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ジャパニーズ・ビジネスマンとは日本会社員のことである。


概説

本来の意味で使用されることもあるが、主として欧米人によって勘違い日本的な歪んだ理解をされ、そして時々それを超越した超人的なサラリーマンステレオタイプ的キャラクター性を指すことも多い。


一言で言ってしまえば、生身の企業戦士YAMAZAKIである。

まれに日本人自身によって描写されることもあり、上記YAMAZAKIや栄養ドリンクリゲインのCMに日本人によるジャパニーズ・ビジネスマン像を見ることができる。


まあ実際、高度経済成長期モーレツ社員なんかにはこんな人もいたらしいけどね。


解説

諸説あるが、サイバーパンク小説の名著といわれるニューロマンサー(W・ギブスン著)において、劇中執拗に繰り返された「さらりまん」という単語がイメージの普及に貢献したのではないかと噂されている。


また、世界的にもJapanと言えばUdonで、Udonと言えばブレードランナーであるが、ニューロマンサー自体ギブスンがブレードランナーの「二つで充分ですよ」を視聴したことで生まれた経緯もあり、以降のサイバーパンク物では上述二者のオマージュも含めて過剰に発展した未来都市で縦横無尽に跋扈するインチキ日本企業の描写が恒例となった。


これは一見荒唐無稽な話にも思えるが、そこには60~90年代に掛けて欧米市場で取り沙汰された、黄禍と呼ばれる深刻な緊張関係が見えてくる。


国内経済の立て直しが一段落付いた60年代後半から、日本企業は世界市場に進出していった。終戦よりまだ20年、未だに残る敵視や人種差別という逆風にもめげず、日本企業のビジネスマンたちはありとあらゆる場所へ赴いて自社製品を営業した。70年代、やがて勤勉な仕事内容が徐々に成果を出し、安くて高性能な日本製品は飛ぶように売れ、多くの海外企業がその脅威を目の当たりにし、そして自国経済への影響を考え始めた。80年代にはそういった背景から、「いつしか世界経済は日本企業によって征服されてしまうのではないか」といった懸念が世界中で大真面目に議論されていた時期でもあり、「未来世界を王様気取りの我が物顔で歩き回るジャパニーズ・ビジネスマン」という光景は意外にも真実味のあるかなりシリアスな設定だったのだ


実際には、バブル崩壊により日本企業が世界経済を牛耳るような未来は訪れなかったのだが、この「サイバーパンク=日本人(or黄色人種)」という構造はジャンルに根強く定着することになる。後年の大ヒット映画マトリックスシリーズでは空手を意識したカンフーアクションやを使った演技、ラーメンを食べるシーンなど、ジャパニーズ・ビジネスマンのイメージから生み出された因子を積極的に取り入れられる形となった。


解釈

主にフィクションにおけるステレオタイプを箇条書きにする。


・常にダークスーツ なぜかメガネで七三分け そして曖昧な微笑

・社名にはなんだかよくわからない漢字っぽいフォント、左右反転したカタカナ

・どんな場所、待遇であっても会社のためなら長時間働き続ける忠誠心を持つ

・個人の願望や野心が希薄で、特攻すら辞さない狂気じみた自己犠牲精神を持つ

・「BANZAI」「KAMIKAZE」「YATTA」 謎の三段活用

・突出した高度な技術力。自社製品カタログには平気でロボット兵器とか載せてる

・交渉の席にはカラテを極めしニンジャのガードマンを用意する

・希にサラリーマンがニンジャだったりサイボーグだったりもする

・武器はKATANA

・口にするのはスシサケ

・まれに北野武のような強面のヤクザめいた御仁もいる

・最悪北野武本人だったりする(映画限定)

・奥さんはどんなときでも必ず和服で、ひどいときは普段から白粉を塗ってる


このように、しばしば度が過ぎたエキゾチズムに汚染されたキャラクター付けがなされていた。


また、全体的に善悪の価値判断が欠如していたり、あるいは文化ギャップなどからか非合法手段に対して躊躇がない描写も散見されるが、ぶっちゃけサラリーマンとヤクザの見分けが付いてない。ただし希に、”高潔なサムライの精神”を持ったサラリーマンが味方する展開もあるが、ヤクザ描写も含めて作り手の「日本企業の営業マン」に対する滅茶苦茶な設定だったりする。


限られた情報から研究して至極真面目に練ったジャパニーズ・ビジネスマンの、どこかおもしろおかしく誇張の入った日本人像は世界中のSFファンに伝染したが、流石に今日では「お約束のギャグ」の一種として受け入れられている。


当事国である日本の読者視聴者からは失笑や爆笑を買っていたが、21世紀になると「昔の日本企業は凄かったんだなあ」という喪失感から、むしろ日本人がこうした日本像を描くようになった(だからこんな記事も存在する)。しかし、その夢を紡ぐのはもはや国産PCでは無く、アメリカのメーカーが台湾製のチップと韓国製の画面を中国やベトナムで組み立てたマシン達なのだった。そしていつかはクラウンではなく、ドイツ車に乗ることを夢見るのだった。


2010年代にはポリティカル・コレクトネスの影響によりこうした描写は非常に少なくなったがサイバーパンクではまだまだ出てくる。


関連タグ

勘違い日本 企業戦士YAMAZAKI サラリーマン リゲイン

サイバーパンク ニューロマンサー ニンジャスレイヤー ブラック企業


マシ・オカ……アメリカで活躍している日本人役者。00年代にTVドラマHEROESでブレイク。テンプレート的なジャパニーズ・ビジネスマンの役で出演するも、劇中では特攻を連想させる「Banzai」という台詞を「Yatta!!」に変更し、自身のキャッチフレーズにして子供達から人気を集めた。当時からアジア人役者の演技傾向が「画一的」「ステレオタイプ」であるとして「コメディを中心に据えることで東洋人視聴者に身近に感じて貰い、ゆくゆくはアジア系役者や子供達のイメージアップを図りたい」と語っていた。

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