和田慎二の漫画『スケバン刑事』及び、それを原作とするアニメ・ドラマ等の主人公。
ドラマにおけるその名は後に任務上のコードネームとして世襲制となるが、本項においては第1シリーズ及び原作、OVAに登場する「本来の麻宮サキ」について述べる。
概要
8月26日生まれ。生年については初登場時点で17歳の設定となっている為、作中と現実の時間軸がシンクロしていると見なせば原作は1958年、ドラマは1967年、OVAは1973年となる。
以下は原作における概要。
母親が父親殺しの罪で死刑宣告を受け、心に傷を抱えて道を踏み外し少年院に入れられていた不良少女であったが、警視庁の大物「暗闇警視」との取引により、死刑囚の母・ナツを救う交換条件として学生刑事となる。
特命刑事としての戦闘力は高いが、一方で学生としては勉強が苦手で、特に英語は生活指導担当の教師・沼重三から「サキの頭は日本語しか話せないようにできている」と評されるレベル。
ただし、あるエピソードでは睡眠学習で一時的ながら堪能に話せており、潜在能力は高いものを持っているようである。
その沼とは当初敵対関係にあったが、やがて深い信頼関係が生まれ学校内における最大の理解者となる。
最終決戦後、約半年の間姿を消していたが、彼女一人だけの為に企画された卒業式に現れて笑顔でヨーヨーを投げて去って行く。
しかし、直後に現れたムウ=ミサの口から実は既に死亡していたことが明かされた。
最終的に何歳だったのかは時系列が曖昧なので不明瞭だが、作中と現実の出来事を照合させていくと命日は1978年9月某日、満20歳没という説が有力である。詳しくはWikipediaの人物及び作品の記事を参照のこと。
ヨーヨー
サキ個人のみならず『スケバン刑事』という作品の象徴と言えるアイテム。
作中における学生刑事は非公式の存在で、警察の一部上層部のみが知る存在であるために警察手帳を持たない。その為、武器であるヨーヨーの外装に桜の代紋が身分証代わりに仕込まれている。
鉛(OVA版では「重金属」)が仕込んであり、当たった際のダメージは大きい。
バージョン毎の主な相違点
生い立ち
原作:貧困な家庭に生まれ、妹・美幸は幼い頃に富豪の家に養女に出されている。妹を溺愛していた母・ナツからは疎まれながら成長する。
妹の養家・小座倉家への無心を繰り返していた父・俊也はナツとの壮絶な夫婦喧嘩の末、サキの眼前で首をはねられて死亡。この事件はサキの深いトラウマとなり、その後の運命に多大な影響を与える。
もっとも、ナツも全くサキへの愛情がなかったわけではなく、子供時代にはヨーヨーの腕前を素直に褒めていたり、ある任務において窮地を救うなどしている。
信楽老との最終決戦前にサキを庇い致命傷を負うが、今際の際に「サキ…あたしの娘」と語り掛け、やっと母としての愛を示して和解。
ドラマ:母・ナツが死刑囚である事は変わり無いが、その経緯及び両親の性格が大きく異なる(妹は未登場)。
父・俊也は原作でのダメっ振りから一転、敏腕ジャーナリストとして設定されており、敵側の黒幕・海槌剛三の悪事を暴く過程で殺害され、その濡れ衣がナツに着せられるという流れ。
そのナツも、家族に対し人並み以上の愛情を持った人物となっている。序盤でこそサキの面会を拒み続ける描写があるが、それは(冤罪である事は承知の上で)結果的に夫を死に追いやってしまい、サキへ合わせる顔が無い…という罪悪感からの事であった。
キャラクターとしての描写
原作:ロングヘアーを下ろした状態で縛っており、学外での活動時は動きやすいパンツルックが多い。
ドラマ:髪型はポニーテールへ変更。服装もほぼ全編セーラー服で通している。
演者の斉藤に合わせて「少年院でのリンチで右手を骨折し左利きになった」という設定が追加され、
東映制作という事もあってかバイクに乗るように。
神恭一郎との関係
原作:中盤以降、明確に恋愛関係あり。
ドラマ:恋人と言うよりむしろ兄妹的な印象が強いが、2006年の映画版の存在から推測して、実際は原作と同等以上の深い関係があったのではないか、という説もある。
海槌麗巳との関係
原作:長らく宿敵関係にありながらも、戦いの中で次第にお互い内心では認め合い、ある意味では最大の『友』とすら言える部分もあった。
アニメ:終盤において、実は腹違いの姉妹ではないかという可能性が仄めかされるも、和解には至らぬままに最終決戦へと至る。
関連イラスト
関連タグ
麻宮騎亜 - アニメーター・菊池通隆が漫画家としてデビューする際、サキの名をペンネームの元ネタとした。また『サイレントメビウス』には実写版の演者・斉藤由貴をモデルとした「彩弧由貴」が登場する。