軍事用語
火砲を特定の範囲に集中させて連続射撃を行うことで発生させる、火線と爆発による防壁である。また銃砲などの火線の密度を「弾幕の濃さ」で表現することもある。
弾幕を張る目的は、とにかく大量の弾薬をばらまくことで確率論的に命中させること、もしくは、大量の弾丸で相手の行動を制限するために張られることである。言いかえれば、精密射撃が技術的に出来なかった時代の産物である。
本来は陸戦用語であり、砲兵が横一列に砲撃を行い、自軍の攻撃の援護及び敵軍の攻撃の阻止を行うことを指す(なので、弾「幕」である)。
その後、航空機の発展に伴い、対空弾幕という概念が発展した。第二次大戦期までの対空火器は非常に命中率が悪く(太平洋戦争初期の米海軍で1機の航空機を撃墜するのに約3200発、VT信管が開発された後期でも約800発という数字がある。まぁ、撃墜出来なくても、被弾で攻撃出来なくしたり、攻撃を難しいと思わせて断念させれば十分なんだけども)量によって質をカバーする為に対空弾幕という方法が取られた。
その後はレーダーや誘導兵器が発達し、現代では既に過去のものと言って良い。陸戦では精密砲撃が可能になった上、撃つだけ撃って即陣地転換が砲兵の鉄則であり(見つかれば即撃ち返される)、対空においても長距離はミサイル、接近された場合のCIWSによる迎撃もバースト射撃である。
これらの(特に対空弾幕)は以下の「弾幕シューティング」から比べると拍子抜けするほど薄い。効果は十分だが。
また最近では誘導兵器が発達したため専らミサイル防御に用いる事が多く一瞬撃張って終わりというなんとも寂しいものである。
アメリカの一部の州などのようにフルオート下記の合法所持が可能な地域で、マシンガンぶっ放しパーティーを行った時の方が弾幕と言える数の弾を撃つかもしれない
比較的最近に行われた弾幕と言えるものは、ソマリア内戦でのモガディシュの戦闘でヘリに向けて撃たれたものである。狙わない嫌がらせも含めれば数百発というRPGが撃ちあげられている。
創作作品において
機動戦士ガンダムシリーズでのブライト・ノアの台詞「左舷、弾幕薄いぞ、何やってんの!?」が有名。
機動戦士ガンダムの世界は近未来の地球と周辺宇宙を舞台としているが、電子的な誘導兵器がほとんど使えないミノフスキー粒子が発達したことで、我々の世界での上記のような廃れた前世代的な戦闘(第1次大戦並みの交戦)が起こりやすく、主要戦艦は敵戦闘機を近づけないように常に銃器による弾幕をバラ撒く戦い方が起こり得る状況となっている。
ちなみに、「左舷、弾幕薄いぞ、何やってんの!?」という台詞は作中に登場しない。Zガンダム中盤の戦闘における「左弦砲撃手、弾幕薄いぞ!何やってる!」「砲撃手、なにやってんの!?」が混ざった用語である。
ゲーム用語
弾幕と言えば、「怒首領蜂」で、「弾幕シューティング」というジャンルを生み出したCAVEが有名である、とにかく難しさを追求した殺す弾幕は一種の美しさも醸し出し楽死いのである。
火蜂のふぐ刺しと言われる弾幕は「ふぐ刺し美味死いです」と言うほどの美しさとトラウマであり
緋蜂の洗濯機と言われる弾幕は無理ゲーと言わしめるほどである。
Pixivでは本気の戦闘ではなく、ルールに従ったお遊びとして弾幕を放つ東方Projectが有名。
ただしこの作品においては避けられないもの、無闇に威力が高いものは弾幕として使われない。
そもそも東方とCAVEでは弾幕の性質が明らかに違うからである。
東方が「クリア出来る魅せる弾幕」に対し、CAVEは「クリアさせる気なんて初めから無い殺す弾幕」
ただし、大抵の場合難易度選択ができるゲームの最高難易度(虫姫さまなど)や、2周目(「怒首領蜂」など)、上級者向けの筐体での内部難易度設定などがそれに当たり、それ以外は比較的良心的?で、不慣れな人でもある程度はクリアできるようになっているのでご安心を。「クリアさせる気なんて初めから無い殺す弾幕」は、あくまでも低難易度では物足りない一部の人向けである。
東方が見た目の美しさに対し、CAVEの弾幕は機能美といったところか。
斑鳩やサイヴァリアのような『普通には避けられない魅せ弾幕』も存在する。
なお2011年2月にCAVEが、ギネスワールドレコードに
「弾幕系シューティングゲームを世界一商業化した会社」
として認定されギネスブックに記録されることとなった。
派生語
これらになぞらえて、格闘ゲーム等において多数の分身やアシストキャラを駆使して猛攻撃を仕掛けることを「人間弾幕」と言うことがある。ゲームのシステムやアシストキャラの性能によっては、一度流れに飲まれようものなら相手は為す術なく、一方的に倒されてしまうことも有り得る凶悪な性能を発揮することもある。画面外からの急襲やガードめくりに繋がるものも多く、初心者キラーとしても恐れられている。
有名どころといえば、アルカナハートシリーズの春日舞織(恐らく「人間弾幕」と最初に呼ばれた者)や、EXVSシリーズのアッガイ辺りだろうか。…呼び出すのが人間じゃなくてロボとか人外でも「人間弾幕」と呼ばれるが、当然ながら岩投げやファンネルなど自身の武装の一部として存在するものにはこの呼称は使われない。
動画サイト
転じて、ニコニコ動画のコメント機能において短時間のうちに大量のコメントが集中して表示される状態も「弾幕」と呼ばれる。この場合、お前らの愛で見えないというタグがセットになることが多い。
ミノフスキー粒子の影響下では左舷後方の弾幕が薄くなる傾向にある。