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概要

60mm~130mm程になるアジア最大のカブトムシ。古い書籍では単に「オオカブトムシ」と記されているものもある。

インドシナマレー半島インドネシアに分布する。アトラスオオカブト属


学名はChalcosoma caucasusであったが、この学名でFabricius氏によって記載された1801年の12年前のOliver氏の文献にChalcosma chironとして載せられていたことが発覚、国際動物命名規約に基づきchironへと変更された。

またそのことに伴い「キロンオオカブト」とも呼ばれる。

旧学名の「コーカサス(綴り的に正式にはカウカサスという呼び方の方が正しい)」はギリシャ語で「白い雪」という意味で、上翅の金属光沢を雪に見たてて名付けられた。その名の通り全身に美しい黒艶があり、特に上翅は青緑~赤銅の強い金属光沢を帯びる。

現学名の「キロン」はギリシャ神話に登場するケンタウロス族の賢者ケイローンに由来する。


ただし雑誌『月刊むし 2022年2月号』によると、chiron表記のホロタイプ標本(その種の基準となる個体の標本)は現存しておらず、小型個体を描いた描画が残されているのみであり、スコットランド自然史博物館が保有しているタイプ標本も、描画を元に同定したレクトタイプ標本(ホロタイプが無い時の代わりの標本)であるためどちらが正しいのかは諸説ある。

もちろんその描画がアトラスオオカブトの小型個体を描いた可能性もある。


3本の角を持つカブトムシ(正確には大きく湾曲する左右の胸角の間に小さい角が1本あるので4本だが)で、英名はそのまんま「Three horn Beetle」。


雄は金属光沢を帯びた黄緑〜黒色で頭角の中央に棘状の突起を備える。

雌は緑〜茶色がかった艶消しの銅色。

上翅に細かい毛が生えており、お尻側から撫でるとザラザラする。


雑誌『ビー・クワ67号』によると、主に標高1000m以上の、夜間は15℃を下回るような冷涼な場所に生息するとされる。ライトトラップ(灯火を立て、集まった昆虫を捕まえる採集方法)で得られるとされるが、アカシアの仲間の樹皮を傷つけ、滲み出た樹液を吸っているところも時々記録されている。

一年を通して採れるが、シーズンは4〜9月。


他の大型カブトムシにも当てはまるが、前胸部と上翅の付け根部分の間は爪切りのように鋭くなっており、指を挟まれると痛いどころか皮膚を切断される危険すらある。しかもこの付け根部分は触られると反射的に閉じる性質を持っているので、コーカサスオオカブトに触る時はこの部分は極力避けよう。脚の爪も鋭く力強い。


凶暴なカブトムシ(に限らず植物食性昆虫全般で最も攻撃的な1種)の代表格ともいえる種であり、成虫どころか幼虫ですら非常に気性が荒い。

成虫になると喧嘩の相手はもちろん、メスだろうが容赦なく殺す上(そもそもメスも気性が荒い)、触れるもの全てに攻撃的反応を示すことから相手の死骸に延々と攻撃し続ける事もある。

2匹以上を同じケースに入れると9割方喧嘩するので、飼育下での交尾には少しコツがいる。


日本でもジャワコーカサス(原名亜種)は比較的安価で購入しやすいが、自然界での生態はまだわかっていないことが多い。


成虫の飼育はサイズと気性の荒さから1ケース1匹でないとほぼ確実に他の個体がバラバラにされる。

繁殖させて幼虫を大きく育てるのは大量の餌があれば容易だが胸角が十分に伸びた野外産と遜色ないような個体を羽化させるのはヘラクレスオオカブト等と比較すると難しいため、飼育者(ブリーダー)人口はヘラクレスよりかは少ない。

ジャワ亜種と大陸亜種は比較的長角型になりやすいといわれる。飼育で羽化させた成虫は体にスレ傷などもなく金属光沢が際立って美しい。

近年のコロナ禍の影響で輸入が激減し、値段が高騰している傾向にある。

特にタイリクコーカサス(大陸亜種)は最近は数万で取引されることもザラである。


亜種

多くの図鑑や専門書ではChalcosoma chiron (亜種名)と表記されることが多いが、旧学名時代に当時の基準で分類された亜種のため、便宜上当記事ではcaucasusを使用する。


原名亜種(ssp.caucasus)

インドネシアジャワ島に生息する。

ジャワコーカサスと呼ばれる。

頭角先端にアトラスオオカブトに見られるカエシ状の突起がある点が特徴。

胸角は細く、個体差が強いもののマレーやタイリクと比較すると湾曲が弱い。上翅の厚みが他亜種と比較して薄く、コンパクトな体型に見える。

体の裏側が赤い。

年間を通じて大量に輸入されてくるため4亜種の中では一番流通量が多く安価に購入できる。


スマトラコーカサス(ssp.janssensi)

スマトラ島トアンク島ニアス島に生息する。

原名亜種と比較すると胸角は短いが、太く真っ直ぐ寄りに伸びる。

また、原名亜種より体高も高く上翅も幅広い。

最大亜種で133mmの個体が採れているが、飼育下では大型個体になりづらいとされる。


マレーコーカサス(ssp.kirbii )

マレーシアに生息する。

原名亜種よりも胸角の湾曲が強く、頭角も中央の棘状突起より前が長く伸びる。

体高は高く上翅も幅広い。

原名亜種同様体の裏側が赤くなる。

見栄えもいいため図鑑の写真によく採用されている。

詳細は当該記事参照。


タイリクコーカサス(ssp.belangeri)

インド北東部〜ベトナム南部に生息する。

マレーコーカサスに似るが、胸角の湾曲が気持ち弱め。

裏側はマレーと比べると黒い。

過去はベトナムから大量に輸入されていたが、近年のコロナ禍の影響で輸入がストップしたため、飼育品の値段が高騰している。


昆虫相撲において

3本の角を振りかざして突進する様は迫力があり、安価なため昆虫相撲でも引っ張りだこ。

気性が荒くパワーも強いため、古い図鑑では世界最強のカブトムシと紹介される事が多かった。まあ生まれついての生物兵器みたいなヤツなので、最強ならぬ最恐ではあるだろう。

ヘラクレスオオカブトとどちらが強いかでよく議論され、TVの企画などで実際に対決することもあるが、リーチの差はもちろんのこと、体重差がありすぎて力が段違いに弱く勝率は低い。上向きの頭角が相手を挟みにくいので相手の下に角を潜り込ませるのが得意な日本のカブトムシに負ける事もある。

しかし前述の通りヘラクレスには及ばないにしてもパワーがある上角の形から、一度角が「入って」しまうとそのまま相手を振り落とすこともできずに締め上げ続け殺害してしまう事も。特にゾウカブト相手だとこの事故は起こりやすく、ゾウカブトの胸と胴体部分の関節に角が入ってしまうと簡単には抜け出せなくなり、悲惨なことになりやすい。

また肉食昆虫並みの気性の荒さと高い攻撃力から、異種格闘技にも参加することが多く、自らの角を鋏で挟んで来たザリガニを逆に圧倒的なパワーで持ち上げて、振り回して叩きつけ戦意喪失させた。

脚の力も強く毒虫の柔らかい体にはのし掛かるだけでダメージを与え、キングバブーンという大型のタランチュラはコーカサスをひっくり返して、コーカサスの柔らかい腹部に自らの毒牙を突き立てようと飛びかかったが、逆にコーカサスの鋭く強靭な脚で引っ掛かれてた挙げ句捕まってしまい、大量の体液を流す致命傷を負って敗北している。


また長い符節は老化すると真っ先に欠落するため、熱心なコレクターは成虫が綺麗なうちにシメて標本にしてしまう場合もある。

しかしこのイカした三本角の超かっこいいフォルムと荒々しい性質で世の男の子達の憧れを惹きつけてやまない不動の人気種である。


甲虫王者ムシキングシリーズでのコーカサスオオカブト

2亜種(及び作中オリジナルの特殊個体が1匹)が登場している。


コーカサスオオカブト

初期シリーズより登場。本作ではヘラクレス(ヘルクレス)やギラファのようにいかにもな連中が堂々のつよさ200に君臨する一方、コイツやパラワンオオヒラタクワガタは登場時期の関係(知名度故登場を後回しに出来なかったと思われる)か180と二番手に甘んじている。ちなみにアトラスオオカブトは140、本州ヒラタクワガタ(ツシマヒラタクワガタなどの他の日本産亜種ヒラタクワガタは登場しない)は120(ロケテスト時に限り140)と大分落ちる。

必殺わざはパー。

カードには「生まれたところ スマトラ島」と記述されているが、グラフィックのモデルはジャワ亜種と思われる。

性格はアタックタイプ(2004ファースト拡張パックまで)→スーパーアタックタイプ(2006ファーストから)。

肩書きは「アジア最強のカブトムシ」。超必殺わざは「ローリングドライバー」


2004ファースト拡張パックで一旦排出終了するが、2006ファーストで復活。復活までは「アトラスオオカブト」を相似拡大したようなグラフィックだったが、復活後は金属光沢を強調されており、区別がつきやすくなった。


テクニックの関係でわざカードによるパワーアップ値がギラファリッキーブルーなどより高くなっているため、スーパーアタックタイプになってからはMAXカスタマイズ時の総合攻撃力がパラワンオオヒラタクワガタと並び1位である(総合238。必殺わざ以外のすくみでも59もある)。

とくしゅわざの影響は考慮しない。


また、超必殺わざの攻撃力は「性格無しコーカサス」は100、アタックタイプは110、スーパーアタックタイプは120である。

スーパーアタックタイプのコーカサスはパーの超必殺わざの攻撃力が最高の120である。(ちなみに2位はヘルクレスリッキーブルーの118)


その代わり、体力は大型甲虫にしては低く、MAXカスタマイズ時でも158しか無いので要注意。(アタックタイプは178、性格無しコーカサスは198)


タッグマッチでは(強さ120相当のエンガノオオカブトが参戦していないため)相性◎となるペアが存在しないため、使い勝手はあまり良くないとされる。

同属の大型甲虫もいないため、「ムシカードの強さの合計値が320以上で相性◯」になる相手もモーレンカンプオオカブトアトラスオオカブトしかいない。

  • 後述の「改造コーカサスオオカブト」は通常のコーカサスオオカブトとは別のカードとして扱われていたが、アダー完結編ではタッグマッチは廃止された。
  • 一応、同属の甲虫が他にいないタランドゥスツヤクワガタオウゴンオニクワガタよりはマシだが…。

新甲虫王者ムシキング

レア度はSRで、前作同様銀レアに当たる立ち位置。肩書き、必殺技は旧作と同じ。

ローリングドライバーのキレが増していたり、公式サイトでは最強のカブトムシと称されていたりと優遇されている。


2016 3rdでSSRに覚醒し、肩書きが「最強の3本角」、必殺技が「トライデントドライバー」に変わる。次世代WHFにて中学生以下限定オオクワガタと共に先行覚醒ができ、2016年2月15日をもって筐体で覚醒できるようになった。

なおこの時の覚醒コーカサスのつよさの値は後述の改造コーカサスと同じ300となる。


激闘編には1弾開始に合わせて発売された「パーフェクトVずかん」付録として先行登場。より攻撃力の高いパラメーターになった。攻撃力は120と覚醒コーカサス(超大型)に並ぶ

また激闘2弾ではブラックバトルで「赤目のコーカサスオオカブト」がもらえる。

ヘルクレスリッキーブルーに次ぐ全ムシ中2位の攻撃力130を誇り、覚醒コーカサス(超大型)よりも攻撃力が高くなった


激闘6弾では技習得イベントにて登場。その際の能力値は初期の超大型固体でありプロモとして登場した激闘コーカサスの存在が忘れられてしまっている(SSRタランドゥスツヤクワガタ、SSRオーナメンタルタランチュラなども激闘以降はプロモカードのみの登場だがそちらはプロモ版の能力で登場している)。


なお新ムシキング稼働の際には学名が変更されていたものの、販売された一部公式グッズにおいては旧作同様「Chalcosoma caucasus」の学名が使われている。20周年記念のグッズも同様。

  • アニマルカイザーではChalcosoma chironが使われていた。

改造コーカサスオオカブト

当該項目を参照。


マレーコーカサスオオカブト

新ムシキング激闘4弾にて参戦。こちらは覚醒無しでのSSRな上にグーが必殺わざであり、カルコソマ属では初。


コーカサスオオカブトをモチーフにしたキャラクター

特撮

仮面ライダーシリーズ

上述の通り大抵の創作ではヘラクレスオオカブトに次ぐ2番手になる事が多いコーカサスだが、何故かこのシリーズではヘラクレスモチーフより上位の存在になっていることが多い。


スーパー戦隊シリーズ


漫画


関連項目

カブトムシ

カルコソマ属 アトラスオオカブト モーレンカンプオオカブト エンガノオオカブト

甲虫王者ムシキング/新甲虫王者ムシキング

ヘラクレスオオカブト:世界最大のカブトムシ。旧甲虫王者ムシキングではヘラクレスの必殺技変更まで同じ必殺技を使っていた。


オウゴンオニクワガタパラワンオオヒラタクワガタ:コーカサスと同じく新ムシキングで覚醒した強さ180の甲虫で、どちらもスパコレのステージ「改造甲虫」で最後の敵として、コーカサスとともにランダムに登場した。


グランディスオオクワガタオウゴンオニクワガタマルスゾウカブトパラワンオオヒラタクワガタブルマイスターツヤクワガタコーカサスオオカブトサタンオオカブト:旧ムシキングで強さ180(銀レア)だった甲虫たち。もっとも、マルスゾウカブト、パラワンオオヒラタクワガタ、コーカサスオオカブトは実際には強さ200で通用する実力で、オウゴンオニクワガタとサタンオオカブトは強さ180で通用する虫ではないのだが…


ハイドラ(カービィ):形がこの虫の角に似ている。


アクロカントサウルス:古代王者恐竜キングの「アクト団恐竜捕獲作戦」で上記の改造コーカサスオオカブトと同じような立場で登場した。

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