめた。
後に紅霧異変と呼ばれるこの事件を解決したのは二人の人間だった。
結界内の調和を保つことを役割とする博麗神社の巫女、博麗霊夢。
偉大な魔法使いを目指す普通の少女、霧雨魔理沙。
二人を中心として結束した人妖は、種族の垣根を越えて協力し、
異変の首謀者であるレミリア・スカーレットを打ち破ったのである。
そのころ、妖怪の山では新たな事件が起こっていた。
外の世界の神々、守矢神社が幻想郷にやってきたのである。
守矢の神々は山の妖怪たちと衝突し、さらには博麗神社に営業停止を言い渡す。
しかし、戦いの末に博麗霊夢は東風谷早苗を撃退し、博麗神社を守った。
手を引いた守矢神社は妖怪の山に伏して、沈黙したのである。
幻想郷に一時の平和が訪れたかに見えた。
しかし、人妖たちに与えられた平穏の時は、長くなかったのである。
―――そして、幻想郷に秋が訪れた。
(幻想少女大戦妖 ブックレットより)
タイトルの「妖」の通り東方妖々夢を主軸としているが、
前作「紅」同様、東方Projectシリーズの他作品ストーリーやキャラクターの登場など、
今作ににおいても豊富なクロスオーバー展開が繰り広げられる。
特に今作では前作でストーリーが持ち越された東方風神録関連について、
本格的なストーリー展開がなされている。
続編であるが、「紅」未プレイでも「妖」をプレイする事は可能である。
システム
前作のシステムを継承しつつ、「嫁システム」のリニューアルや固有スキルの追加、
汎用スキルのリニューアルなどにおいて、変更が行われている。
また、戦況報告の追加や検索機能、ズーム機能、サブウインドウの追加など
システム面な追加があり、プレイ環境が更に向上している。
BGMについてもキャラクター個別設定機能の追加などで、
ユーザーが自分好みのスタイルでプレイできる環境が整えられている。
戦闘・BGM
前作のアクティブで華麗な戦闘アニメは顕在で、さらに向上している。
セリフにおける掛け合いやオマージュなどは、今作でもバリエーションが極めて豊富である。
BGMにおいても見事なアレンジの傾向は「紅」から継続されており、
複数の楽曲からの大胆なMIXや聴く者を唸らせる秀逸なアレンジなどで、
物語をこの上なく盛り上げる。今作においても必聴のものばかりである。
参考:
幻想少女大戦妖 オリジナルサウンドトラック 紹介動画(ニコニコ動画)
(こちらの動画は登場キャラクターによる対談と言う形をとっており、音楽に加え、幻想少女大戦そのものの味わいを感じとることもできる。ただし説明文にもあるように、ネタバレ注意。)
前作からの引き継ぎ
「紅」のクリアデータ(霊夢ルート、魔理沙ルート)を「妖」のsavedataフォルダに移すことで、
一部の「紅」のプレイ要素を「妖」に反映させる(引き継ぐ)事が出来る。
この引き継ぎは任意で、「紅」のデータを引き継がずに「妖」を始める事もできる。
(プレイ開始時に選択肢が表示される)
またこの引き継ぎは「妖」で周回プレイを行う際も継承される。