和金(普通のフナのような一般的な魚の形)形状だが尾ビレが歳を重ねるごとに長くなるのが特徴。最終的に尾ビレだけじゃなく全てのヒレが同じようにとても長く伸びるので「袖り振金魚」とも呼ばれる。 背中に赤いラインを引いたような感じの「一本緋」といわれる柄が良物とされる。
パッと見だとコメットと間違える人も多いが、庄内金魚はコメットとに違いは、
「晩成型と体系」
コメットは比較的早い時間でヒレの形成がなされていくのに対し庄内金魚は歳とともに徐々に長くなっていき、最終的には体長より尾ビレのほうが長くなるというコメットを凌ぐ吹流し尾になる(ただし尾の張りはコメットよりないので垂れ下がってくる)。スタイルもコメットより無骨。コメットがスラッとした感じに比べ野生のフナみたい若干体高がでる感じ。
一般的には庄内金魚でも2種類の作種があり、
伊藤系(和金と琉金の掛け合わせ)と阿部系(和金とオランダ獅子頭の掛け合わせ)
がある。
伊藤系はスラッとした体系で尾の伸長が伸びるタイプ。阿部系は若干伊藤系より丸くて赤の発色がいい感じ。ただ最近は雑交配のおかげでこれらのあまり特徴のある固体は少なめ。さらにいうとコメットとの交配の種類も出てきていてある意味ニセモノも多く、純粋な庄内金魚を買うのは難しめ。飼ってみたいという方は、信頼できるお店に頼んで養魚場直で取引してもらうか、毎年6月に余目町で行われている植木・金魚まつり(このお祭りでは生産者直で買える)で購入してくるのがいいかも。
ちなみにこの庄内金魚にさらにもう一回琉金を掛け合わせて作ったのがタマサバ。そのタマサバを選別淘汰して作ったのがフクダルマ。他にも玉錦、鳥海和金とか、庄内金魚から派生した別種の金魚もある。
飼い方としては可能な限り屋外飼育推奨。低水温でゆっくり育てていくのと冬期に低温環境の下でしっかり冬眠させるのがコツ。丈夫な品種なので室内で普通の金魚みたいに水槽で育てていくどんどん大きくなる。しかし結果的に体だけがどんどん大きくなっていき、最終的に単なる「大きめのちょっと尾の長めの和金、コメット」という感じになってしまう。なので低水温で育てることにより体と尾のがバランスよく大きくしていく。またしっかり冬は低水温下で生活させるより赤色を締めていく(つまり赤の発色が良くなる)。ここらへんはブリストル朱文金とも育て方は近い(あちらも低水温化でゆっくり育てないと尾が垂れ下がる傾向)。
そういう意味では庄内金魚は正に「北国生まれの北国向けの金魚」である。何十センチとバキバキに凍った池でも下で普通に生きている姿はこの金魚の丈夫さが感じられる。