アイドル声優(声優アイドル)とは、1990年代半ばあたりから生まれた俗称である。
文字通り「アイドル」のような売り方、扱い、人気、活躍を示す20~30代の声優のこと。
男性声優よりも女性声優を指すことが多い。
概要
本業である声優業だけでなく、CDの発売やライブなどの音楽活動(キャラクター名義での活動も含む)、声優専門誌などへのグラビア出演、写真集やイメージビデオの発売、アニラジなど幅広く活躍し、主に若年層のファンから支持を得ている人気声優を指す。
アイドル声優と称される者同士で結成される声優ユニットも多数存在する。
幅広い活動を見られること(ドル売り)自体は、一時期において人気を得ている声優であることの証明であり、基本的にファンからは歓迎されるものの、ベテラン声優や声優全体のファン(またはアニメファン)の中には、アイドル的な活動をする声優のことを良く思わない者もいる。
自身のCDが声優として初のオリコンTOP10入りを果たした記録を持ち、現在のアイドル声優の礎を築いた林原めぐみも「声優は表舞台に立つものではない」というスタンスを貫いていた。
また一般的なアイドルと同様に、「実力(演技力)の面で劣る」という認識が否めないことから、声優本人も「アイドル声優」と称されることやアイドル扱いされることを嫌がる者もいる。
ドル売りで爆発的な人気を博した平野綾も、自身は「声優はアイドルではない」と発言するなど、アイドル声優として扱われることへの反発や、立ち位置に対する複雑な心境がうかがえる。
功罪
新陳代謝と人気の浮き沈みが激しい業界であるため、「アイドル声優」として一時期に絶大な人気を得たものの、わずかな期間のみの活躍で若い世代にポジションを取って代わられ、仕事も露出も大幅に激減するというケースが非常に多い。
かつて人気を誇ったものの「最近は何をしてるんだろう?」という声優が大半である。
桑島法子も新聞のインタビューで「アイドル声優は旬が過ぎてしまうと、この業界では使ってもらえなくなります」とシビアな現状を吐露している。
勿論実力も兼ね備えていて、40代を超えてもベテラン声優のポジションにシフトし生き残っていく声優もいるが、このようなケースはごく稀であると言える。