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BASTARD!!

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ばすたーど

萩原一至の漫画。正式名称は『BASTARD!!-暗黒の破壊神-』(バスタード あんこくのはかいしん)
萩原一至の漫画。正式名称は『BASTARD!!-暗黒の破壊神-』(バスタード あんこくのはかいしん)

概要

概要

BASTARD!!とは、萩原一至による日本漫画作品。

正式名称は『BASTARD!!-暗黒の破壊神-』(バスタード あんこくのはかいしん)


1988年より連載開始。ジャンプ黄金期の作品だが、未だ持って未完

主なメディアミックス展開にOVA小説カセットブックドラマCDゲームなど。

ウルトラジャンプ』2010年6月号の掲載を最後に中断中(一応は不定期連載という扱い)。

累計発行部数は3000万部。

内容はメタルユルランのアメコミ版HEAVYMETALロード・オブ・ザ・リングを足して2で割ったような感じである。


主人公であるダーク・シュナイダー(D・S)が、強力な魔法使い戦士たち、果ては天使悪魔と戦いを繰り広げるダークファンタジーである。


ダンジョンズ&ドラゴンズ』や『wizardry』に影響を受けた本格的なファンタジー描写はヒロイックファンタジー作品に馴染みのなかった多くのライトユーザー層に受け、支持を伸ばした。

日本ではファンタジーの草分け的存在の『ロードス島戦記』と同時期であり、後のファンタジー作品群にも多大な影響を与えた作品として知られる。


「悪党に人質を取られる」というお約束の展開に対して全く物怖じせずに暴虐の限りで応じる破天荒な主人公を中心に、時に既存の世界観を塗り替えてしまうほどの大胆な変更など、展開が全く読めないストーリーも魅力的である。

さらに緻密かつ美麗な作画で繰り広げられる迫力ある剣と魔法のバトル、可愛くセクシーなヒロイン達なども人気を支え、ジャンプ黄金期に名を連ねる人気作となった。


基本的なストーリーラインは超シリアスだが、楽屋オチ系の悪ノリを含むギャグパロディエロも満載で、要するになんでもあり

連載当時の少年ジャンプは、桂正和も限界に挑んだようにエロ規制もなかなか厳しかったのだが、ものともしないギリギリ描写を多数残している(「寸前」や「事後」、『本番』とも受け取れるシーンも多数掲載された)。


作中に登場するほとんどの人名・国名・魔法名・およびその詠唱などの用語は主に洋楽ハードロック・へヴィーメタルバンドやそのメンバー名を元にしている。


21世紀に破壊神アンスラサクスによって人類が一度絶滅しかけたという設定であり、わずかに残った科学兵器は旧世界の遺物として登場している。

また旧世界のエピソードは「現代編」と称して断片的に描かれている。本編の主要人物に酷似したキャラクターが数人登場しており、何らかの形で転生した事を匂わせている。


世界観やキャラクター設定は膨大な量で作り込まれており、時に作中で「うんちく」として長文で紹介される。画集やファンブックなどではより詳細に解説されている。


よく休載することでとても有名な作品でもある。

実際、80年代後半から連載が始まったにもかかわらず、終わる気配すらない。


この漫画の連載開始から10年後に始まり、休載することで有名な『HUNTER×HUNTER』にすら巻数で負けていると書けば、いかに刊行ペースが遅いか分かるだろう。

連載期間が長すぎて、初期とは絵柄や世界観が大幅に変わっており、既にかつてのダークファンタジーの面影はなく、現在はエロ要素が多分に盛り込まれているハーレム・主人公最強・寸止めエロスと三拍子揃ったエロパロと化しており、27巻ではその傾向に一気に方向転換してしまっている。実際に読者層もストーリーの重厚さよりもそっち目的が増加してきている。また、完結が危ぶまれるほどの遅筆および、あまりにも風呂敷を広げすぎたがゆえの迷走が続いている。あまりにも混沌な不安定要素を次から次へと放り込んだため、作者ですらフラグや世界観・コンセプトが把握できなくなっているのだろう。


連載状況

連載状況

週刊少年ジャンプで連載していた四天王との戦いを描いた「闇の反逆軍団編」から元々作画は凄かったが、書き込み量と週刊連載のペースが合わず、原稿を落とすことが度々あり問題視されていた(時には大きな吹き出しに大きく文字を入れてセリフの勢いで誤魔化していた。単行本で没カットとして掲載)。


結局、次章の「地獄の鎮魂歌編」の序盤で週刊連載は打ち切られる事となり、続きは季刊誌「少年ジャンプ」へと移った。週刊連載では成し得なかった時間と手間をかけたトーンワークは非常に美麗であり、当時の漫画の最高峰といっても過言ではなかった。

当初は破壊神アンスラサクスとの戦いを描いた「地獄の鎮魂歌編」で作品を終わらせる予定だったらしいが、大人の事情により連載は継続することになった。ここが本作品と作者のターニングポイントとなる。


続く「罪と罰編」における天使や悪魔との戦いからインフレが激化し、話の規模も比べ物にならないほど壮大な物と化していく。話の内容に比例し、作画の書き込みも凄まじくなったが、結局、話を畳みきれずに一時中断となる。


「背徳の掟編」では週刊少年ジャンプにカムバックを果たす。当時のジャンプは暗黒期と言われており、連載ペースなどで問題を抱えつつも一定の人気があった本作を呼び込むほど必死だったと言われている。

しかし、この章では敵と味方の再生能力が凄まじく向上し、相手を破壊してもすぐさま再生するというような高次元のバトル(と見せかけた単調な殴り合い)が延々と繰り返され、評価を大きく落とすことになった。

連載ペースは月1の予定だったが、当初から原稿を度々落としていた。途中からは連載が未完にもかかわらず、完全版を出版し、その修正作業に没頭するようになる。

数年して「ウルトラジャンプ」へ移籍。そこでも休載を何度も繰り返して、10年がかりで背徳の掟編をようやく完結させる。


これで話が前に進むと思われたが、未完に終わっていた罪と罰編の補足(魔力の刻印篇)に入ってしまい、多数の読者を愕然とさせた(「背徳の掟編」でD・Sが6人の魔王から「ユダの痛み」を奪ったと明かされているが、中断時には魔王に劣る悪魔大元帥に苦戦している状態。また方舟の戦いも全く片付いていない。これまでの刊行ペースと照らし合わせ、完結が絶望視された瞬間でもあった)。


このため、ファンの間では「アンスラ(地獄の鎮魂歌編)で終わったら名作だった」などとよく語られる(「方舟(罪と罰編)もいいよね」派などもある)。


「魔力の刻印篇」はD・Sがポルノ・ディアノ相手に善戦し始めると言う内容。導入部分は作者が「罪と罰編」の直後に出した同人誌「未使用・改訂版」から原稿を流用している。新しく描かれた戦闘場面では、合間にサービスカットが過剰に挟まれ、大した展開も見せないまま連載休止となった。本誌の連載は2010年、単行本の発売は2012年を最後に過去最大級の休止期間となっている。


休止以降、作者の萩原一至が何をしていたかというと、様々なアニメやゲームのキャラクター原案やデザイン、画集の出版、セルフパロディとなる本作の成人向け同人誌の制作などをしていたようである。


ゲーム『デモンゲイズ2』発売を記念した2016年ベニー松山との会談では「絵だと何日も描かなければいけないページが、文章だと数十秒で書ける。連載を3年やって一つのお話ができるという3年がかりの仕事が文章だとひと月もかからない」とノベル制作に意欲を見せている。また「漫画の原稿だと完結するのは無理なんですよ」とも零していた。

編集に文章での制作を伝えたところ、難色を示していたそうだが、萩原の方は「挿絵も自分で描くからラノベでやらせて欲しい」と引き下がらなかったという。


2017年の同人誌「桑」で作者が語った今後の展望は「地獄編はプロットが溜まっているが、本編より何百年か前の四天王の話を作っており、書き上げたら集英社で出してもらえるかも」とのことであった。


結局のところ、小説版の発行も長年滞っており、完結自体が難しいのかも知れない。仮に製作中の本が出たとしても、どちらも過去の話である。

完全版

完全版

2000年から2009年にかけて発行された書籍。通常のWJコミックスと異なり、本のサイズが大きく装丁も豪華だが、定価は3000円ほどと値が張る。

ちょうど当時の漫画業界が完全版ブームであり、それに便乗したものと思われる。


『BASTARD!!』の場合は本編にも大幅な加筆が加えられているのが特徴。

1巻はデッサンの狂いなどを細かく修正する程度だったが、「全面的に改稿」と宣伝していたせいか、「違いが分からない」と読者からの批判が殺到する。


そのせいか、2巻では本編をまるごと書き換えるレベルでの修正を行っている。連載初期から画風が大きく変わっているが、連載初期の画風に寄せつつ修正されている。


だが、本編の連載が滞る事態となったため、2巻以降は軽微の修正となった。

通常版のコミックスが27巻で中断しているように、完全版も2009年に発売された9巻を最後に刊行が止まっている。話は「罪と罰編」までであり、おそらくここから「魔力の刻印篇」へと繋げ、時系列順に掲載する算段であったと思われる。

後に出版された「文庫版」も、「完全版」同様9巻で刊行停止となっている。

EXPANSION

EXPANSION

完全版を執筆した際に、作者曰く「調子に乗ってエロにしすぎた」場面を描いたセルフパロディ同人誌。題名は拡張版を意味する。


完全版2巻でカイ・ハーンへ解毒をする場面、完全版1巻でシーラ・トェル・メタ=リカーナに毒を吸い出してもらう場面をそれぞれ成人向けレベルに引き上げている。


3冊目の『桑』はシーン・ハリも加わった3人の女性キャラとの乱交が描かれている。本編へリンクする設定があるらしいが描写しきれず、こちらも未完に終わっている。


登場人物

登場人物

ダーク・シュナイダー

ルーシェ・レンレン

主人公。物語開始時の400年前から生きている伝説の魔法使いと、その転生先の少年。

ダーク・シュナイダーは名前が長いため、概要にもあるD・S表記をされることが多い。

二重人格のような形で併存しているが、どちらの人格でもヨーコには頭が上がらない。


ティア・ノート・ヨーコ

メインヒロインの僕っ娘。若い割に母性に溢れており、主人公の両方から懐かれている。

「地獄の鎮魂歌編」でいかなる状況にも物怖じしない器の大きな人物に成長、仲間たちを引っ張り世界の危機に立ち向かっていく。

後にリリスという容姿が酷似している少女が登場するが関係性は明言されていない。


D・S四天王

かつてD・Sに仕えた4人の強者。


カル=ス・・・破壊神復活を目論む首謀者で氷系魔法の卓越した使い手。かつではD・Sの養子だった。

アーシェス・ネイ・・・D・Sの養女兼恋人のハーフエルフ。雷魔法と剣技が得意。

ガラ(ニンジャマスター・ガラ)・・・忍者軍団を指揮する豪快な人物。

アビゲイル・・・「冥界の預言者」と呼ばれる僧侶。


鬼道三人衆

ネイの部下。戦いを通して3人とも味方になる。


シーン・ハリ・・・呪符を操る魔道士。色仕掛けでD・Sを籠絡しようとする。

カイ・ハーン・・・破裏拳流剣法を使う男勝りの戦士。

ダイ・アモン・・・吸血鬼。D・Sに呪いを受け下僕となる。


五英雄

D・Sが起こした「魔操兵戦争」を終結に導いた英雄たち。その活躍は主にCDブックで描かれている。


ラーズ・ウル・メタ=リカーナ・・・五英雄の一人で「竜王子」の異名を取る。過去の戦いが原因で身体がドラゴンと化しており、身分を隠してD・Sの旅に同行する。

ジオ・ノート・ソート・・・ヨーコの父。神聖魔法と空手の使い手であるメタ=リカーナの修行僧(モンク)。

シリン・テンペスト・・・ヨーコの母。「辺境の黒き魔女」と呼ばれる魔道士。本編開始以前に死亡している。

ダーナ・メニケッティ・・・女海賊の魔獣使い。

ニルス・ショーン・ミフネ・・・侍総大将(=ミフネ)の名を持つア=イアン=メイデの侍。


メタ=リカーナ王国

D・S四天王の侵略の標的となった王国で「闇の反逆軍団編」においての主要な舞台となった。魔操兵戦争を引き起こしたD・S、アンスラサクスの封印を宿すシーラなどがおり、何度も侵略を受けることとなる。最終的にはアビゲイル戦で崩壊してしまった。


シーラ・トェル・メタ=リカーナ・・・体にアンスラサクスの封印を宿す王女。D・Sに惚れている。


ア=イアン=メイデ

アビゲイルに滅ぼされた亡国ア=イアン=メイデを復興しようとする侍達。「地獄の鎮魂歌編」でのヨーコの仲間。カイも参加している。王子であるマーシの失踪後は、盲目ながらも戦い続けていたD・Sに恩義を感じ、その復活に死力を尽くした。


ヨシュア・ベラヒア・・・侍大将(サムライ・マスター)を務めるリーダー。カイに惚れている。

シェン・カー・・・侍達のNO.2。妻の仇として実兄である魔戦将軍のジオンを狙う。

ヴァイ・ステアベ・・・陽気で血気盛んな侍。ヨーコに好意を抱いており、D・Sを快く思っていなかった。

ヨルグ・フィシス・・・百人隊長の侍。ヨシュアの親友。

アンガス・ヤーン・・・無口で大柄な侍。その正体は・・・。

マーシ・・・王子であり侍達の主君。人望・能力に乏しい暗君であり、その存在が侍達の足かせとなっていた。


十二魔戦将軍

カル=スに仕える12人の戦士で通称魔戦将軍


「罪と罰編」でヨーコ、アビゲイル、ラーズと共闘する。

イダ・ディースナ(召喚士)

イングヴェイ・フォン・マルムスティーン(騎士(光速の剣))

サイクス・フォン・スノーホワイト(魔導師(時空系))

ザック・ワルダー(格闘家)

シェラ・イー・リー(吟遊詩人)

ジオン・ゾル・ヴァンデンヴァーグ(暗黒騎士)

バ・ソリー(蟲使い)

ブラド・キルス(騎士)

ボル・ギル・ボル(影使い)

マカパイン・トーニ・シュトラウス(鋼糸使い)

ランディ・ローズ・シュタイン・ノイバウテン(剣士)

ロス・ザボス・フリードリッヒ(魔法剣士)


天使

アンスラサクスとの戦いを通じて、神の意志により人間を罰しようと地上に降臨した天使達。


ルシフェル・・・大天使長。ルーシェの正体。

ミカエル・・・四大燭天使の一人。ルシフェルを敬愛している。

ラファエル・・・四大燭天使の一人。ベルゼバブと通じている。

ウリエル・・・四大燭天使の一人。ベルゼバブの策略にはまって堕天してしまう。

ガブリエル・・・四大燭天使の一人。地獄からD・Sに救い出された。

アムラエル・・・ウリエルの妹。コンロンと同化させられ、「無効共鳴」の触媒にされた。


悪魔

神が下した「人間たちに仕えよ」という命令に背き、堕天した天使達。宇宙規模で世界を転覆させる「反創世」(ネガジェネシス)を目論む。「背徳の掟編」以降は地上と地獄の境界が曖昧になっており、地上の至るところに悪魔達が出現し人間達を虐殺している。


聖魔神

サタン・・・悪魔達の王。堕天したルシフェルから分離した存在。


7大悪魔王

アスモデウス

ベリアル

ベルゼバブ

バエル(ポクチン)

ペイモン

ビレト

アシュタロス


魔神

悪魔達の上位種。


ポルノ・ディアノ・・・悪魔大元帥と呼ばれるセクシーな女悪魔。地獄に堕ちたD・Sの前に現れ、圧倒する。

コンロン・・・「地獄のジェントルメン」を自称する悪魔。人間が生み出した「無効共鳴」により天使の力を無効化でき、対天使戦においては絶対的な力を持つ。ボクシンググローブを装着する設定や容姿などから、ダッドリーが元ネタと思われる。


汎人類連合

救世主(メシア)の名の下に、悪魔達の「反創世」を阻止すべく集まった連合組織。地上のあらゆる種族、国が団結した人類の要と言える。方舟の戦いをはじめ、かつて死亡した数多くの戦士たちが救世主の手により蘇生し、その際に自分が何を為すべきかを知ったという。D・Sの仲間達も、ほとんどがこの連合に身を寄せている。

「背徳の掟編」ではその数は十数万に達すると説明されているが、連合が種族間を超えて団結に至ったのは、預言者(エリヤ)として様々な種族の下へ趣き、協力を仰いだカル=スの影響も大きい。


救世主・・・2000年に一度、神によって地上に遣わされた存在。人類を導く救世主として、死んだ戦士の蘇生など数十回に及ぶ奇跡を起こし、生き延びた人類を導いてきた。人間には「救世主」として伝わるが、ドワーフ族の聖典には「徴なき者」と記される。その身の証を万人に立てる「預言者」も、あらゆる種族に名が伝わり伝説的な存在となっている。

その正体は未だ不明だが、「背徳の掟編」の21年前に東メタリオンで誕生した事が明らかとなっている。また、ラーズの回想ではフードを被った小柄な黒髪の人間が描かれている。

「魔操兵戦争」は救世主が生誕する前後に邪悪なる者(D・S)に引き起こされた前兆であったという。


エピソード

エピソード

WIZARD!! ─爆炎の征服者─

先の戦争から15年後、遠征に出た王の留守を狙って邪悪な魔道士のオズボーンが王国に侵攻した。国の大神官ジオの娘であるヨーコ。彼女と共に育った孤児のルーシェ・レンレンには大きな秘密があった。ルーシェの身には、古の魔法使いD・Sが封じられており、契約解除の呪文と処女の接吻によって解き放たれるという。

オズボーンの侵攻の手が王国の深部へ延びると、ヨーコは意を決してルーシェの身に封印解除の呪文を施した。復活したD・Sは王国の危機に関わろうとしなかったが、ルーシェとして生きていた時にいつもかばってくれていたヨーコに叱られると渋々言うことを聞くようになり、オズボーンを滅ぼした。

戦いが終わり、好色のD・Sはヨーコを襲おうと口づけをするが、処女との接吻は封印の呪文にもなっており、D・Sは再びルーシェの身に封印されるのだった。


読み切りとして発表された本作は、戦争の背景やアンスラサクスの存在などが不明瞭なものの、事実上の1話として単行本1巻でも冒頭に掲載されている。またオズボーンは連載開始に伴い、闇の反逆軍団の尖兵として扱われるようになった。


闇の反逆軍団編

D・Sのかつての配下だった四天王が大陸の四つの王国に侵攻を開始し、列国最強のジューダス王国を降すとヨーコたちが住むメタ=リカーナ王国にも迫った。ヨーコは再びルーシェの中に眠るD・Sを復活させる事となった。


復活したD・Sはまたも己の欲望のままに振る舞うも、ヨーコの説教もありしぶしぶ侵攻勢力と戦う事となる。メタ=リカーナを守護して行動するD・Sは四天王と対立することとなるが、その戦いを経て彼らのうちの二人、ニンジャマスター・ガラ、雷帝アーシェス・ネイが再び仲間となった。

シーラ・トェル・メタ=リカーナ王女が持つアンスラサクスの封印を狙い、残った四天王のうちの一人、闇の僧侶アビゲイルが単身メタ=リカーナへと乗り込んでくる。D・Sはアビゲイルと戦い、激しい攻防を繰り広げた。下半身を失うほどの激戦の末、アビゲイルを退けたかに見えたD・Sだったが、ヨーコを人質に捕らえられ危機に陥る。アビゲイルは封印を要求するも、ヨーコの最後の抵抗に阻まれ倒れ、その断末魔の爆発によりメタ=リカーナは崩壊。D・Sたちも行方不明となってしまう。


地獄の鎮魂歌編

メタ=リカーナ崩壊から2年。四王国を降した四天王カル=スは、破壊神最後の封印を解くべく、配下の魔戦将軍達に封印を守るシーラ姫を探させていた。亡国ア=イアン=メイデの侍達はカル=スの軍団に反抗していたが、その中には行方不明となっていたヨーコとルーシェの姿があった。しかしこの2年間、D・Sが復活する兆しは現れなかった。


侍達の本拠地を突き止めた魔戦将軍マカパインとバ・ソリーは侍達が住む武家屋敷を奇襲する。侍達は抵抗むなしく壊滅状態に追い込まれるが、その時ついにD・Sが復活し魔戦将軍を一蹴した。


D・Sの復活に伴い、ヨーコ達はシーラを保護するためエルフの廃都キング・クリムゾン・グローリーに旅立った。廃都で魔戦将軍と戦っていた最中にカル=スが現れ、ついに破壊神が復活してしまう。


D・Sは合流した仲間達と共に、破壊神に操られたカル=スを救うため破壊神の分身を倒してカルを解放するが、すでに完全復活した破壊神が迫りつつあった。


罪と罰編

復活したアンスラサクスに対抗するため、伝説の「エウロペアの十賢者」は竜戦士とD・Sを融合させようとするが、D・Sはそれを拒む。その間にアンスラサクスによって竜戦士が破壊されてしまう。だが、闇の力の活性化により増大したD・Sの力は圧倒的で、様々な高等呪文を用いてアンスラサクスを倒した。

D・Sはアンスラサクスにトドメを刺そうとするが、消滅しかけていたアンスラサクスが逆にD・Sを真っ二つにするのだった。


実は破壊神や邪神群とは高次元の天使達が受肉するための触媒に過ぎず、真に人類を滅ぼそうとしていたのは人類を導くはずの神と天使達だった。その真実にヨーコは愕然とする。絶望した彼女に襲い掛かる天使達の前にルーシェが現れヨーコを救う。彼の正体は堕天した最高位の天使ルシフェルであり、人類の味方としてヨーコにD・Sの復活の方法を伝える。星幽体のまま実体化したルーシェは力を使い果たし消滅するが、人類最後の希望であるD・Sの復活を阻止しようとする天使達に対抗するべく、魔戦将軍や復活した竜王子ラーズが現れ、D・Sを復活させるためのエネルギーを発生させる霊子動力炉を守る闘いに挑む。


一方、封印空間に堕ちたはずのD・Sは地獄の下層にて悪魔王サタンと邂逅する。サタンから「仲間になれ」と迫られるが断り、悪魔達との戦いが始まる。サタン配下の悪魔大元帥ポルノ・ディアノは圧倒的な力でD・Sを翻弄する。最初は手も足も出なかったD・Sだったが、徐々にポルノ・ディアノの動きについていけるようになり、下着を剥ぎ取ってみせた。


ここでストーリーは一時中断となり、次章は4年後となる。


背徳の掟編

魔戦将軍のマカパイン、バ・ソリー、シェラは天使と悪魔の戦闘によって荒れ果てた世界で安住の地を求める人々と共に旅を続けていた。だがそこへ悪魔達を率いる魔神コンロンが現れ、人々に襲いかかる。さらに、その場に4大熾天使ミカエル、ガブリエル、ラファエル、ウリエルが顕現する。天使と悪魔の戦いが始まろうとする中、地獄から復活を果たしたD・Sも姿を見せた。


熾天使達にとっては遥かに格下であるはずのコンロンは、対天使用の兵器によって熾天使達の攻撃を無力化し続けた。ウリエルは真の力である「執行官形態(エクスキューショナーモード)」に変身し、神槍グングニルによって初めてコンロンの核に攻撃を届かせるが、その衝撃によって裂かれた空間から、D・S達もろとも地獄の第一層「無信仰地獄」に堕ちてしまう。

コンロンの体にはウリエルの妹であるアムラエルが融合されており、熾天使達はショックを受ける。ウリエルは自らの手で妹を手にかけるが、その罪悪感などに精神が耐えられず、絶望の末に魔神へと「堕落(フォール・ダウン)」してしまう。このウリエルの堕天こそがコンロンを派遣した地獄の魔王ベルゼバブの策略だった。


D・Sはベルゼバブ以外の魔王達から抜き取った7つの「ユダの痛み(ジューダス・ペイン)」の平行励起により圧倒的な力の差を見せつけコンロンを倒す。そして、すぐさま魔神となったウリエルと戦った。ベルゼバブは地獄に封印していたウリエルの光体を解き放ち、D・Sも対光体兵器である竜戦士と融合し、互角の戦いを繰り広げていく。


背徳の掟編 最終節

天使や悪魔達に地上が蹂躙される中、地上に生き残った人類は救世主と呼ばれる人物の下に「汎人類連合」として結集し、悪魔達が地上を意のままにしようとする「反創生計画」に人知れず備えていた。アンスラサクスや天使達との戦いで絶命した戦士達は救世主の手により復活していた。今日の混乱の元凶とも言えるカル=スは、図らずも救世主の預言者として動き、連合の結束を深めていた。


ウリエルとの戦いの最中、D・Sは力を使い果たして消滅しかけるが復活し、ウリエルとの戦いに終止符を打つ。さらにD・Sは体内でアムラエルの霊と肉体を再構成させる事で蘇生させる。ウリエルは妹と束の間の再会を果たした後に、堕天の代償として存在そのものが消滅した。


魔力の刻印篇

時系列は四年前へと戻る。


地獄でポルノ・ディアノと戦うD・Sは、徐々に自分のペースを取り戻していき、逆にポルノ・ディアノを翻弄するようになる。


※ポルノ・ディアノとの戦闘は決着しないまま、長い休載に入っている。


小説版

小説版

岸間信明

本編の50年前を舞台とした連作短編集『魍魎達の鎮魂歌』と続編である長編『悪魔の褥に横たわりて』が1993年にジャンプジェイブックス版で発売。後述のベニー松山版発売に合わせてスーパーダッシュ文庫版が2001年に発売。文庫版では挿絵がカットされた一方でとある挿絵が一部充実化したりしてた。内容的には本編に存在したギャグ要素やコミカル要素を一切排除した陰惨で野蛮なシリアスハード一辺倒にしながらもエロ要素をより濃くした感じである一方、ロクに打ち合わせをしていないらしく本編の矛盾が多いともいう。挿絵は『魍魎~』は陰翳が激しい感じであり、『悪魔の~』では幾分が見やすいものとなっている。


ベニー松山

2001年と2004年発売の『黒い虹』。本編の100年前を舞台に、先代四天王を率いての冒険が描かれていた。2巻まであって以後お察しくださいである。


古橋秀之

ガラが主役の外伝。2012年新書版。2014年に文庫版が販売。


ゲーム

ゲーム

『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』

1994年スーパーファミコン。地上と空中のラインを移動しながら魔法や技を駆使して戦う対戦ゲーム。使用キャラはD・S、四天王、ダイ・アモンの6名。ガードが出来ないなどシステムが独特で、理解の及ばないゲーマーからはクソゲーと評されることも。


『BASTARD!! -虚ろなる神々の器-』

1996年プレイステーション。記憶と力のほとんどを失ったD・Sを主人公に展開されるRPG。本作独自のストーリー展開はノベライズを担当したベニー松山の手によるもの。さらに作者の萩原も監修として参加しており、原作で描かれなかった多数の設定が明かされる点が魅力。

画集「裸」で情報が公開された先代四天王のイーカル・モンローなども登場している。


『BASTARD!! -ONLINE-』

テクモとシャフトが共同開発していたMMORPG。制作段階で開発中止した幻のタイトルである。


2005年7月の制作発表以来、沈黙を続けたが、2007年頃より情報が少しずつ出始める。2008年には一般公募によるコスチュームデザインコンテストが企画され、TGSでの出展などイベントでの露出も増えた矢先、2009年に開発中止となった。

原作に登場するメタ=リカーナ王国や、四天王が率いる各軍団に所属し、軍団同士で戦うゲームだったらしい。


『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』

DeNAがモバゲーで出した基本プレイ無料のソーシャルゲーム。ジャンルはカードRPG。開発はマーベラスAQLが担当した。

2014年6月25日にサービス開始、2015年12月18日にサービス終了と非常に短命なゲームだった。


プレイヤーはD・Sに力を貸す存在として登場し、原作に沿って描かれるクエストを体験するというゲーム。

「自分だけのハーレム宮殿を作る」という要素があるためか女性キャラの実装が多い。また、セクシーなカードイラストが多いせいか18禁となっているが、原作のような過激な性描写はない。

「地獄の鎮魂歌編」以降の天使や悪魔達も多数登場している。


『CR BASTARD!! -暗黒の破壊神-』

2016年4月に導入が開始されたパチスロ。声優陣はOVAから一新され、アニメ演出も新規の物が用意された。

「闇の反逆軍団編」~「地獄の鎮魂歌編」までをベースにしている。

ヨーコたちの様々なセクシーショットが見られたり、時にはコスプレ姿を披露するなど、萌えパチに近い内容。


アニメ

アニメ

OVA版

1992年~1993年に制作された全6巻のOVA。内容は「闇の反逆軍団編」に相当し、アビゲイルを撃退して終了となっている。

話数が少ないためか一部の描写は削減したり改変が加えられている。

ヨーコがスライムに服を溶かされる場面などサービスシーンも丁寧に描いており、一部のマニアに熱狂的に支持された。


Netflix版

連載休止から10年以上もの長い年月が経った2022年2月3日、突然シリーズアニメ化が発表された。

色々と過激な内容を考慮した影響なのか、地上波放送ではなくNetflixでの独占配信という形に。制作はライデンフィルム

2022年6月30日と9月15日より全24話の分割2クールで配信、その後2023年1月10日からTV放送も開始された。

声優陣は一新されている。


そして2023年1月9日の特番にて、第2期「地獄の鎮魂歌編」の制作が決定した。2023年に再びNetflixで配信予定。


第1期「闇の反逆軍団編」

ティザーPV


本PV


OP


ED




第2期「地獄の鎮魂歌編」

ティザーPV


関連イラスト

関連イラスト

センシティブな作品センシティブな作品

外部リンク

外部リンク

ソーシャルゲーム版 紹介ページモバゲー


アニメ『BASTARD!! 暗黒の破壊神』公式サイト


関連タグ

関連タグ

漫画 少年ジャンプ 萩原一至 バスタード

ファンタジー 神話 リリス

鈴木土下座ェ門 アンスラサクス

表記ゆれ

バスタード BASTARD

主人公最強 ダークファンタジー ハーレム 種馬

概要

概要

BASTARD!!とは、萩原一至による日本漫画作品。

正式名称は『BASTARD!!-暗黒の破壊神-』(バスタード あんこくのはかいしん)


1988年より連載開始。ジャンプ黄金期の作品だが、未だ持って未完

主なメディアミックス展開にOVA小説カセットブックドラマCDゲームなど。

ウルトラジャンプ』2010年6月号の掲載を最後に中断中(一応は不定期連載という扱い)。

累計発行部数は3000万部。

内容はメタルユルランのアメコミ版HEAVYMETALロード・オブ・ザ・リングを足して2で割ったような感じである。


主人公であるダーク・シュナイダー(D・S)が、強力な魔法使い戦士たち、果ては天使悪魔と戦いを繰り広げるダークファンタジーである。


ダンジョンズ&ドラゴンズ』や『wizardry』に影響を受けた本格的なファンタジー描写はヒロイックファンタジー作品に馴染みのなかった多くのライトユーザー層に受け、支持を伸ばした。

日本ではファンタジーの草分け的存在の『ロードス島戦記』と同時期であり、後のファンタジー作品群にも多大な影響を与えた作品として知られる。


「悪党に人質を取られる」というお約束の展開に対して全く物怖じせずに暴虐の限りで応じる破天荒な主人公を中心に、時に既存の世界観を塗り替えてしまうほどの大胆な変更など、展開が全く読めないストーリーも魅力的である。

さらに緻密かつ美麗な作画で繰り広げられる迫力ある剣と魔法のバトル、可愛くセクシーなヒロイン達なども人気を支え、ジャンプ黄金期に名を連ねる人気作となった。


基本的なストーリーラインは超シリアスだが、楽屋オチ系の悪ノリを含むギャグパロディエロも満載で、要するになんでもあり

連載当時の少年ジャンプは、桂正和も限界に挑んだようにエロ規制もなかなか厳しかったのだが、ものともしないギリギリ描写を多数残している(「寸前」や「事後」、『本番』とも受け取れるシーンも多数掲載された)。


作中に登場するほとんどの人名・国名・魔法名・およびその詠唱などの用語は主に洋楽ハードロック・へヴィーメタルバンドやそのメンバー名を元にしている。


21世紀に破壊神アンスラサクスによって人類が一度絶滅しかけたという設定であり、わずかに残った科学兵器は旧世界の遺物として登場している。

また旧世界のエピソードは「現代編」と称して断片的に描かれている。本編の主要人物に酷似したキャラクターが数人登場しており、何らかの形で転生した事を匂わせている。


世界観やキャラクター設定は膨大な量で作り込まれており、時に作中で「うんちく」として長文で紹介される。画集やファンブックなどではより詳細に解説されている。


よく休載することでとても有名な作品でもある。

実際、80年代後半から連載が始まったにもかかわらず、終わる気配すらない。


この漫画の連載開始から10年後に始まり、休載することで有名な『HUNTER×HUNTER』にすら巻数で負けていると書けば、いかに刊行ペースが遅いか分かるだろう。

連載期間が長すぎて、初期とは絵柄や世界観が大幅に変わっており、既にかつてのダークファンタジーの面影はなく、現在はエロ要素が多分に盛り込まれているハーレム・主人公最強・寸止めエロスと三拍子揃ったエロパロと化しており、27巻ではその傾向に一気に方向転換してしまっている。実際に読者層もストーリーの重厚さよりもそっち目的が増加してきている。また、完結が危ぶまれるほどの遅筆および、あまりにも風呂敷を広げすぎたがゆえの迷走が続いている。あまりにも混沌な不安定要素を次から次へと放り込んだため、作者ですらフラグや世界観・コンセプトが把握できなくなっているのだろう。


連載状況

連載状況

週刊少年ジャンプで連載していた四天王との戦いを描いた「闇の反逆軍団編」から元々作画は凄かったが、書き込み量と週刊連載のペースが合わず、原稿を落とすことが度々あり問題視されていた(時には大きな吹き出しに大きく文字を入れてセリフの勢いで誤魔化していた。単行本で没カットとして掲載)。


結局、次章の「地獄の鎮魂歌編」の序盤で週刊連載は打ち切られる事となり、続きは季刊誌「少年ジャンプ」へと移った。週刊連載では成し得なかった時間と手間をかけたトーンワークは非常に美麗であり、当時の漫画の最高峰といっても過言ではなかった。

当初は破壊神アンスラサクスとの戦いを描いた「地獄の鎮魂歌編」で作品を終わらせる予定だったらしいが、大人の事情により連載は継続することになった。ここが本作品と作者のターニングポイントとなる。


続く「罪と罰編」における天使や悪魔との戦いからインフレが激化し、話の規模も比べ物にならないほど壮大な物と化していく。話の内容に比例し、作画の書き込みも凄まじくなったが、結局、話を畳みきれずに一時中断となる。


「背徳の掟編」では週刊少年ジャンプにカムバックを果たす。当時のジャンプは暗黒期と言われており、連載ペースなどで問題を抱えつつも一定の人気があった本作を呼び込むほど必死だったと言われている。

しかし、この章では敵と味方の再生能力が凄まじく向上し、相手を破壊してもすぐさま再生するというような高次元のバトル(と見せかけた単調な殴り合い)が延々と繰り返され、評価を大きく落とすことになった。

連載ペースは月1の予定だったが、当初から原稿を度々落としていた。途中からは連載が未完にもかかわらず、完全版を出版し、その修正作業に没頭するようになる。

数年して「ウルトラジャンプ」へ移籍。そこでも休載を何度も繰り返して、10年がかりで背徳の掟編をようやく完結させる。


これで話が前に進むと思われたが、未完に終わっていた罪と罰編の補足(魔力の刻印篇)に入ってしまい、多数の読者を愕然とさせた(「背徳の掟編」でD・Sが6人の魔王から「ユダの痛み」を奪ったと明かされているが、中断時には魔王に劣る悪魔大元帥に苦戦している状態。また方舟の戦いも全く片付いていない。これまでの刊行ペースと照らし合わせ、完結が絶望視された瞬間でもあった)。


このため、ファンの間では「アンスラ(地獄の鎮魂歌編)で終わったら名作だった」などとよく語られる(「方舟(罪と罰編)もいいよね」派などもある)。


「魔力の刻印篇」はD・Sがポルノ・ディアノ相手に善戦し始めると言う内容。導入部分は作者が「罪と罰編」の直後に出した同人誌「未使用・改訂版」から原稿を流用している。新しく描かれた戦闘場面では、合間にサービスカットが過剰に挟まれ、大した展開も見せないまま連載休止となった。本誌の連載は2010年、単行本の発売は2012年を最後に過去最大級の休止期間となっている。


休止以降、作者の萩原一至が何をしていたかというと、様々なアニメやゲームのキャラクター原案やデザイン、画集の出版、セルフパロディとなる本作の成人向け同人誌の制作などをしていたようである。


ゲーム『デモンゲイズ2』発売を記念した2016年ベニー松山との会談では「絵だと何日も描かなければいけないページが、文章だと数十秒で書ける。連載を3年やって一つのお話ができるという3年がかりの仕事が文章だとひと月もかからない」とノベル制作に意欲を見せている。また「漫画の原稿だと完結するのは無理なんですよ」とも零していた。

編集に文章での制作を伝えたところ、難色を示していたそうだが、萩原の方は「挿絵も自分で描くからラノベでやらせて欲しい」と引き下がらなかったという。


2017年の同人誌「桑」で作者が語った今後の展望は「地獄編はプロットが溜まっているが、本編より何百年か前の四天王の話を作っており、書き上げたら集英社で出してもらえるかも」とのことであった。


結局のところ、小説版の発行も長年滞っており、完結自体が難しいのかも知れない。仮に製作中の本が出たとしても、どちらも過去の話である。

完全版

完全版

2000年から2009年にかけて発行された書籍。通常のWJコミックスと異なり、本のサイズが大きく装丁も豪華だが、定価は3000円ほどと値が張る。

ちょうど当時の漫画業界が完全版ブームであり、それに便乗したものと思われる。


『BASTARD!!』の場合は本編にも大幅な加筆が加えられているのが特徴。

1巻はデッサンの狂いなどを細かく修正する程度だったが、「全面的に改稿」と宣伝していたせいか、「違いが分からない」と読者からの批判が殺到する。


そのせいか、2巻では本編をまるごと書き換えるレベルでの修正を行っている。連載初期から画風が大きく変わっているが、連載初期の画風に寄せつつ修正されている。


だが、本編の連載が滞る事態となったため、2巻以降は軽微の修正となった。

通常版のコミックスが27巻で中断しているように、完全版も2009年に発売された9巻を最後に刊行が止まっている。話は「罪と罰編」までであり、おそらくここから「魔力の刻印篇」へと繋げ、時系列順に掲載する算段であったと思われる。

後に出版された「文庫版」も、「完全版」同様9巻で刊行停止となっている。

EXPANSION

EXPANSION

完全版を執筆した際に、作者曰く「調子に乗ってエロにしすぎた」場面を描いたセルフパロディ同人誌。題名は拡張版を意味する。


完全版2巻でカイ・ハーンへ解毒をする場面、完全版1巻でシーラ・トェル・メタ=リカーナに毒を吸い出してもらう場面をそれぞれ成人向けレベルに引き上げている。


3冊目の『桑』はシーン・ハリも加わった3人の女性キャラとの乱交が描かれている。本編へリンクする設定があるらしいが描写しきれず、こちらも未完に終わっている。


登場人物

登場人物

ダーク・シュナイダー

ルーシェ・レンレン

主人公。物語開始時の400年前から生きている伝説の魔法使いと、その転生先の少年。

ダーク・シュナイダーは名前が長いため、概要にもあるD・S表記をされることが多い。

二重人格のような形で併存しているが、どちらの人格でもヨーコには頭が上がらない。


ティア・ノート・ヨーコ

メインヒロインの僕っ娘。若い割に母性に溢れており、主人公の両方から懐かれている。

「地獄の鎮魂歌編」でいかなる状況にも物怖じしない器の大きな人物に成長、仲間たちを引っ張り世界の危機に立ち向かっていく。

後にリリスという容姿が酷似している少女が登場するが関係性は明言されていない。


D・S四天王

かつてD・Sに仕えた4人の強者。


カル=ス・・・破壊神復活を目論む首謀者で氷系魔法の卓越した使い手。かつではD・Sの養子だった。

アーシェス・ネイ・・・D・Sの養女兼恋人のハーフエルフ。雷魔法と剣技が得意。

ガラ(ニンジャマスター・ガラ)・・・忍者軍団を指揮する豪快な人物。

アビゲイル・・・「冥界の預言者」と呼ばれる僧侶。


鬼道三人衆

ネイの部下。戦いを通して3人とも味方になる。


シーン・ハリ・・・呪符を操る魔道士。色仕掛けでD・Sを籠絡しようとする。

カイ・ハーン・・・破裏拳流剣法を使う男勝りの戦士。

ダイ・アモン・・・吸血鬼。D・Sに呪いを受け下僕となる。


五英雄

D・Sが起こした「魔操兵戦争」を終結に導いた英雄たち。その活躍は主にCDブックで描かれている。


ラーズ・ウル・メタ=リカーナ・・・五英雄の一人で「竜王子」の異名を取る。過去の戦いが原因で身体がドラゴンと化しており、身分を隠してD・Sの旅に同行する。

ジオ・ノート・ソート・・・ヨーコの父。神聖魔法と空手の使い手であるメタ=リカーナの修行僧(モンク)。

シリン・テンペスト・・・ヨーコの母。「辺境の黒き魔女」と呼ばれる魔道士。本編開始以前に死亡している。

ダーナ・メニケッティ・・・女海賊の魔獣使い。

ニルス・ショーン・ミフネ・・・侍総大将(=ミフネ)の名を持つア=イアン=メイデの侍。


メタ=リカーナ王国

D・S四天王の侵略の標的となった王国で「闇の反逆軍団編」においての主要な舞台となった。魔操兵戦争を引き起こしたD・S、アンスラサクスの封印を宿すシーラなどがおり、何度も侵略を受けることとなる。最終的にはアビゲイル戦で崩壊してしまった。


シーラ・トェル・メタ=リカーナ・・・体にアンスラサクスの封印を宿す王女。D・Sに惚れている。


ア=イアン=メイデ

アビゲイルに滅ぼされた亡国ア=イアン=メイデを復興しようとする侍達。「地獄の鎮魂歌編」でのヨーコの仲間。カイも参加している。王子であるマーシの失踪後は、盲目ながらも戦い続けていたD・Sに恩義を感じ、その復活に死力を尽くした。


ヨシュア・ベラヒア・・・侍大将(サムライ・マスター)を務めるリーダー。カイに惚れている。

シェン・カー・・・侍達のNO.2。妻の仇として実兄である魔戦将軍のジオンを狙う。

ヴァイ・ステアベ・・・陽気で血気盛んな侍。ヨーコに好意を抱いており、D・Sを快く思っていなかった。

ヨルグ・フィシス・・・百人隊長の侍。ヨシュアの親友。

アンガス・ヤーン・・・無口で大柄な侍。その正体は・・・。

マーシ・・・王子であり侍達の主君。人望・能力に乏しい暗君であり、その存在が侍達の足かせとなっていた。


十二魔戦将軍

カル=スに仕える12人の戦士で通称魔戦将軍


「罪と罰編」でヨーコ、アビゲイル、ラーズと共闘する。

イダ・ディースナ(召喚士)

イングヴェイ・フォン・マルムスティーン(騎士(光速の剣))

サイクス・フォン・スノーホワイト(魔導師(時空系))

ザック・ワルダー(格闘家)

シェラ・イー・リー(吟遊詩人)

ジオン・ゾル・ヴァンデンヴァーグ(暗黒騎士)

バ・ソリー(蟲使い)

ブラド・キルス(騎士)

ボル・ギル・ボル(影使い)

マカパイン・トーニ・シュトラウス(鋼糸使い)

ランディ・ローズ・シュタイン・ノイバウテン(剣士)

ロス・ザボス・フリードリッヒ(魔法剣士)


天使

アンスラサクスとの戦いを通じて、神の意志により人間を罰しようと地上に降臨した天使達。


ルシフェル・・・大天使長。ルーシェの正体。

ミカエル・・・四大燭天使の一人。ルシフェルを敬愛している。

ラファエル・・・四大燭天使の一人。ベルゼバブと通じている。

ウリエル・・・四大燭天使の一人。ベルゼバブの策略にはまって堕天してしまう。

ガブリエル・・・四大燭天使の一人。地獄からD・Sに救い出された。

アムラエル・・・ウリエルの妹。コンロンと同化させられ、「無効共鳴」の触媒にされた。


悪魔

神が下した「人間たちに仕えよ」という命令に背き、堕天した天使達。宇宙規模で世界を転覆させる「反創世」(ネガジェネシス)を目論む。「背徳の掟編」以降は地上と地獄の境界が曖昧になっており、地上の至るところに悪魔達が出現し人間達を虐殺している。


聖魔神

サタン・・・悪魔達の王。堕天したルシフェルから分離した存在。


魔神

悪魔達の上位種。


ポルノ・ディアノ・・・悪魔大元帥と呼ばれるセクシーな女悪魔。地獄に堕ちたD・Sの前に現れ、圧倒する。

コンロン・・・「地獄のジェントルメン」を自称する悪魔。人間が生み出した「無効共鳴」により天使の力を無効化でき、対天使戦においては絶対的な力を持つ。ボクシンググローブを装着する設定や容姿などから、ダッドリーが元ネタと思われる。


汎人類連合

救世主(メシア)の名の下に、悪魔達の「反創世」を阻止すべく集まった連合組織。地上のあらゆる種族、国が団結した人類の要と言える。方舟の戦いをはじめ、かつて死亡した数多くの戦士たちが救世主の手により蘇生し、その際に自分が何を為すべきかを知ったという。D・Sの仲間達も、ほとんどがこの連合に身を寄せている。

「背徳の掟編」ではその数は十数万に達すると説明されているが、連合が種族間を超えて団結に至ったのは、預言者(エリヤ)として様々な種族の下へ趣き、協力を仰いだカル=スの影響も大きい。


救世主・・・2000年に一度、神によって地上に遣わされた存在。人類を導く救世主として、死んだ戦士の蘇生など数十回に及ぶ奇跡を起こし、生き延びた人類を導いてきた。人間には「救世主」として伝わるが、ドワーフ族の聖典には「徴なき者」と記される。その身の証を万人に立てる「預言者」も、あらゆる種族に名が伝わり伝説的な存在となっている。

その正体は未だ不明だが、「背徳の掟編」の21年前に東メタリオンで誕生した事が明らかとなっている。また、ラーズの回想ではフードを被った小柄な黒髪の人間が描かれている。

「魔操兵戦争」は救世主が生誕する前後に邪悪なる者(D・S)に引き起こされた前兆であったという。


エピソード

エピソード

WIZARD!! ─爆炎の征服者─

先の戦争から15年後、遠征に出た王の留守を狙って邪悪な魔道士のオズボーンが王国に侵攻した。国の大神官ジオの娘であるヨーコ。彼女と共に育った孤児のルーシェ・レンレンには大きな秘密があった。ルーシェの身には、古の魔法使いD・Sが封じられており、契約解除の呪文と処女の接吻によって解き放たれるという。

オズボーンの侵攻の手が王国の深部へ延びると、ヨーコは意を決してルーシェの身に封印解除の呪文を施した。復活したD・Sは王国の危機に関わろうとしなかったが、ルーシェとして生きていた時にいつもかばってくれていたヨーコに叱られると渋々言うことを聞くようになり、オズボーンを滅ぼした。

戦いが終わり、好色のD・Sはヨーコを襲おうと口づけをするが、処女との接吻は封印の呪文にもなっており、D・Sは再びルーシェの身に封印されるのだった。


読み切りとして発表された本作は、戦争の背景やアンスラサクスの存在などが不明瞭なものの、事実上の1話として単行本1巻でも冒頭に掲載されている。またオズボーンは連載開始に伴い、闇の反逆軍団の尖兵として扱われるようになった。


闇の反逆軍団編

D・Sのかつての配下だった四天王が大陸の四つの王国に侵攻を開始し、列国最強のジューダス王国を降すとヨーコたちが住むメタ=リカーナ王国にも迫った。ヨーコは再びルーシェの中に眠るD・Sを復活させる事となった。


復活したD・Sはまたも己の欲望のままに振る舞うも、ヨーコの説教もありしぶしぶ侵攻勢力と戦う事となる。メタ=リカーナを守護して行動するD・Sは四天王と対立することとなるが、その戦いを経て彼らのうちの二人、ニンジャマスター・ガラ、雷帝アーシェス・ネイが再び仲間となった。

シーラ・トェル・メタ=リカーナ王女が持つアンスラサクスの封印を狙い、残った四天王のうちの一人、闇の僧侶アビゲイルが単身メタ=リカーナへと乗り込んでくる。D・Sはアビゲイルと戦い、激しい攻防を繰り広げた。下半身を失うほどの激戦の末、アビゲイルを退けたかに見えたD・Sだったが、ヨーコを人質に捕らえられ危機に陥る。アビゲイルは封印を要求するも、ヨーコの最後の抵抗に阻まれ倒れ、その断末魔の爆発によりメタ=リカーナは崩壊。D・Sたちも行方不明となってしまう。


地獄の鎮魂歌編

メタ=リカーナ崩壊から2年。四王国を降した四天王カル=スは、破壊神最後の封印を解くべく、配下の魔戦将軍達に封印を守るシーラ姫を探させていた。亡国ア=イアン=メイデの侍達はカル=スの軍団に反抗していたが、その中には行方不明となっていたヨーコとルーシェの姿があった。しかしこの2年間、D・Sが復活する兆しは現れなかった。


侍達の本拠地を突き止めた魔戦将軍マカパインとバ・ソリーは侍達が住む武家屋敷を奇襲する。侍達は抵抗むなしく壊滅状態に追い込まれるが、その時ついにD・Sが復活し魔戦将軍を一蹴した。


D・Sの復活に伴い、ヨーコ達はシーラを保護するためエルフの廃都キング・クリムゾン・グローリーに旅立った。廃都で魔戦将軍と戦っていた最中にカル=スが現れ、ついに破壊神が復活してしまう。


D・Sは合流した仲間達と共に、破壊神に操られたカル=スを救うため破壊神の分身を倒してカルを解放するが、すでに完全復活した破壊神が迫りつつあった。


罪と罰編

復活したアンスラサクスに対抗するため、伝説の「エウロペアの十賢者」は竜戦士とD・Sを融合させようとするが、D・Sはそれを拒む。その間にアンスラサクスによって竜戦士が破壊されてしまう。だが、闇の力の活性化により増大したD・Sの力は圧倒的で、様々な高等呪文を用いてアンスラサクスを倒した。

D・Sはアンスラサクスにトドメを刺そうとするが、消滅しかけていたアンスラサクスが逆にD・Sを真っ二つにするのだった。


実は破壊神や邪神群とは高次元の天使達が受肉するための触媒に過ぎず、真に人類を滅ぼそうとしていたのは人類を導くはずの神と天使達だった。その真実にヨーコは愕然とする。絶望した彼女に襲い掛かる天使達の前にルーシェが現れヨーコを救う。彼の正体は堕天した最高位の天使ルシフェルであり、人類の味方としてヨーコにD・Sの復活の方法を伝える。星幽体のまま実体化したルーシェは力を使い果たし消滅するが、人類最後の希望であるD・Sの復活を阻止しようとする天使達に対抗するべく、魔戦将軍や復活した竜王子ラーズが現れ、D・Sを復活させるためのエネルギーを発生させる霊子動力炉を守る闘いに挑む。


一方、封印空間に堕ちたはずのD・Sは地獄の下層にて悪魔王サタンと邂逅する。サタンから「仲間になれ」と迫られるが断り、悪魔達との戦いが始まる。サタン配下の悪魔大元帥ポルノ・ディアノは圧倒的な力でD・Sを翻弄する。最初は手も足も出なかったD・Sだったが、徐々にポルノ・ディアノの動きについていけるようになり、下着を剥ぎ取ってみせた。


ここでストーリーは一時中断となり、次章は4年後となる。


背徳の掟編

魔戦将軍のマカパイン、バ・ソリー、シェラは天使と悪魔の戦闘によって荒れ果てた世界で安住の地を求める人々と共に旅を続けていた。だがそこへ悪魔達を率いる魔神コンロンが現れ、人々に襲いかかる。さらに、その場に4大熾天使ミカエル、ガブリエル、ラファエル、ウリエルが顕現する。天使と悪魔の戦いが始まろうとする中、地獄から復活を果たしたD・Sも姿を見せた。


熾天使達にとっては遥かに格下であるはずのコンロンは、対天使用の兵器によって熾天使達の攻撃を無力化し続けた。ウリエルは真の力である「執行官形態(エクスキューショナーモード)」に変身し、神槍グングニルによって初めてコンロンの核に攻撃を届かせるが、その衝撃によって裂かれた空間から、D・S達もろとも地獄の第一層「無信仰地獄」に堕ちてしまう。

コンロンの体にはウリエルの妹であるアムラエルが融合されており、熾天使達はショックを受ける。ウリエルは自らの手で妹を手にかけるが、その罪悪感などに精神が耐えられず、絶望の末に魔神へと「堕落(フォール・ダウン)」してしまう。このウリエルの堕天こそがコンロンを派遣した地獄の魔王ベルゼバブの策略だった。


D・Sはベルゼバブ以外の魔王達から抜き取った7つの「ユダの痛み(ジューダス・ペイン)」の平行励起により圧倒的な力の差を見せつけコンロンを倒す。そして、すぐさま魔神となったウリエルと戦った。ベルゼバブは地獄に封印していたウリエルの光体を解き放ち、D・Sも対光体兵器である竜戦士と融合し、互角の戦いを繰り広げていく。


背徳の掟編 最終節

天使や悪魔達に地上が蹂躙される中、地上に生き残った人類は救世主と呼ばれる人物の下に「汎人類連合」として結集し、悪魔達が地上を意のままにしようとする「反創生計画」に人知れず備えていた。アンスラサクスや天使達との戦いで絶命した戦士達は救世主の手により復活していた。今日の混乱の元凶とも言えるカル=スは、図らずも救世主の預言者として動き、連合の結束を深めていた。


ウリエルとの戦いの最中、D・Sは力を使い果たして消滅しかけるが復活し、ウリエルとの戦いに終止符を打つ。さらにD・Sは体内でアムラエルの霊と肉体を再構成させる事で蘇生させる。ウリエルは妹と束の間の再会を果たした後に、堕天の代償として存在そのものが消滅した。


魔力の刻印篇

時系列は四年前へと戻る。


地獄でポルノ・ディアノと戦うD・Sは、徐々に自分のペースを取り戻していき、逆にポルノ・ディアノを翻弄するようになる。


※ポルノ・ディアノとの戦闘は決着しないまま、長い休載に入っている。


小説版

小説版

岸間信明

本編の50年前を舞台とした連作短編集『魍魎達の鎮魂歌』と続編である長編『悪魔の褥に横たわりて』が1993年にジャンプジェイブックス版で発売。後述のベニー松山版発売に合わせてスーパーダッシュ文庫版が2001年に発売。文庫版では挿絵がカットされた一方でとある挿絵が一部充実化したりしてた。内容的には本編に存在したギャグ要素やコミカル要素を一切排除した陰惨で野蛮なシリアスハード一辺倒にしながらもエロ要素をより濃くした感じである一方、ロクに打ち合わせをしていないらしく本編の矛盾が多いともいう。挿絵は『魍魎~』は陰翳が激しい感じであり、『悪魔の~』では幾分が見やすいものとなっている。


ベニー松山

2001年と2004年発売の『黒い虹』。本編の100年前を舞台に、先代四天王を率いての冒険が描かれていた。2巻まであって以後お察しくださいである。


古橋秀之

ガラが主役の外伝。2012年新書版。2014年に文庫版が販売。


ゲーム

ゲーム

『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』

1994年スーパーファミコン。地上と空中のラインを移動しながら魔法や技を駆使して戦う対戦ゲーム。使用キャラはD・S、四天王、ダイ・アモンの6名。ガードが出来ないなどシステムが独特で、理解の及ばないゲーマーからはクソゲーと評されることも。


『BASTARD!! -虚ろなる神々の器-』

1996年プレイステーション。記憶と力のほとんどを失ったD・Sを主人公に展開されるRPG。本作独自のストーリー展開はノベライズを担当したベニー松山の手によるもの。さらに作者の萩原も監修として参加しており、原作で描かれなかった多数の設定が明かされる点が魅力。

画集「裸」で情報が公開された先代四天王のイーカル・モンローなども登場している。


『BASTARD!! -ONLINE-』

テクモとシャフトが共同開発していたMMORPG。制作段階で開発中止した幻のタイトルである。


2005年7月の制作発表以来、沈黙を続けたが、2007年頃より情報が少しずつ出始める。2008年には一般公募によるコスチュームデザインコンテストが企画され、TGSでの出展などイベントでの露出も増えた矢先、2009年に開発中止となった。

原作に登場するメタ=リカーナ王国や、四天王が率いる各軍団に所属し、軍団同士で戦うゲームだったらしい。


『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』

DeNAがモバゲーで出した基本プレイ無料のソーシャルゲーム。ジャンルはカードRPG。開発はマーベラスAQLが担当した。

2014年6月25日にサービス開始、2015年12月18日にサービス終了と非常に短命なゲームだった。


プレイヤーはD・Sに力を貸す存在として登場し、原作に沿って描かれるクエストを体験するというゲーム。

「自分だけのハーレム宮殿を作る」という要素があるためか女性キャラの実装が多い。また、セクシーなカードイラストが多いせいか18禁となっているが、原作のような過激な性描写はない。

「地獄の鎮魂歌編」以降の天使や悪魔達も多数登場している。


『CR BASTARD!! -暗黒の破壊神-』

2016年4月に導入が開始されたパチスロ。声優陣はOVAから一新され、アニメ演出も新規の物が用意された。

「闇の反逆軍団編」~「地獄の鎮魂歌編」までをベースにしている。

ヨーコたちの様々なセクシーショットが見られたり、時にはコスプレ姿を披露するなど、萌えパチに近い内容。


アニメ

アニメ

OVA版

1992年~1993年に制作された全6巻のOVA。内容は「闇の反逆軍団編」に相当し、アビゲイルを撃退して終了となっている。

話数が少ないためか一部の描写は削減したり改変が加えられている。

ヨーコがスライムに服を溶かされる場面などサービスシーンも丁寧に描いており、一部のマニアに熱狂的に支持された。


Netflix版

連載休止から10年以上もの長い年月が経った2022年2月3日、突然シリーズアニメ化が発表された。

色々と過激な内容を考慮した影響なのか、地上波放送ではなくNetflixでの独占配信という形に。制作はライデンフィルム

2022年6月30日と9月15日より全24話の分割2クールで配信、その後2023年1月10日からTV放送も開始された。

声優陣は一新されている。


そして2023年1月9日の特番にて、第2期「地獄の鎮魂歌編」の制作が決定した。2023年に再びNetflixで配信予定。


第1期「闇の反逆軍団編」

ティザーPV


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OP


ED




第2期「地獄の鎮魂歌編」

ティザーPV


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BASTARD!!

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ばすたーど

萩原一至の漫画。正式名称は『BASTARD!!-暗黒の破壊神-』(バスタード あんこくのはかいしん)
萩原一至の漫画。正式名称は『BASTARD!!-暗黒の破壊神-』(バスタード あんこくのはかいしん)

概要

概要

BASTARD!!とは、萩原一至による日本漫画作品。

正式名称は『BASTARD!!-暗黒の破壊神-』(バスタード あんこくのはかいしん)


1988年より連載開始。ジャンプ黄金期の作品だが、未だ持って未完

主なメディアミックス展開にOVA小説カセットブックドラマCDゲームなど。

ウルトラジャンプ』2010年6月号の掲載を最後に中断中(一応は不定期連載という扱い)。

累計発行部数は3000万部。

内容はメタルユルランのアメコミ版HEAVYMETALロード・オブ・ザ・リングを足して2で割ったような感じである。


主人公であるダーク・シュナイダー(D・S)が、強力な魔法使い戦士たち、果ては天使悪魔と戦いを繰り広げるダークファンタジーである。


ダンジョンズ&ドラゴンズ』や『wizardry』に影響を受けた本格的なファンタジー描写はヒロイックファンタジー作品に馴染みのなかった多くのライトユーザー層に受け、支持を伸ばした。

日本ではファンタジーの草分け的存在の『ロードス島戦記』と同時期であり、後のファンタジー作品群にも多大な影響を与えた作品として知られる。


「悪党に人質を取られる」というお約束の展開に対して全く物怖じせずに暴虐の限りで応じる破天荒な主人公を中心に、時に既存の世界観を塗り替えてしまうほどの大胆な変更など、展開が全く読めないストーリーも魅力的である。

さらに緻密かつ美麗な作画で繰り広げられる迫力ある剣と魔法のバトル、可愛くセクシーなヒロイン達なども人気を支え、ジャンプ黄金期に名を連ねる人気作となった。


基本的なストーリーラインは超シリアスだが、楽屋オチ系の悪ノリを含むギャグパロディエロも満載で、要するになんでもあり

連載当時の少年ジャンプは、桂正和も限界に挑んだようにエロ規制もなかなか厳しかったのだが、ものともしないギリギリ描写を多数残している(「寸前」や「事後」、『本番』とも受け取れるシーンも多数掲載された)。


作中に登場するほとんどの人名・国名・魔法名・およびその詠唱などの用語は主に洋楽ハードロック・へヴィーメタルバンドやそのメンバー名を元にしている。


21世紀に破壊神アンスラサクスによって人類が一度絶滅しかけたという設定であり、わずかに残った科学兵器は旧世界の遺物として登場している。

また旧世界のエピソードは「現代編」と称して断片的に描かれている。本編の主要人物に酷似したキャラクターが数人登場しており、何らかの形で転生した事を匂わせている。


世界観やキャラクター設定は膨大な量で作り込まれており、時に作中で「うんちく」として長文で紹介される。画集やファンブックなどではより詳細に解説されている。


よく休載することでとても有名な作品でもある。

実際、80年代後半から連載が始まったにもかかわらず、終わる気配すらない。


この漫画の連載開始から10年後に始まり、休載することで有名な『HUNTER×HUNTER』にすら巻数で負けていると書けば、いかに刊行ペースが遅いか分かるだろう。

連載期間が長すぎて、初期とは絵柄や世界観が大幅に変わっており、既にかつてのダークファンタジーの面影はなく、現在はエロ要素が多分に盛り込まれているハーレム・主人公最強・寸止めエロスと三拍子揃ったエロパロと化しており、27巻ではその傾向に一気に方向転換してしまっている。実際に読者層もストーリーの重厚さよりもそっち目的が増加してきている。また、完結が危ぶまれるほどの遅筆および、あまりにも風呂敷を広げすぎたがゆえの迷走が続いている。あまりにも混沌な不安定要素を次から次へと放り込んだため、作者ですらフラグや世界観・コンセプトが把握できなくなっているのだろう。


連載状況

連載状況

週刊少年ジャンプで連載していた四天王との戦いを描いた「闇の反逆軍団編」から元々作画は凄かったが、書き込み量と週刊連載のペースが合わず、原稿を落とすことが度々あり問題視されていた(時には大きな吹き出しに大きく文字を入れてセリフの勢いで誤魔化していた。単行本で没カットとして掲載)。


結局、次章の「地獄の鎮魂歌編」の序盤で週刊連載は打ち切られる事となり、続きは季刊誌「少年ジャンプ」へと移った。週刊連載では成し得なかった時間と手間をかけたトーンワークは非常に美麗であり、当時の漫画の最高峰といっても過言ではなかった。

当初は破壊神アンスラサクスとの戦いを描いた「地獄の鎮魂歌編」で作品を終わらせる予定だったらしいが、大人の事情により連載は継続することになった。ここが本作品と作者のターニングポイントとなる。


続く「罪と罰編」における天使や悪魔との戦いからインフレが激化し、話の規模も比べ物にならないほど壮大な物と化していく。話の内容に比例し、作画の書き込みも凄まじくなったが、結局、話を畳みきれずに一時中断となる。


「背徳の掟編」では週刊少年ジャンプにカムバックを果たす。当時のジャンプは暗黒期と言われており、連載ペースなどで問題を抱えつつも一定の人気があった本作を呼び込むほど必死だったと言われている。

しかし、この章では敵と味方の再生能力が凄まじく向上し、相手を破壊してもすぐさま再生するというような高次元のバトル(と見せかけた単調な殴り合い)が延々と繰り返され、評価を大きく落とすことになった。

連載ペースは月1の予定だったが、当初から原稿を度々落としていた。途中からは連載が未完にもかかわらず、完全版を出版し、その修正作業に没頭するようになる。

数年して「ウルトラジャンプ」へ移籍。そこでも休載を何度も繰り返して、10年がかりで背徳の掟編をようやく完結させる。


これで話が前に進むと思われたが、未完に終わっていた罪と罰編の補足(魔力の刻印篇)に入ってしまい、多数の読者を愕然とさせた(「背徳の掟編」でD・Sが6人の魔王から「ユダの痛み」を奪ったと明かされているが、中断時には魔王に劣る悪魔大元帥に苦戦している状態。また方舟の戦いも全く片付いていない。これまでの刊行ペースと照らし合わせ、完結が絶望視された瞬間でもあった)。


このため、ファンの間では「アンスラ(地獄の鎮魂歌編)で終わったら名作だった」などとよく語られる(「方舟(罪と罰編)もいいよね」派などもある)。


「魔力の刻印篇」はD・Sがポルノ・ディアノ相手に善戦し始めると言う内容。導入部分は作者が「罪と罰編」の直後に出した同人誌「未使用・改訂版」から原稿を流用している。新しく描かれた戦闘場面では、合間にサービスカットが過剰に挟まれ、大した展開も見せないまま連載休止となった。本誌の連載は2010年、単行本の発売は2012年を最後に過去最大級の休止期間となっている。


休止以降、作者の萩原一至が何をしていたかというと、様々なアニメやゲームのキャラクター原案やデザイン、画集の出版、セルフパロディとなる本作の成人向け同人誌の制作などをしていたようである。


ゲーム『デモンゲイズ2』発売を記念した2016年ベニー松山との会談では「絵だと何日も描かなければいけないページが、文章だと数十秒で書ける。連載を3年やって一つのお話ができるという3年がかりの仕事が文章だとひと月もかからない」とノベル制作に意欲を見せている。また「漫画の原稿だと完結するのは無理なんですよ」とも零していた。

編集に文章での制作を伝えたところ、難色を示していたそうだが、萩原の方は「挿絵も自分で描くからラノベでやらせて欲しい」と引き下がらなかったという。


2017年の同人誌「桑」で作者が語った今後の展望は「地獄編はプロットが溜まっているが、本編より何百年か前の四天王の話を作っており、書き上げたら集英社で出してもらえるかも」とのことであった。


結局のところ、小説版の発行も長年滞っており、完結自体が難しいのかも知れない。仮に製作中の本が出たとしても、どちらも過去の話である。

完全版

完全版

2000年から2009年にかけて発行された書籍。通常のWJコミックスと異なり、本のサイズが大きく装丁も豪華だが、定価は3000円ほどと値が張る。

ちょうど当時の漫画業界が完全版ブームであり、それに便乗したものと思われる。


『BASTARD!!』の場合は本編にも大幅な加筆が加えられているのが特徴。

1巻はデッサンの狂いなどを細かく修正する程度だったが、「全面的に改稿」と宣伝していたせいか、「違いが分からない」と読者からの批判が殺到する。


そのせいか、2巻では本編をまるごと書き換えるレベルでの修正を行っている。連載初期から画風が大きく変わっているが、連載初期の画風に寄せつつ修正されている。


だが、本編の連載が滞る事態となったため、2巻以降は軽微の修正となった。

通常版のコミックスが27巻で中断しているように、完全版も2009年に発売された9巻を最後に刊行が止まっている。話は「罪と罰編」までであり、おそらくここから「魔力の刻印篇」へと繋げ、時系列順に掲載する算段であったと思われる。

後に出版された「文庫版」も、「完全版」同様9巻で刊行停止となっている。

EXPANSION

EXPANSION

完全版を執筆した際に、作者曰く「調子に乗ってエロにしすぎた」場面を描いたセルフパロディ同人誌。題名は拡張版を意味する。


完全版2巻でカイ・ハーンへ解毒をする場面、完全版1巻でシーラ・トェル・メタ=リカーナに毒を吸い出してもらう場面をそれぞれ成人向けレベルに引き上げている。


3冊目の『桑』はシーン・ハリも加わった3人の女性キャラとの乱交が描かれている。本編へリンクする設定があるらしいが描写しきれず、こちらも未完に終わっている。


登場人物

登場人物

ダーク・シュナイダー

ルーシェ・レンレン

主人公。物語開始時の400年前から生きている伝説の魔法使いと、その転生先の少年。

ダーク・シュナイダーは名前が長いため、概要にもあるD・S表記をされることが多い。

二重人格のような形で併存しているが、どちらの人格でもヨーコには頭が上がらない。


ティア・ノート・ヨーコ

メインヒロインの僕っ娘。若い割に母性に溢れており、主人公の両方から懐かれている。

「地獄の鎮魂歌編」でいかなる状況にも物怖じしない器の大きな人物に成長、仲間たちを引っ張り世界の危機に立ち向かっていく。

後にリリスという容姿が酷似している少女が登場するが関係性は明言されていない。


D・S四天王

かつてD・Sに仕えた4人の強者。


カル=ス・・・破壊神復活を目論む首謀者で氷系魔法の卓越した使い手。かつではD・Sの養子だった。

アーシェス・ネイ・・・D・Sの養女兼恋人のハーフエルフ。雷魔法と剣技が得意。

ガラ(ニンジャマスター・ガラ)・・・忍者軍団を指揮する豪快な人物。

アビゲイル・・・「冥界の預言者」と呼ばれる僧侶。


鬼道三人衆

ネイの部下。戦いを通して3人とも味方になる。


シーン・ハリ・・・呪符を操る魔道士。色仕掛けでD・Sを籠絡しようとする。

カイ・ハーン・・・破裏拳流剣法を使う男勝りの戦士。

ダイ・アモン・・・吸血鬼。D・Sに呪いを受け下僕となる。


五英雄

D・Sが起こした「魔操兵戦争」を終結に導いた英雄たち。その活躍は主にCDブックで描かれている。


ラーズ・ウル・メタ=リカーナ・・・五英雄の一人で「竜王子」の異名を取る。過去の戦いが原因で身体がドラゴンと化しており、身分を隠してD・Sの旅に同行する。

ジオ・ノート・ソート・・・ヨーコの父。神聖魔法と空手の使い手であるメタ=リカーナの修行僧(モンク)。

シリン・テンペスト・・・ヨーコの母。「辺境の黒き魔女」と呼ばれる魔道士。本編開始以前に死亡している。

ダーナ・メニケッティ・・・女海賊の魔獣使い。

ニルス・ショーン・ミフネ・・・侍総大将(=ミフネ)の名を持つア=イアン=メイデの侍。


メタ=リカーナ王国

D・S四天王の侵略の標的となった王国で「闇の反逆軍団編」においての主要な舞台となった。魔操兵戦争を引き起こしたD・S、アンスラサクスの封印を宿すシーラなどがおり、何度も侵略を受けることとなる。最終的にはアビゲイル戦で崩壊してしまった。


シーラ・トェル・メタ=リカーナ・・・体にアンスラサクスの封印を宿す王女。D・Sに惚れている。


ア=イアン=メイデ

アビゲイルに滅ぼされた亡国ア=イアン=メイデを復興しようとする侍達。「地獄の鎮魂歌編」でのヨーコの仲間。カイも参加している。王子であるマーシの失踪後は、盲目ながらも戦い続けていたD・Sに恩義を感じ、その復活に死力を尽くした。


ヨシュア・ベラヒア・・・侍大将(サムライ・マスター)を務めるリーダー。カイに惚れている。

シェン・カー・・・侍達のNO.2。妻の仇として実兄である魔戦将軍のジオンを狙う。

ヴァイ・ステアベ・・・陽気で血気盛んな侍。ヨーコに好意を抱いており、D・Sを快く思っていなかった。

ヨルグ・フィシス・・・百人隊長の侍。ヨシュアの親友。

アンガス・ヤーン・・・無口で大柄な侍。その正体は・・・。

マーシ・・・王子であり侍達の主君。人望・能力に乏しい暗君であり、その存在が侍達の足かせとなっていた。


十二魔戦将軍

カル=スに仕える12人の戦士で通称魔戦将軍


「罪と罰編」でヨーコ、アビゲイル、ラーズと共闘する。

イダ・ディースナ(召喚士)

イングヴェイ・フォン・マルムスティーン(騎士(光速の剣))

サイクス・フォン・スノーホワイト(魔導師(時空系))

ザック・ワルダー(格闘家)

シェラ・イー・リー(吟遊詩人)

ジオン・ゾル・ヴァンデンヴァーグ(暗黒騎士)

バ・ソリー(蟲使い)

ブラド・キルス(騎士)

ボル・ギル・ボル(影使い)

マカパイン・トーニ・シュトラウス(鋼糸使い)

ランディ・ローズ・シュタイン・ノイバウテン(剣士)

ロス・ザボス・フリードリッヒ(魔法剣士)


天使

アンスラサクスとの戦いを通じて、神の意志により人間を罰しようと地上に降臨した天使達。


ルシフェル・・・大天使長。ルーシェの正体。

ミカエル・・・四大燭天使の一人。ルシフェルを敬愛している。

ラファエル・・・四大燭天使の一人。ベルゼバブと通じている。

ウリエル・・・四大燭天使の一人。ベルゼバブの策略にはまって堕天してしまう。

ガブリエル・・・四大燭天使の一人。地獄からD・Sに救い出された。

アムラエル・・・ウリエルの妹。コンロンと同化させられ、「無効共鳴」の触媒にされた。


悪魔

神が下した「人間たちに仕えよ」という命令に背き、堕天した天使達。宇宙規模で世界を転覆させる「反創世」(ネガジェネシス)を目論む。「背徳の掟編」以降は地上と地獄の境界が曖昧になっており、地上の至るところに悪魔達が出現し人間達を虐殺している。


聖魔神

サタン・・・悪魔達の王。堕天したルシフェルから分離した存在。


7大悪魔王

アスモデウス

ベリアル

ベルゼバブ

バエル(ポクチン)

ペイモン

ビレト

アシュタロス


魔神

悪魔達の上位種。


ポルノ・ディアノ・・・悪魔大元帥と呼ばれるセクシーな女悪魔。地獄に堕ちたD・Sの前に現れ、圧倒する。

コンロン・・・「地獄のジェントルメン」を自称する悪魔。人間が生み出した「無効共鳴」により天使の力を無効化でき、対天使戦においては絶対的な力を持つ。ボクシンググローブを装着する設定や容姿などから、ダッドリーが元ネタと思われる。


汎人類連合

救世主(メシア)の名の下に、悪魔達の「反創世」を阻止すべく集まった連合組織。地上のあらゆる種族、国が団結した人類の要と言える。方舟の戦いをはじめ、かつて死亡した数多くの戦士たちが救世主の手により蘇生し、その際に自分が何を為すべきかを知ったという。D・Sの仲間達も、ほとんどがこの連合に身を寄せている。

「背徳の掟編」ではその数は十数万に達すると説明されているが、連合が種族間を超えて団結に至ったのは、預言者(エリヤ)として様々な種族の下へ趣き、協力を仰いだカル=スの影響も大きい。


救世主・・・2000年に一度、神によって地上に遣わされた存在。人類を導く救世主として、死んだ戦士の蘇生など数十回に及ぶ奇跡を起こし、生き延びた人類を導いてきた。人間には「救世主」として伝わるが、ドワーフ族の聖典には「徴なき者」と記される。その身の証を万人に立てる「預言者」も、あらゆる種族に名が伝わり伝説的な存在となっている。

その正体は未だ不明だが、「背徳の掟編」の21年前に東メタリオンで誕生した事が明らかとなっている。また、ラーズの回想ではフードを被った小柄な黒髪の人間が描かれている。

「魔操兵戦争」は救世主が生誕する前後に邪悪なる者(D・S)に引き起こされた前兆であったという。


エピソード

エピソード

WIZARD!! ─爆炎の征服者─

先の戦争から15年後、遠征に出た王の留守を狙って邪悪な魔道士のオズボーンが王国に侵攻した。国の大神官ジオの娘であるヨーコ。彼女と共に育った孤児のルーシェ・レンレンには大きな秘密があった。ルーシェの身には、古の魔法使いD・Sが封じられており、契約解除の呪文と処女の接吻によって解き放たれるという。

オズボーンの侵攻の手が王国の深部へ延びると、ヨーコは意を決してルーシェの身に封印解除の呪文を施した。復活したD・Sは王国の危機に関わろうとしなかったが、ルーシェとして生きていた時にいつもかばってくれていたヨーコに叱られると渋々言うことを聞くようになり、オズボーンを滅ぼした。

戦いが終わり、好色のD・Sはヨーコを襲おうと口づけをするが、処女との接吻は封印の呪文にもなっており、D・Sは再びルーシェの身に封印されるのだった。


読み切りとして発表された本作は、戦争の背景やアンスラサクスの存在などが不明瞭なものの、事実上の1話として単行本1巻でも冒頭に掲載されている。またオズボーンは連載開始に伴い、闇の反逆軍団の尖兵として扱われるようになった。


闇の反逆軍団編

D・Sのかつての配下だった四天王が大陸の四つの王国に侵攻を開始し、列国最強のジューダス王国を降すとヨーコたちが住むメタ=リカーナ王国にも迫った。ヨーコは再びルーシェの中に眠るD・Sを復活させる事となった。


復活したD・Sはまたも己の欲望のままに振る舞うも、ヨーコの説教もありしぶしぶ侵攻勢力と戦う事となる。メタ=リカーナを守護して行動するD・Sは四天王と対立することとなるが、その戦いを経て彼らのうちの二人、ニンジャマスター・ガラ、雷帝アーシェス・ネイが再び仲間となった。

シーラ・トェル・メタ=リカーナ王女が持つアンスラサクスの封印を狙い、残った四天王のうちの一人、闇の僧侶アビゲイルが単身メタ=リカーナへと乗り込んでくる。D・Sはアビゲイルと戦い、激しい攻防を繰り広げた。下半身を失うほどの激戦の末、アビゲイルを退けたかに見えたD・Sだったが、ヨーコを人質に捕らえられ危機に陥る。アビゲイルは封印を要求するも、ヨーコの最後の抵抗に阻まれ倒れ、その断末魔の爆発によりメタ=リカーナは崩壊。D・Sたちも行方不明となってしまう。


地獄の鎮魂歌編

メタ=リカーナ崩壊から2年。四王国を降した四天王カル=スは、破壊神最後の封印を解くべく、配下の魔戦将軍達に封印を守るシーラ姫を探させていた。亡国ア=イアン=メイデの侍達はカル=スの軍団に反抗していたが、その中には行方不明となっていたヨーコとルーシェの姿があった。しかしこの2年間、D・Sが復活する兆しは現れなかった。


侍達の本拠地を突き止めた魔戦将軍マカパインとバ・ソリーは侍達が住む武家屋敷を奇襲する。侍達は抵抗むなしく壊滅状態に追い込まれるが、その時ついにD・Sが復活し魔戦将軍を一蹴した。


D・Sの復活に伴い、ヨーコ達はシーラを保護するためエルフの廃都キング・クリムゾン・グローリーに旅立った。廃都で魔戦将軍と戦っていた最中にカル=スが現れ、ついに破壊神が復活してしまう。


D・Sは合流した仲間達と共に、破壊神に操られたカル=スを救うため破壊神の分身を倒してカルを解放するが、すでに完全復活した破壊神が迫りつつあった。


罪と罰編

復活したアンスラサクスに対抗するため、伝説の「エウロペアの十賢者」は竜戦士とD・Sを融合させようとするが、D・Sはそれを拒む。その間にアンスラサクスによって竜戦士が破壊されてしまう。だが、闇の力の活性化により増大したD・Sの力は圧倒的で、様々な高等呪文を用いてアンスラサクスを倒した。

D・Sはアンスラサクスにトドメを刺そうとするが、消滅しかけていたアンスラサクスが逆にD・Sを真っ二つにするのだった。


実は破壊神や邪神群とは高次元の天使達が受肉するための触媒に過ぎず、真に人類を滅ぼそうとしていたのは人類を導くはずの神と天使達だった。その真実にヨーコは愕然とする。絶望した彼女に襲い掛かる天使達の前にルーシェが現れヨーコを救う。彼の正体は堕天した最高位の天使ルシフェルであり、人類の味方としてヨーコにD・Sの復活の方法を伝える。星幽体のまま実体化したルーシェは力を使い果たし消滅するが、人類最後の希望であるD・Sの復活を阻止しようとする天使達に対抗するべく、魔戦将軍や復活した竜王子ラーズが現れ、D・Sを復活させるためのエネルギーを発生させる霊子動力炉を守る闘いに挑む。


一方、封印空間に堕ちたはずのD・Sは地獄の下層にて悪魔王サタンと邂逅する。サタンから「仲間になれ」と迫られるが断り、悪魔達との戦いが始まる。サタン配下の悪魔大元帥ポルノ・ディアノは圧倒的な力でD・Sを翻弄する。最初は手も足も出なかったD・Sだったが、徐々にポルノ・ディアノの動きについていけるようになり、下着を剥ぎ取ってみせた。


ここでストーリーは一時中断となり、次章は4年後となる。


背徳の掟編

魔戦将軍のマカパイン、バ・ソリー、シェラは天使と悪魔の戦闘によって荒れ果てた世界で安住の地を求める人々と共に旅を続けていた。だがそこへ悪魔達を率いる魔神コンロンが現れ、人々に襲いかかる。さらに、その場に4大熾天使ミカエル、ガブリエル、ラファエル、ウリエルが顕現する。天使と悪魔の戦いが始まろうとする中、地獄から復活を果たしたD・Sも姿を見せた。


熾天使達にとっては遥かに格下であるはずのコンロンは、対天使用の兵器によって熾天使達の攻撃を無力化し続けた。ウリエルは真の力である「執行官形態(エクスキューショナーモード)」に変身し、神槍グングニルによって初めてコンロンの核に攻撃を届かせるが、その衝撃によって裂かれた空間から、D・S達もろとも地獄の第一層「無信仰地獄」に堕ちてしまう。

コンロンの体にはウリエルの妹であるアムラエルが融合されており、熾天使達はショックを受ける。ウリエルは自らの手で妹を手にかけるが、その罪悪感などに精神が耐えられず、絶望の末に魔神へと「堕落(フォール・ダウン)」してしまう。このウリエルの堕天こそがコンロンを派遣した地獄の魔王ベルゼバブの策略だった。


D・Sはベルゼバブ以外の魔王達から抜き取った7つの「ユダの痛み(ジューダス・ペイン)」の平行励起により圧倒的な力の差を見せつけコンロンを倒す。そして、すぐさま魔神となったウリエルと戦った。ベルゼバブは地獄に封印していたウリエルの光体を解き放ち、D・Sも対光体兵器である竜戦士と融合し、互角の戦いを繰り広げていく。


背徳の掟編 最終節

天使や悪魔達に地上が蹂躙される中、地上に生き残った人類は救世主と呼ばれる人物の下に「汎人類連合」として結集し、悪魔達が地上を意のままにしようとする「反創生計画」に人知れず備えていた。アンスラサクスや天使達との戦いで絶命した戦士達は救世主の手により復活していた。今日の混乱の元凶とも言えるカル=スは、図らずも救世主の預言者として動き、連合の結束を深めていた。


ウリエルとの戦いの最中、D・Sは力を使い果たして消滅しかけるが復活し、ウリエルとの戦いに終止符を打つ。さらにD・Sは体内でアムラエルの霊と肉体を再構成させる事で蘇生させる。ウリエルは妹と束の間の再会を果たした後に、堕天の代償として存在そのものが消滅した。


魔力の刻印篇

時系列は四年前へと戻る。


地獄でポルノ・ディアノと戦うD・Sは、徐々に自分のペースを取り戻していき、逆にポルノ・ディアノを翻弄するようになる。


※ポルノ・ディアノとの戦闘は決着しないまま、長い休載に入っている。


小説版

小説版

岸間信明

本編の50年前を舞台とした連作短編集『魍魎達の鎮魂歌』と続編である長編『悪魔の褥に横たわりて』が1993年にジャンプジェイブックス版で発売。後述のベニー松山版発売に合わせてスーパーダッシュ文庫版が2001年に発売。文庫版では挿絵がカットされた一方でとある挿絵が一部充実化したりしてた。内容的には本編に存在したギャグ要素やコミカル要素を一切排除した陰惨で野蛮なシリアスハード一辺倒にしながらもエロ要素をより濃くした感じである一方、ロクに打ち合わせをしていないらしく本編の矛盾が多いともいう。挿絵は『魍魎~』は陰翳が激しい感じであり、『悪魔の~』では幾分が見やすいものとなっている。


ベニー松山

2001年と2004年発売の『黒い虹』。本編の100年前を舞台に、先代四天王を率いての冒険が描かれていた。2巻まであって以後お察しくださいである。


古橋秀之

ガラが主役の外伝。2012年新書版。2014年に文庫版が販売。


ゲーム

ゲーム

『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』

1994年スーパーファミコン。地上と空中のラインを移動しながら魔法や技を駆使して戦う対戦ゲーム。使用キャラはD・S、四天王、ダイ・アモンの6名。ガードが出来ないなどシステムが独特で、理解の及ばないゲーマーからはクソゲーと評されることも。


『BASTARD!! -虚ろなる神々の器-』

1996年プレイステーション。記憶と力のほとんどを失ったD・Sを主人公に展開されるRPG。本作独自のストーリー展開はノベライズを担当したベニー松山の手によるもの。さらに作者の萩原も監修として参加しており、原作で描かれなかった多数の設定が明かされる点が魅力。

画集「裸」で情報が公開された先代四天王のイーカル・モンローなども登場している。


『BASTARD!! -ONLINE-』

テクモとシャフトが共同開発していたMMORPG。制作段階で開発中止した幻のタイトルである。


2005年7月の制作発表以来、沈黙を続けたが、2007年頃より情報が少しずつ出始める。2008年には一般公募によるコスチュームデザインコンテストが企画され、TGSでの出展などイベントでの露出も増えた矢先、2009年に開発中止となった。

原作に登場するメタ=リカーナ王国や、四天王が率いる各軍団に所属し、軍団同士で戦うゲームだったらしい。


『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』

DeNAがモバゲーで出した基本プレイ無料のソーシャルゲーム。ジャンルはカードRPG。開発はマーベラスAQLが担当した。

2014年6月25日にサービス開始、2015年12月18日にサービス終了と非常に短命なゲームだった。


プレイヤーはD・Sに力を貸す存在として登場し、原作に沿って描かれるクエストを体験するというゲーム。

「自分だけのハーレム宮殿を作る」という要素があるためか女性キャラの実装が多い。また、セクシーなカードイラストが多いせいか18禁となっているが、原作のような過激な性描写はない。

「地獄の鎮魂歌編」以降の天使や悪魔達も多数登場している。


『CR BASTARD!! -暗黒の破壊神-』

2016年4月に導入が開始されたパチスロ。声優陣はOVAから一新され、アニメ演出も新規の物が用意された。

「闇の反逆軍団編」~「地獄の鎮魂歌編」までをベースにしている。

ヨーコたちの様々なセクシーショットが見られたり、時にはコスプレ姿を披露するなど、萌えパチに近い内容。


アニメ

アニメ

OVA版

1992年~1993年に制作された全6巻のOVA。内容は「闇の反逆軍団編」に相当し、アビゲイルを撃退して終了となっている。

話数が少ないためか一部の描写は削減したり改変が加えられている。

ヨーコがスライムに服を溶かされる場面などサービスシーンも丁寧に描いており、一部のマニアに熱狂的に支持された。


Netflix版

連載休止から10年以上もの長い年月が経った2022年2月3日、突然シリーズアニメ化が発表された。

色々と過激な内容を考慮した影響なのか、地上波放送ではなくNetflixでの独占配信という形に。制作はライデンフィルム

2022年6月30日と9月15日より全24話の分割2クールで配信、その後2023年1月10日からTV放送も開始された。

声優陣は一新されている。


そして2023年1月9日の特番にて、第2期「地獄の鎮魂歌編」の制作が決定した。2023年に再びNetflixで配信予定。


第1期「闇の反逆軍団編」

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第2期「地獄の鎮魂歌編」

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主人公最強 ダークファンタジー ハーレム 種馬

概要

概要

BASTARD!!とは、萩原一至による日本漫画作品。

正式名称は『BASTARD!!-暗黒の破壊神-』(バスタード あんこくのはかいしん)


1988年より連載開始。ジャンプ黄金期の作品だが、未だ持って未完

主なメディアミックス展開にOVA小説カセットブックドラマCDゲームなど。

ウルトラジャンプ』2010年6月号の掲載を最後に中断中(一応は不定期連載という扱い)。

累計発行部数は3000万部。

内容はメタルユルランのアメコミ版HEAVYMETALロード・オブ・ザ・リングを足して2で割ったような感じである。


主人公であるダーク・シュナイダー(D・S)が、強力な魔法使い戦士たち、果ては天使悪魔と戦いを繰り広げるダークファンタジーである。


ダンジョンズ&ドラゴンズ』や『wizardry』に影響を受けた本格的なファンタジー描写はヒロイックファンタジー作品に馴染みのなかった多くのライトユーザー層に受け、支持を伸ばした。

日本ではファンタジーの草分け的存在の『ロードス島戦記』と同時期であり、後のファンタジー作品群にも多大な影響を与えた作品として知られる。


「悪党に人質を取られる」というお約束の展開に対して全く物怖じせずに暴虐の限りで応じる破天荒な主人公を中心に、時に既存の世界観を塗り替えてしまうほどの大胆な変更など、展開が全く読めないストーリーも魅力的である。

さらに緻密かつ美麗な作画で繰り広げられる迫力ある剣と魔法のバトル、可愛くセクシーなヒロイン達なども人気を支え、ジャンプ黄金期に名を連ねる人気作となった。


基本的なストーリーラインは超シリアスだが、楽屋オチ系の悪ノリを含むギャグパロディエロも満載で、要するになんでもあり

連載当時の少年ジャンプは、桂正和も限界に挑んだようにエロ規制もなかなか厳しかったのだが、ものともしないギリギリ描写を多数残している(「寸前」や「事後」、『本番』とも受け取れるシーンも多数掲載された)。


作中に登場するほとんどの人名・国名・魔法名・およびその詠唱などの用語は主に洋楽ハードロック・へヴィーメタルバンドやそのメンバー名を元にしている。


21世紀に破壊神アンスラサクスによって人類が一度絶滅しかけたという設定であり、わずかに残った科学兵器は旧世界の遺物として登場している。

また旧世界のエピソードは「現代編」と称して断片的に描かれている。本編の主要人物に酷似したキャラクターが数人登場しており、何らかの形で転生した事を匂わせている。


世界観やキャラクター設定は膨大な量で作り込まれており、時に作中で「うんちく」として長文で紹介される。画集やファンブックなどではより詳細に解説されている。


よく休載することでとても有名な作品でもある。

実際、80年代後半から連載が始まったにもかかわらず、終わる気配すらない。


この漫画の連載開始から10年後に始まり、休載することで有名な『HUNTER×HUNTER』にすら巻数で負けていると書けば、いかに刊行ペースが遅いか分かるだろう。

連載期間が長すぎて、初期とは絵柄や世界観が大幅に変わっており、既にかつてのダークファンタジーの面影はなく、現在はエロ要素が多分に盛り込まれているハーレム・主人公最強・寸止めエロスと三拍子揃ったエロパロと化しており、27巻ではその傾向に一気に方向転換してしまっている。実際に読者層もストーリーの重厚さよりもそっち目的が増加してきている。また、完結が危ぶまれるほどの遅筆および、あまりにも風呂敷を広げすぎたがゆえの迷走が続いている。あまりにも混沌な不安定要素を次から次へと放り込んだため、作者ですらフラグや世界観・コンセプトが把握できなくなっているのだろう。


連載状況

連載状況

週刊少年ジャンプで連載していた四天王との戦いを描いた「闇の反逆軍団編」から元々作画は凄かったが、書き込み量と週刊連載のペースが合わず、原稿を落とすことが度々あり問題視されていた(時には大きな吹き出しに大きく文字を入れてセリフの勢いで誤魔化していた。単行本で没カットとして掲載)。


結局、次章の「地獄の鎮魂歌編」の序盤で週刊連載は打ち切られる事となり、続きは季刊誌「少年ジャンプ」へと移った。週刊連載では成し得なかった時間と手間をかけたトーンワークは非常に美麗であり、当時の漫画の最高峰といっても過言ではなかった。

当初は破壊神アンスラサクスとの戦いを描いた「地獄の鎮魂歌編」で作品を終わらせる予定だったらしいが、大人の事情により連載は継続することになった。ここが本作品と作者のターニングポイントとなる。


続く「罪と罰編」における天使や悪魔との戦いからインフレが激化し、話の規模も比べ物にならないほど壮大な物と化していく。話の内容に比例し、作画の書き込みも凄まじくなったが、結局、話を畳みきれずに一時中断となる。


「背徳の掟編」では週刊少年ジャンプにカムバックを果たす。当時のジャンプは暗黒期と言われており、連載ペースなどで問題を抱えつつも一定の人気があった本作を呼び込むほど必死だったと言われている。

しかし、この章では敵と味方の再生能力が凄まじく向上し、相手を破壊してもすぐさま再生するというような高次元のバトル(と見せかけた単調な殴り合い)が延々と繰り返され、評価を大きく落とすことになった。

連載ペースは月1の予定だったが、当初から原稿を度々落としていた。途中からは連載が未完にもかかわらず、完全版を出版し、その修正作業に没頭するようになる。

数年して「ウルトラジャンプ」へ移籍。そこでも休載を何度も繰り返して、10年がかりで背徳の掟編をようやく完結させる。


これで話が前に進むと思われたが、未完に終わっていた罪と罰編の補足(魔力の刻印篇)に入ってしまい、多数の読者を愕然とさせた(「背徳の掟編」でD・Sが6人の魔王から「ユダの痛み」を奪ったと明かされているが、中断時には魔王に劣る悪魔大元帥に苦戦している状態。また方舟の戦いも全く片付いていない。これまでの刊行ペースと照らし合わせ、完結が絶望視された瞬間でもあった)。


このため、ファンの間では「アンスラ(地獄の鎮魂歌編)で終わったら名作だった」などとよく語られる(「方舟(罪と罰編)もいいよね」派などもある)。


「魔力の刻印篇」はD・Sがポルノ・ディアノ相手に善戦し始めると言う内容。導入部分は作者が「罪と罰編」の直後に出した同人誌「未使用・改訂版」から原稿を流用している。新しく描かれた戦闘場面では、合間にサービスカットが過剰に挟まれ、大した展開も見せないまま連載休止となった。本誌の連載は2010年、単行本の発売は2012年を最後に過去最大級の休止期間となっている。


休止以降、作者の萩原一至が何をしていたかというと、様々なアニメやゲームのキャラクター原案やデザイン、画集の出版、セルフパロディとなる本作の成人向け同人誌の制作などをしていたようである。


ゲーム『デモンゲイズ2』発売を記念した2016年ベニー松山との会談では「絵だと何日も描かなければいけないページが、文章だと数十秒で書ける。連載を3年やって一つのお話ができるという3年がかりの仕事が文章だとひと月もかからない」とノベル制作に意欲を見せている。また「漫画の原稿だと完結するのは無理なんですよ」とも零していた。

編集に文章での制作を伝えたところ、難色を示していたそうだが、萩原の方は「挿絵も自分で描くからラノベでやらせて欲しい」と引き下がらなかったという。


2017年の同人誌「桑」で作者が語った今後の展望は「地獄編はプロットが溜まっているが、本編より何百年か前の四天王の話を作っており、書き上げたら集英社で出してもらえるかも」とのことであった。


結局のところ、小説版の発行も長年滞っており、完結自体が難しいのかも知れない。仮に製作中の本が出たとしても、どちらも過去の話である。

完全版

完全版

2000年から2009年にかけて発行された書籍。通常のWJコミックスと異なり、本のサイズが大きく装丁も豪華だが、定価は3000円ほどと値が張る。

ちょうど当時の漫画業界が完全版ブームであり、それに便乗したものと思われる。


『BASTARD!!』の場合は本編にも大幅な加筆が加えられているのが特徴。

1巻はデッサンの狂いなどを細かく修正する程度だったが、「全面的に改稿」と宣伝していたせいか、「違いが分からない」と読者からの批判が殺到する。


そのせいか、2巻では本編をまるごと書き換えるレベルでの修正を行っている。連載初期から画風が大きく変わっているが、連載初期の画風に寄せつつ修正されている。


だが、本編の連載が滞る事態となったため、2巻以降は軽微の修正となった。

通常版のコミックスが27巻で中断しているように、完全版も2009年に発売された9巻を最後に刊行が止まっている。話は「罪と罰編」までであり、おそらくここから「魔力の刻印篇」へと繋げ、時系列順に掲載する算段であったと思われる。

後に出版された「文庫版」も、「完全版」同様9巻で刊行停止となっている。

EXPANSION

EXPANSION

完全版を執筆した際に、作者曰く「調子に乗ってエロにしすぎた」場面を描いたセルフパロディ同人誌。題名は拡張版を意味する。


完全版2巻でカイ・ハーンへ解毒をする場面、完全版1巻でシーラ・トェル・メタ=リカーナに毒を吸い出してもらう場面をそれぞれ成人向けレベルに引き上げている。


3冊目の『桑』はシーン・ハリも加わった3人の女性キャラとの乱交が描かれている。本編へリンクする設定があるらしいが描写しきれず、こちらも未完に終わっている。


登場人物

登場人物

ダーク・シュナイダー

ルーシェ・レンレン

主人公。物語開始時の400年前から生きている伝説の魔法使いと、その転生先の少年。

ダーク・シュナイダーは名前が長いため、概要にもあるD・S表記をされることが多い。

二重人格のような形で併存しているが、どちらの人格でもヨーコには頭が上がらない。


ティア・ノート・ヨーコ

メインヒロインの僕っ娘。若い割に母性に溢れており、主人公の両方から懐かれている。

「地獄の鎮魂歌編」でいかなる状況にも物怖じしない器の大きな人物に成長、仲間たちを引っ張り世界の危機に立ち向かっていく。

後にリリスという容姿が酷似している少女が登場するが関係性は明言されていない。


D・S四天王

かつてD・Sに仕えた4人の強者。


カル=ス・・・破壊神復活を目論む首謀者で氷系魔法の卓越した使い手。かつではD・Sの養子だった。

アーシェス・ネイ・・・D・Sの養女兼恋人のハーフエルフ。雷魔法と剣技が得意。

ガラ(ニンジャマスター・ガラ)・・・忍者軍団を指揮する豪快な人物。

アビゲイル・・・「冥界の預言者」と呼ばれる僧侶。


鬼道三人衆

ネイの部下。戦いを通して3人とも味方になる。


シーン・ハリ・・・呪符を操る魔道士。色仕掛けでD・Sを籠絡しようとする。

カイ・ハーン・・・破裏拳流剣法を使う男勝りの戦士。

ダイ・アモン・・・吸血鬼。D・Sに呪いを受け下僕となる。


五英雄

D・Sが起こした「魔操兵戦争」を終結に導いた英雄たち。その活躍は主にCDブックで描かれている。


ラーズ・ウル・メタ=リカーナ・・・五英雄の一人で「竜王子」の異名を取る。過去の戦いが原因で身体がドラゴンと化しており、身分を隠してD・Sの旅に同行する。

ジオ・ノート・ソート・・・ヨーコの父。神聖魔法と空手の使い手であるメタ=リカーナの修行僧(モンク)。

シリン・テンペスト・・・ヨーコの母。「辺境の黒き魔女」と呼ばれる魔道士。本編開始以前に死亡している。

ダーナ・メニケッティ・・・女海賊の魔獣使い。

ニルス・ショーン・ミフネ・・・侍総大将(=ミフネ)の名を持つア=イアン=メイデの侍。


メタ=リカーナ王国

D・S四天王の侵略の標的となった王国で「闇の反逆軍団編」においての主要な舞台となった。魔操兵戦争を引き起こしたD・S、アンスラサクスの封印を宿すシーラなどがおり、何度も侵略を受けることとなる。最終的にはアビゲイル戦で崩壊してしまった。


シーラ・トェル・メタ=リカーナ・・・体にアンスラサクスの封印を宿す王女。D・Sに惚れている。


ア=イアン=メイデ

アビゲイルに滅ぼされた亡国ア=イアン=メイデを復興しようとする侍達。「地獄の鎮魂歌編」でのヨーコの仲間。カイも参加している。王子であるマーシの失踪後は、盲目ながらも戦い続けていたD・Sに恩義を感じ、その復活に死力を尽くした。


ヨシュア・ベラヒア・・・侍大将(サムライ・マスター)を務めるリーダー。カイに惚れている。

シェン・カー・・・侍達のNO.2。妻の仇として実兄である魔戦将軍のジオンを狙う。

ヴァイ・ステアベ・・・陽気で血気盛んな侍。ヨーコに好意を抱いており、D・Sを快く思っていなかった。

ヨルグ・フィシス・・・百人隊長の侍。ヨシュアの親友。

アンガス・ヤーン・・・無口で大柄な侍。その正体は・・・。

マーシ・・・王子であり侍達の主君。人望・能力に乏しい暗君であり、その存在が侍達の足かせとなっていた。


十二魔戦将軍

カル=スに仕える12人の戦士で通称魔戦将軍


「罪と罰編」でヨーコ、アビゲイル、ラーズと共闘する。

イダ・ディースナ(召喚士)

イングヴェイ・フォン・マルムスティーン(騎士(光速の剣))

サイクス・フォン・スノーホワイト(魔導師(時空系))

ザック・ワルダー(格闘家)

シェラ・イー・リー(吟遊詩人)

ジオン・ゾル・ヴァンデンヴァーグ(暗黒騎士)

バ・ソリー(蟲使い)

ブラド・キルス(騎士)

ボル・ギル・ボル(影使い)

マカパイン・トーニ・シュトラウス(鋼糸使い)

ランディ・ローズ・シュタイン・ノイバウテン(剣士)

ロス・ザボス・フリードリッヒ(魔法剣士)


天使

アンスラサクスとの戦いを通じて、神の意志により人間を罰しようと地上に降臨した天使達。


ルシフェル・・・大天使長。ルーシェの正体。

ミカエル・・・四大燭天使の一人。ルシフェルを敬愛している。

ラファエル・・・四大燭天使の一人。ベルゼバブと通じている。

ウリエル・・・四大燭天使の一人。ベルゼバブの策略にはまって堕天してしまう。

ガブリエル・・・四大燭天使の一人。地獄からD・Sに救い出された。

アムラエル・・・ウリエルの妹。コンロンと同化させられ、「無効共鳴」の触媒にされた。


悪魔

神が下した「人間たちに仕えよ」という命令に背き、堕天した天使達。宇宙規模で世界を転覆させる「反創世」(ネガジェネシス)を目論む。「背徳の掟編」以降は地上と地獄の境界が曖昧になっており、地上の至るところに悪魔達が出現し人間達を虐殺している。


聖魔神

サタン・・・悪魔達の王。堕天したルシフェルから分離した存在。


魔神

悪魔達の上位種。


ポルノ・ディアノ・・・悪魔大元帥と呼ばれるセクシーな女悪魔。地獄に堕ちたD・Sの前に現れ、圧倒する。

コンロン・・・「地獄のジェントルメン」を自称する悪魔。人間が生み出した「無効共鳴」により天使の力を無効化でき、対天使戦においては絶対的な力を持つ。ボクシンググローブを装着する設定や容姿などから、ダッドリーが元ネタと思われる。


汎人類連合

救世主(メシア)の名の下に、悪魔達の「反創世」を阻止すべく集まった連合組織。地上のあらゆる種族、国が団結した人類の要と言える。方舟の戦いをはじめ、かつて死亡した数多くの戦士たちが救世主の手により蘇生し、その際に自分が何を為すべきかを知ったという。D・Sの仲間達も、ほとんどがこの連合に身を寄せている。

「背徳の掟編」ではその数は十数万に達すると説明されているが、連合が種族間を超えて団結に至ったのは、預言者(エリヤ)として様々な種族の下へ趣き、協力を仰いだカル=スの影響も大きい。


救世主・・・2000年に一度、神によって地上に遣わされた存在。人類を導く救世主として、死んだ戦士の蘇生など数十回に及ぶ奇跡を起こし、生き延びた人類を導いてきた。人間には「救世主」として伝わるが、ドワーフ族の聖典には「徴なき者」と記される。その身の証を万人に立てる「預言者」も、あらゆる種族に名が伝わり伝説的な存在となっている。

その正体は未だ不明だが、「背徳の掟編」の21年前に東メタリオンで誕生した事が明らかとなっている。また、ラーズの回想ではフードを被った小柄な黒髪の人間が描かれている。

「魔操兵戦争」は救世主が生誕する前後に邪悪なる者(D・S)に引き起こされた前兆であったという。


エピソード

エピソード

WIZARD!! ─爆炎の征服者─

先の戦争から15年後、遠征に出た王の留守を狙って邪悪な魔道士のオズボーンが王国に侵攻した。国の大神官ジオの娘であるヨーコ。彼女と共に育った孤児のルーシェ・レンレンには大きな秘密があった。ルーシェの身には、古の魔法使いD・Sが封じられており、契約解除の呪文と処女の接吻によって解き放たれるという。

オズボーンの侵攻の手が王国の深部へ延びると、ヨーコは意を決してルーシェの身に封印解除の呪文を施した。復活したD・Sは王国の危機に関わろうとしなかったが、ルーシェとして生きていた時にいつもかばってくれていたヨーコに叱られると渋々言うことを聞くようになり、オズボーンを滅ぼした。

戦いが終わり、好色のD・Sはヨーコを襲おうと口づけをするが、処女との接吻は封印の呪文にもなっており、D・Sは再びルーシェの身に封印されるのだった。


読み切りとして発表された本作は、戦争の背景やアンスラサクスの存在などが不明瞭なものの、事実上の1話として単行本1巻でも冒頭に掲載されている。またオズボーンは連載開始に伴い、闇の反逆軍団の尖兵として扱われるようになった。


闇の反逆軍団編

D・Sのかつての配下だった四天王が大陸の四つの王国に侵攻を開始し、列国最強のジューダス王国を降すとヨーコたちが住むメタ=リカーナ王国にも迫った。ヨーコは再びルーシェの中に眠るD・Sを復活させる事となった。


復活したD・Sはまたも己の欲望のままに振る舞うも、ヨーコの説教もありしぶしぶ侵攻勢力と戦う事となる。メタ=リカーナを守護して行動するD・Sは四天王と対立することとなるが、その戦いを経て彼らのうちの二人、ニンジャマスター・ガラ、雷帝アーシェス・ネイが再び仲間となった。

シーラ・トェル・メタ=リカーナ王女が持つアンスラサクスの封印を狙い、残った四天王のうちの一人、闇の僧侶アビゲイルが単身メタ=リカーナへと乗り込んでくる。D・Sはアビゲイルと戦い、激しい攻防を繰り広げた。下半身を失うほどの激戦の末、アビゲイルを退けたかに見えたD・Sだったが、ヨーコを人質に捕らえられ危機に陥る。アビゲイルは封印を要求するも、ヨーコの最後の抵抗に阻まれ倒れ、その断末魔の爆発によりメタ=リカーナは崩壊。D・Sたちも行方不明となってしまう。


地獄の鎮魂歌編

メタ=リカーナ崩壊から2年。四王国を降した四天王カル=スは、破壊神最後の封印を解くべく、配下の魔戦将軍達に封印を守るシーラ姫を探させていた。亡国ア=イアン=メイデの侍達はカル=スの軍団に反抗していたが、その中には行方不明となっていたヨーコとルーシェの姿があった。しかしこの2年間、D・Sが復活する兆しは現れなかった。


侍達の本拠地を突き止めた魔戦将軍マカパインとバ・ソリーは侍達が住む武家屋敷を奇襲する。侍達は抵抗むなしく壊滅状態に追い込まれるが、その時ついにD・Sが復活し魔戦将軍を一蹴した。


D・Sの復活に伴い、ヨーコ達はシーラを保護するためエルフの廃都キング・クリムゾン・グローリーに旅立った。廃都で魔戦将軍と戦っていた最中にカル=スが現れ、ついに破壊神が復活してしまう。


D・Sは合流した仲間達と共に、破壊神に操られたカル=スを救うため破壊神の分身を倒してカルを解放するが、すでに完全復活した破壊神が迫りつつあった。


罪と罰編

復活したアンスラサクスに対抗するため、伝説の「エウロペアの十賢者」は竜戦士とD・Sを融合させようとするが、D・Sはそれを拒む。その間にアンスラサクスによって竜戦士が破壊されてしまう。だが、闇の力の活性化により増大したD・Sの力は圧倒的で、様々な高等呪文を用いてアンスラサクスを倒した。

D・Sはアンスラサクスにトドメを刺そうとするが、消滅しかけていたアンスラサクスが逆にD・Sを真っ二つにするのだった。


実は破壊神や邪神群とは高次元の天使達が受肉するための触媒に過ぎず、真に人類を滅ぼそうとしていたのは人類を導くはずの神と天使達だった。その真実にヨーコは愕然とする。絶望した彼女に襲い掛かる天使達の前にルーシェが現れヨーコを救う。彼の正体は堕天した最高位の天使ルシフェルであり、人類の味方としてヨーコにD・Sの復活の方法を伝える。星幽体のまま実体化したルーシェは力を使い果たし消滅するが、人類最後の希望であるD・Sの復活を阻止しようとする天使達に対抗するべく、魔戦将軍や復活した竜王子ラーズが現れ、D・Sを復活させるためのエネルギーを発生させる霊子動力炉を守る闘いに挑む。


一方、封印空間に堕ちたはずのD・Sは地獄の下層にて悪魔王サタンと邂逅する。サタンから「仲間になれ」と迫られるが断り、悪魔達との戦いが始まる。サタン配下の悪魔大元帥ポルノ・ディアノは圧倒的な力でD・Sを翻弄する。最初は手も足も出なかったD・Sだったが、徐々にポルノ・ディアノの動きについていけるようになり、下着を剥ぎ取ってみせた。


ここでストーリーは一時中断となり、次章は4年後となる。


背徳の掟編

魔戦将軍のマカパイン、バ・ソリー、シェラは天使と悪魔の戦闘によって荒れ果てた世界で安住の地を求める人々と共に旅を続けていた。だがそこへ悪魔達を率いる魔神コンロンが現れ、人々に襲いかかる。さらに、その場に4大熾天使ミカエル、ガブリエル、ラファエル、ウリエルが顕現する。天使と悪魔の戦いが始まろうとする中、地獄から復活を果たしたD・Sも姿を見せた。


熾天使達にとっては遥かに格下であるはずのコンロンは、対天使用の兵器によって熾天使達の攻撃を無力化し続けた。ウリエルは真の力である「執行官形態(エクスキューショナーモード)」に変身し、神槍グングニルによって初めてコンロンの核に攻撃を届かせるが、その衝撃によって裂かれた空間から、D・S達もろとも地獄の第一層「無信仰地獄」に堕ちてしまう。

コンロンの体にはウリエルの妹であるアムラエルが融合されており、熾天使達はショックを受ける。ウリエルは自らの手で妹を手にかけるが、その罪悪感などに精神が耐えられず、絶望の末に魔神へと「堕落(フォール・ダウン)」してしまう。このウリエルの堕天こそがコンロンを派遣した地獄の魔王ベルゼバブの策略だった。


D・Sはベルゼバブ以外の魔王達から抜き取った7つの「ユダの痛み(ジューダス・ペイン)」の平行励起により圧倒的な力の差を見せつけコンロンを倒す。そして、すぐさま魔神となったウリエルと戦った。ベルゼバブは地獄に封印していたウリエルの光体を解き放ち、D・Sも対光体兵器である竜戦士と融合し、互角の戦いを繰り広げていく。


背徳の掟編 最終節

天使や悪魔達に地上が蹂躙される中、地上に生き残った人類は救世主と呼ばれる人物の下に「汎人類連合」として結集し、悪魔達が地上を意のままにしようとする「反創生計画」に人知れず備えていた。アンスラサクスや天使達との戦いで絶命した戦士達は救世主の手により復活していた。今日の混乱の元凶とも言えるカル=スは、図らずも救世主の預言者として動き、連合の結束を深めていた。


ウリエルとの戦いの最中、D・Sは力を使い果たして消滅しかけるが復活し、ウリエルとの戦いに終止符を打つ。さらにD・Sは体内でアムラエルの霊と肉体を再構成させる事で蘇生させる。ウリエルは妹と束の間の再会を果たした後に、堕天の代償として存在そのものが消滅した。


魔力の刻印篇

時系列は四年前へと戻る。


地獄でポルノ・ディアノと戦うD・Sは、徐々に自分のペースを取り戻していき、逆にポルノ・ディアノを翻弄するようになる。


※ポルノ・ディアノとの戦闘は決着しないまま、長い休載に入っている。


小説版

小説版

岸間信明

本編の50年前を舞台とした連作短編集『魍魎達の鎮魂歌』と続編である長編『悪魔の褥に横たわりて』が1993年にジャンプジェイブックス版で発売。後述のベニー松山版発売に合わせてスーパーダッシュ文庫版が2001年に発売。文庫版では挿絵がカットされた一方でとある挿絵が一部充実化したりしてた。内容的には本編に存在したギャグ要素やコミカル要素を一切排除した陰惨で野蛮なシリアスハード一辺倒にしながらもエロ要素をより濃くした感じである一方、ロクに打ち合わせをしていないらしく本編の矛盾が多いともいう。挿絵は『魍魎~』は陰翳が激しい感じであり、『悪魔の~』では幾分が見やすいものとなっている。


ベニー松山

2001年と2004年発売の『黒い虹』。本編の100年前を舞台に、先代四天王を率いての冒険が描かれていた。2巻まであって以後お察しくださいである。


古橋秀之

ガラが主役の外伝。2012年新書版。2014年に文庫版が販売。


ゲーム

ゲーム

『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』

1994年スーパーファミコン。地上と空中のラインを移動しながら魔法や技を駆使して戦う対戦ゲーム。使用キャラはD・S、四天王、ダイ・アモンの6名。ガードが出来ないなどシステムが独特で、理解の及ばないゲーマーからはクソゲーと評されることも。


『BASTARD!! -虚ろなる神々の器-』

1996年プレイステーション。記憶と力のほとんどを失ったD・Sを主人公に展開されるRPG。本作独自のストーリー展開はノベライズを担当したベニー松山の手によるもの。さらに作者の萩原も監修として参加しており、原作で描かれなかった多数の設定が明かされる点が魅力。

画集「裸」で情報が公開された先代四天王のイーカル・モンローなども登場している。


『BASTARD!! -ONLINE-』

テクモとシャフトが共同開発していたMMORPG。制作段階で開発中止した幻のタイトルである。


2005年7月の制作発表以来、沈黙を続けたが、2007年頃より情報が少しずつ出始める。2008年には一般公募によるコスチュームデザインコンテストが企画され、TGSでの出展などイベントでの露出も増えた矢先、2009年に開発中止となった。

原作に登場するメタ=リカーナ王国や、四天王が率いる各軍団に所属し、軍団同士で戦うゲームだったらしい。


『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』

DeNAがモバゲーで出した基本プレイ無料のソーシャルゲーム。ジャンルはカードRPG。開発はマーベラスAQLが担当した。

2014年6月25日にサービス開始、2015年12月18日にサービス終了と非常に短命なゲームだった。


プレイヤーはD・Sに力を貸す存在として登場し、原作に沿って描かれるクエストを体験するというゲーム。

「自分だけのハーレム宮殿を作る」という要素があるためか女性キャラの実装が多い。また、セクシーなカードイラストが多いせいか18禁となっているが、原作のような過激な性描写はない。

「地獄の鎮魂歌編」以降の天使や悪魔達も多数登場している。


『CR BASTARD!! -暗黒の破壊神-』

2016年4月に導入が開始されたパチスロ。声優陣はOVAから一新され、アニメ演出も新規の物が用意された。

「闇の反逆軍団編」~「地獄の鎮魂歌編」までをベースにしている。

ヨーコたちの様々なセクシーショットが見られたり、時にはコスプレ姿を披露するなど、萌えパチに近い内容。


アニメ

アニメ

OVA版

1992年~1993年に制作された全6巻のOVA。内容は「闇の反逆軍団編」に相当し、アビゲイルを撃退して終了となっている。

話数が少ないためか一部の描写は削減したり改変が加えられている。

ヨーコがスライムに服を溶かされる場面などサービスシーンも丁寧に描いており、一部のマニアに熱狂的に支持された。


Netflix版

連載休止から10年以上もの長い年月が経った2022年2月3日、突然シリーズアニメ化が発表された。

色々と過激な内容を考慮した影響なのか、地上波放送ではなくNetflixでの独占配信という形に。制作はライデンフィルム

2022年6月30日と9月15日より全24話の分割2クールで配信、その後2023年1月10日からTV放送も開始された。

声優陣は一新されている。


そして2023年1月9日の特番にて、第2期「地獄の鎮魂歌編」の制作が決定した。2023年に再びNetflixで配信予定。


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  • Landmine

    マカパインとシェラとイングヴェイの話。モンスターの設定は適当。
  • 曇天の霹靂

    イングヴェイとマカパインの話。 『イングヴェイの屋敷に戦災孤児が養われている』というのは公式設定ですが、その詳細とマカパインの過去については捏造です。罪と罰~背徳の掟編を見るにマカパインにはこれぐらいのポテンシャルがあると思う。
  • 世界滅亡後、旅の一コマ

    カルとネイの話。24巻前後の、旅の一幕。ツンデレネイ書きたくて書いてみました。
  • 戦う理由

    アニメ化の騒ぎに乗じて投稿しました。ヨルグが一番の推しなのでヨルグの話しかありません。 捏造が激しい。当たり前のようにPS版で出された設定で話を書いています。
    18,514文字pixiv小説作品
  • Under the rose

    シェラとザックのお話。ほのぼの。
  • ガラカルまとめ

    大昔に書いたバスタードのガラカル小説を発掘しました。アニメ化おめでとうでござんす。
    29,210文字pixiv小説作品
  • 【腐向け】つかの間の平和と至高王をめぐる小話

    ひたすらカル=スをめでて、大勢でわちゃわちゃしてるだけの話。ギャグです。 箱舟墜落後、救世主(メシア)による復活を経て、箱舟で戦った面々が一時期同じところで暮らしていたというご都合設定。 ラーズ→カル。ほんのりガラ→ネイ。ネイがやたらカルの世話を焼いてますが、あくまで兄妹であり、姉弟の家族関係。 魔戦将軍(←カル様激LOVE)とカイ・ハーン(←ネイ様激LOVE)がかなりおかしな人になっています。 というか、おかしな人しかいない。 非公式設定(原作者の同人誌でのインタビュー)を採用しているので、知りたくない方はご注意。 結論:エロ話よりアホ話の方が書きやすい。
  • ばつをつむ

    シェンは兄者に甘えたい。(11/12/19)
  • 黒い沈黙

    ボルの話。他の魔戦もちょこっと。 こんな感じの魔戦将軍スピンオフみたいな話が永遠に読みたい。

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