概要
ルパン三世の偽物。
作品の主人公の偽物が登場する事自体は、ある種お決まりのパターンといえ、『ルパン三世』と同じく怪盗ものの『怪人二十面相』や『まじっく快斗』、そもそも原典の『アルセーヌ・ルパン』にも登場している為に、長期作品の『ルパン三世』に登場する事自体は、それ程珍しい訳ではないが、『GREENvsRED』での描写(後述)により、これまで登場した偽ルパン三世のうちの何人かは、実際にルパン三世に成り得た人物だったのではないかという推測を立てる事もできる(最もGREENvsREDは完全なる異質作であり、そもそもルパン三世の作品は基本的に作品間で設定を共有したりはしないので、それを全面的に根拠にする事はできないが)。
TV第2シリーズ
第16話『二つの顔のルパン』
ルパンの予告状に先回りしてお宝を強奪する事件が発生。犯人はルパン三世を名乗るも、その方法はルパンが最も好まない強盗殺人であった。
第一の犯行の時には銭形はその凶行に激昂。一方、第二の犯行が発生した後、次元と五右ヱ門は精神科医ノーミル博士に、ルパンの様子がおかしいと話しかけられて相談する。ノーミル博士はマジックミラー越しにルパンを観察させる。すると、突如容貌が変わり、性格も残忍なものへと変貌してしまっていた。精神科医として世界的権威であるノーミル博士は自分が発見した「変身病」であると説明する(現実の「解離性同一性障害、所謂多重人格のそれに近い)。
ルパン自身も自己不信に陥り、就寝前に寝室にビデオカメラをセットして撮影する。しかし、その映像の中ではルパンが女性を連れ込むが、同じように別人格へと変貌し、強盗どころかシリアルキラー化してしまっていた。ルパン自身もノーミル博士にビデオテープを持って受診するが、ノーミル博士には「治療法はない……」と言われてしまう。
その後も「ルパン」の凶行は続き、ノイローゼになりかけたルパンは自殺を試みるも、不二子がそれを止める。不二子はルパンを椅子に縛り付けつつ、症状が現れるという午前0時を待つが、結局ルパンは変身しなかった────
第65話『ルパンの敵はルパン』
第155話『さらば愛しきルパンよ』
『さらば愛しきルパンよ』では、偽ルパン一味が登場している。詳細は当該記事へ。
- 偽ルパン三世…永田重工の御曹司であり、重役の1人だが実際はただのドラ息子である。使用拳銃も本物と同じワルサーP38で、声も当時のルパン三世と同じく山田康雄氏が演じた。2021年10月15日の『みんなが選んだルパン三世』で本エピソードが放送された際は、字幕放送でも黄色字幕が使われていた(正体発覚まで。発覚直後に白字幕に変更)。
『ルパンVS複製人間』
正確には偽物ではなく、ルパン三世のクローンが登場する。
- クローンルパン三世...本作の黒幕のマモーが、ルパンの思考や行動を研究する為に、オリジナルのルパン三世から入手した体細胞から作ったクローン。クローンである為に当然ながら外見はオリジナルと全く同じであり、その手口や言動もオリジナルと全く同じであったらしく、銭形ですら「あれは本物のルパンだった」と断言する程である。物語開始前に逮捕されて本編冒頭で処刑されており、その為に本編の時点では既に故人だが、その存在はオリジナルのルパンを大いに混乱させた。遺体は、冒頭でルパンの死を受け入れられない銭形が遺体にトドメを刺そうとする場面で登場したが、直後に調査に来ていたらしいオリジナルのルパンによって爆破された。
「処刑されたのはコピーの方さ!君は確かにオリジナルのルパンだ。安心して死ぬがいい!」
─マモー
『GREENvsRED』
『GREENvsRED』では、ルパン三世を名乗るキャラクターが無数に登場。
ある事件を皮切りに、世界各国からルパン三世が集まる。
その中には、それまでのテレビスペシャルに登場したルパン三世と同じデザインのルパンも存在している(ただし、実際に全員集合した場面では全員一律で同じキャラデザに修正されている)。
- ヤスオ…スリルを求めてスリを始め、ワルサーP38を入手したことでルパン三世(緑ジャケット)となる。声は片桐仁(ラーメンズ)。
- ルパンK…コンビニの万引きで捕まってしまった残念なルパン三世。ルパンAに助けられてからは巨大ロボットを使いヤスオを助ける。声は粟野史浩。
- ルパンA(タカシ)…ルパンKを助けたルパン三世。ただし、その為に他の偽ルパン三世達から捕まってしまう。声は酒井相一郎。
漫画(モンキー・パンチ作品)
『ルパン殺し』
原作(無印)漫画のエピソード。
- 偽ルパン三世...服装から体格に加えて、整形をしたのか容姿も本物と全く同じ。使用拳銃も本物と同じワルサーP38である。しかし、性格は非常に残忍で、刑事などはおろか無関係の一般人でも容赦なく暴行をしたり殺害したりする他、本物と違い予告状を使って脅迫や殺害予告まで行う。本物のルパンの手口を研究したのか、同様にトリッキーな仕掛けや罠なども使うのだが、単純な戦闘も含めて本物には遠く及ばす作中では終始圧倒され続けていた。最期は本物のルパンが銃に仕掛けた罠に逆にはめられて死亡した。銭形にも最初から偽物だと見抜かれていた模様。
『ジキル・ルパンとハイド・ルパン』
上記の「二つの顔を持つルパン」の原作漫画版。詳しい記述は同項参照。
その他
『名探偵コナン 紺碧の棺』
ルパン三世の覆面をしていた強盗犯。作品の冒頭に登場し、「ジョリーロジャー」の言葉を残し気絶した事で本編の事件へ繋がっていく。ちなみに本作はクロスオーバー作品ではない。声は黒田崇矢。
その他(偽ルパン三世以外)
偽ルパン三世には分類されないものの、ルパン三世と共通する技術を持つ者。
ルパン三世と共通の手口
ルパン三世の手口は、元々ルパン一世(アルセーヌ・ルパン)が編み出して残した「盗術」を元にしている(現在はそれにアレンジを加えている可能性もある)為に…つまり伝承できる手口であるが故に、手口が共通する者が多数登場している。
- ???…『ルパン三世 ワルサーP38』に登場。ルパン三世の昔の相棒。ルパン三世の当時の愛銃のシルバーメタリックのワルサーP38を、ルパン三世から盗み使用。
- 賊族島の住人…原作漫画『ルパン三世 新冒険』に登場。ルパン一世の本「盗術」により、島の全員がルパン三世並みの腕前を持つ。
- カトリーヌ・ランバート…『ルパン三世 盗まれたルパン 〜コピーキャットは真夏の蝶〜』に登場。駆け出しの頃のルパン三世の相棒。通称「キャット」。
- レベッカ・ランバート(ベッキー)…『ルパン三世 盗まれたルパン 〜コピーキャットは真夏の蝶〜』に登場。上記のカトリーヌの娘。
- ルパン小僧…漫画『ルパン小僧』に登場。ルパン三世の子供とされ、母親から「盗みの術」を習っている。
- 怪盗キッド(黒羽快斗)…『ルパン三世vs名探偵コナン THE MOVIE』。冒頭でルパンに自分に変装された意趣返しに、ルパンに先回りして獲物を盗み出してしまう。そこへ服部平次と銭形登場。ルパンは銭形に「俺じゃない」と言うも、全く信じてもらえなかった。
ルパン三世に近い特徴
- ナザロフ…『ルパン三世 愛のダ・カーポ〜FUJIKO'S Unlucky Days〜 』にて登場。過去にルパン三世が着ていた緑ジャケットに近い服装をしている(その作品でのルパン三世は赤ジャケット)。変装も得意で、作中も様々な変装を披露している。声は千葉繁。