注意!
外部リンクとしてピクシブ百科事典へニコニコ大百科のリンクを貼り付ける際は、なるべく日本語URLか、あるいは各記事の「ページ番号」として発行されている短縮URLを使用してください。UTF-8が埋め込まれたリンクをそのまま掲載するとURLが長くなり、他の編集者が把握しづらくなります。
概要
ニコニコ動画やニコニコ生放送のコンテンツにつけられたタグやその他一般用語について解説をするインターネット百科事典である。
略称は「ニコペ(ニコペディアの略)」「ニコ百」「大百科」。pixivでは主に、大百科の掲示板内のお絵カキコ(後述)に投稿されていた絵に対してこのタグが付けられる。
タグが存在しない記事も書くことができる。記事はウィキペディアやはてなキーワードのような真面目な解説ばかりでなく、編集者による感想やユーモアを盛り込んだ記述も混在しており、この点はピクシブ百科事典(ピク百)に性格が近い。
編集者は原則としてプレミアム会員のみ。自分が見聞きしたことや出典を示せない事実(独自研究)を書くと削除対象とされるウィキペディアとは異なり、自らの見聞や評論的な内容なども書けるため、ウィキペディアに書けない記事を補完する役割も兼ね備えている。編集権限がプレミアム会員のみに制限されているためにピク百に比べれば編集合戦は起こりにくいものの、明らかな誤解・煽り的な記載・時代遅れになった記述といった問題のある記事が放置されることにも繋がっている(後述の通り、ニコ百運営は事実と異なった内容の投稿を認めており、そういった「嘘」や「悪ふざけ」もある程度なら許容範囲と考えているようである)。ただし、誹謗中傷など規約違反の記事、ユーザーからの記事削除依頼を受けた記事は運営により削除されることもある。また、有料会員限定のため人手不足になっており2010年代前半で更新が止まっている記事も目立つ。
一般記事のほか、各会員ごとに「ユーザ記事」という自分のみ編集できるページがあり、個人サイトのように用いることが可能。一般記事の編集は原則としてプレミアム会員にしかできないが、自分のユーザ記事、自分の投稿した動画記事、自分の参加コミュニティ記事、商品記事は一般会員も編集することができる。一般会員がニコ百に記事を立てたい場合、ユーザ記事で内容をまとめた上、一般会員記事作成記事編集依頼スレで依頼するのがルール(依頼が通るとは限らない)。
記事には掲示板がついており、ピクシブ百科事典のコメント欄のような記事に対する議論だけではなく、自由に感想を書きコミュニケーションを取ることが出来るため、コミュニティサイトとしての側面も持つ。
掲示板では、テキストでの書き込みのみならず、お絵かき掲示板機能である「お絵カキコ」、MML投稿掲示板機能である「ピコカキコ」が利用できる。グニャラペイントを使ったお絵カキコはニコニコミュニティでもできるが、ピコカキコはニコニコ大百科にしか存在しない。
後に検索機能が充実し、ニコニコ大百科の記事からWikipediaの記事やpixivのタグへ直接リダイレクトできるようになっている。
絵だけでなく音楽も投稿できる掲示板は希有な存在であるためか、ニコ動やニコ生とも異なる独特のコミュニティが形成されている。一方で、動画のタグや生放送との記事の往復しかしておらず、大百科独自の文化に全く触れないユーザーも多い。
初代開発者のグニャラくん★曰くpixivタグにニコニコ大百科へのリンク設置を依頼したが、スルーされていたらしい。
その後ピクシブ百科事典の運用が始まった。
ピクシブ百科事典との文化の違い
内容の違い | ピクシブ百科事典 | ニコニコ大百科 |
---|---|---|
記述用文法 | 軽量マークアップ言語 | HTML (Ver4.01) |
記事作成 | 一般でも可 | プレミアム会員のみ |
記事編集 | 一般でも可 | プレミアム会員のみ |
記事名変更 | 不可(運営のみ) | プレミアム会員は可 |
記事削除 | 不可(運営のみ) | 不可(運営のみ) |
編集内容の保持 | 編集中に消える場合あり | 直前の内容が保持されやすい |
記事の白紙化 | 場合によっては認められる | どのような場合でも認められない |
悪質な記事への対処 | 白紙化・転送記事化 | 「削除しました」という記事にリダイレクト |
ユーザーの編集履歴 | 見ることができない | 直近30件の編集を見ることができる |
リダイレクト | 不可(個別記事からリンクで転送) | 可能 |
リンク | 編集者による手動設定 | 表記が合致すれば自動付加 |
編集傾向 |
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上記のように、ニコニコ大百科はピクシブ百科事典(ピク百)に類似したサービスではあるが、ピク百慣れした執筆者がニコ百の流儀を知らずに編集や新規記事の作成を行うと高確率で誹謗中傷されると思われる。
逆にニコ百慣れした者がピク百に大百科の流儀を押し付けるのも望ましくない。
傾向の違い
ニコ百の場合、ピク百に比べ
1.記事の文章量や関連動画の貼付量がある程度求められる。
2.関連項目を箇条書きにして数を絞る
傾向がある。
まず1.の、文章量が少なめの記事は「立て逃げ」とされて誹謗中傷対象になることが多い。一般会員は書き足したくても書き足せないのが一因であるが、プレミアム会員にも「立て逃げ」批難派は多い。これは、大百科を見ている利用者は、おしなべて知的欲求が強いユーザーが多いからである(相当マニアックなゆっくり解説動画や迷列車で行こうシリーズなどが人気なことからもうかがえるだろう)。よって、情報量の少ない記事は敬遠される傾向にある。
一方でピク百は、詳細を知りたければ先発サービスで知ることができ、一言記事であってもタグ内の最大12件のイラストが自動的に表示されるため、絵を見れば一目瞭然の項目は本文がいい加減でも機能してしまうため、必ずしも詳細な記事は求められない傾向があった(現在ではピク百も立て逃げ非難の風潮が強まっており、編集ガイドでも「記事内に情報が十分に存在しない記事」の投稿を避けるよう呼び掛けている)。
利用規約で「虚偽の内容の情報」の記載が禁止されているピク百に対し、ニコ百は初代開発者が「面白くて迷惑をかけなければOK」、「自分自身の記事をつくれます」、「客観的事実と異なる記述が存在します」などと宣言しており、ピク百では敬遠されがちな自演記事や冗談を交えた記述も多く、打ち消し線や太文字、色文字などで皮肉やジョーク、あるいは黒歴史となっている事柄などを記事に大いに盛り込んでいる。
しかし、多くのユーザーからは個人的な持論の披露、宣伝めいた大言壮語などは全く歓迎されておらず、それを通知する警告バナーも用意されているぐらいである。余談として明らかな冗談を記すならともかくも、あまりにも事実とかけ離れた記述をしたり、対立煽りめいた編集をしたりするユーザーは「問題ユーザー」の烙印を押されしばしば誹謗中傷の対象となる。
立て逃げ記事や偏向した内容の記事を大量に立てることで知られるユーザーが、2020年から22年の「百ッカデミー賞」を連続受賞してしまい、同賞ページの掲示板が荒れるなど、「内容が薄かろうが炎上狙いだろうが嘘記事だろうが、とにかく新規記事を大量に立ててくれれば良い」という運営と、「嘘記事や立て逃げ記事や低品質な記事を乱立する行為」を嫌う多くのニコ百民の考え方には齟齬があることもうかがえる。ニコ百には冗談で埋め尽くされ解説の役割を果たしていないアンサイクロペディアまがいな記事や、悪ノリが酷い記事も多数見受けられ、そういった「クソ記事」を(生)暖かく見守る風潮もあるが、そのような良くも悪くもニコニコらしい記事は年々影を潜めている。
2に関しては、pixivはニコニコ動画よりもタグ把握の重要度が高い。
pixivのタグの編集制限は強力で特に投稿者の付けたタグは強制ロックされるため、荒らされにくい代わりに第三者が表記揺れを直してくれたり、より効果的なタグに付け替えてくれることは期待しにくい。ニコニコではタグが足りない場合海外タグを裏技的に使うことも出来るが、pixivタグはどう転んでも10個しか無い。投稿者・タグ編集者が表記揺れや、「こんなタグもある」というのを知ることは、ピク百の重要な役割であり、本文が簡潔でも関連タグが充実していれば記事としては有用と言える。そのためピク百では「関連項目」として関連タグが大量に張り付けられているページが多い。
「~の一覧」記事
単に関連項目を絞るだけでは不便なので、それを補うため大百科には「~の一覧」という記事が大量にある。(→ニコニコ大百科「一覧の一覧」)
これはピク百にもあるのだが(「一覧記事の一覧」の項目参照)、ピク百の記事には関連タグが大量についていることが多く、これが一覧記事の機能を果たしているので普及していない。一応「記事名だけで一覧記事と判る」メリットはある。反面タグとは結び付けにくい記事になる。ピク百にも言えることだが、一覧厨の存在もあって、新たな一覧作成は歓迎されないこともある。また、ピク百の感覚で大百科の関連項目を増やして一覧記事まがいの内容にしてしまうのは好まれないため、避けたほうがよい。
冒頭に「(項目名)とは、~である」
大百科の多くの単語記事では、記事冒頭に項目名をもう一度書いて、「(項目名)とは~」という出だしで始め、1行で概要を説明し、その文を「である。」で締めている。これは単語記事を新規作成しようとすると編集画面に既にテンプレとして「(項目名)とは、~である。」と記述されているのが原因。
Wikipediaでも項目名をもう一度書くことが多いが、書式はここまで統一されてはいない。はてなキーワードではほとんど見られないようだ。
記事ジャンルと傾向
ピク百、ニコ百の両サイトともゲーム、漫画、アニメなどの記事が充実しているが、ピク百はキャラクターやカップリング、台詞などを独立記事で網羅する傾向が強いのに対し、ニコ百は作品そのものを重視する傾向が強く、歴史や社会的影響なども加味された記事も見受けられる。また、ニコニコは男性ユーザーが相対的に多い(ニコニコ動画の男性比率は7割程度という調査結果もある)ため、ニコ百も男性向けコンテンツが強い。また動画投稿に関わりの深いコンテンツが強い傾向にある。
ゲーム、スポーツ・スポーツ選手(特に野球とサッカー。ゴルフなど弱いジャンルもある)をはじめ、地理、歴史(歴史上の人物を含む)、鉄道や飛行機、道路、軍事、コンピューター(プログラム言語なども含む)などの分野に関して特に強く、内容がやたらと充実している記事が多くある。とりわけ将棋、囲碁や麻雀などのテーブルゲーム関連は独自の強みを持ち、かなりマイナーなゲームでも記事があったりする。かつてニコニコは将棋を有力コンテンツとしていた時代があり、将棋については抜群に詳しかったが、プレミアム会員の減少と将棋コンテンツの事実上撤退に伴い情報が古くなっている項目も多い。
動画投稿サイトの性格上、演奏や歌唱を自在にアップロードできる音楽、楽器などの記事はピク百より充実している(プロの歌手やアーティスト、ノンプロの歌い手関連の記事も多い)。またレシピや料理の腕前を披露できる料理や食品、食材系の記事も相応に充実しており、食文化の解説に重きを置いたピク百に対し、ニコ百には作り手目線で解説した切り口のもの、また食材も第一次産品(農産品、水産品など)として捉えたものが多数見受けられる。動画で撮影することが多い動物、特に哺乳類に関してもニコ百はかなり充実しており、鳥類、昆虫類、魚類などの記事も多い(ピク百にも多いが、ニコ百は愛玩生物の視点の記事も多数見られる)。
一方で、pixivの豊富なイラストが使える、ピク百の真骨頂とも言える分野に関してはピク百に大きく軍配が上がる。イラスト/絵画・写真・模型・フィギュアなどのビジュアルアート関連はその代表といえる(ただし、視覚芸術であってもアニメや漫画や映画・浮世絵・落語など観賞メインのコンテンツはニコ百も充実している分野もある)。女性向けに強みを持つコンテンツである衣服・髪型・アクセサリー・靴・鞄などのファッション関連、そして草花、樹木などの植物関連といったジャンルもピク百は充実している一方で、ニコ百は記事が極めて少ない(いずれもあまり動画の対象となりづらい理由もある)。また、pixivは自作小説を投稿できるため、文学のジャンルや文学作品、小説家、それに付随する人格や心理などの記事もピク百の方が充実している(ニコ百はSF小説、推理小説関連の記事はやたら充実している一方で文学作品に弱いなど、分野に偏りが見られる)。
こじつけネタ
連想ゲーム感覚で記事の本題と関係の薄いネタをねじ込む繋がり荒らしに関しては、ピク百では特撮オタクによるこじつけがあふれているのに対し、ニコ百には淫夢ネタを所構わず披露したがるユーザーが目立ち、一般ユーザーの怒りを買うことが多かった。さらに淫夢厨は反応を面白がったためますます活発になり、ニコ百は淫夢ネタで溢れた。
また、かつてのニコニコ動画はネット右翼の巣窟というイメージがあり、大百科にも特定アジアとは関係のない記事に韓国への悪口や当てこすりが書き連ねてあったりしたが、現在ではその多くが削除されているか、穏当な記述に直されている。
絵の貼り替え
ニコ百の記事本文や掲示板には「お絵カキコ」で描いた絵を貼ることが出来るが、新規のお絵カキコが来た場合など、本文の絵は割と貼り替えられることが多い。
ピク百の場合一度貼られた絵を剥がしたり差し替えたりしづらい雰囲気もあるので、記事の鮮度を保つ意味では恵まれているとも言える。
掲示板について
掲示板のユーザ名は2ちゃんねるのようなID制だが、IDは同じアカウントならば日付を跨いでも変わることはない。掲示板への書き込みは一般会員でも可能なため、記事内の誤りを指摘したり、自分の考えた編集案を提示することでプレミアム会員による編集を期待する書き込みも多い。
ただし、掲示板に無関係な内容が書きこまれたり、論争がヒートアップすることもままあり、その場合書き込みが削除されたり、書き込みの権限がプレミアム会員のみに制限されたりする場合もある。問題があると感じた書き込みについてはユーザーが理由を添えて削除依頼掲示板に依頼を出すと削除されるが、依頼を受けた運営はほぼ無条件で(内容を吟味することなく)削除してしまうため、削除だらけで焼け野原状態になっている掲示板もある。また誤って依頼されたレス番号以外の書き込みを削除してしまうこともあり、誤りを指摘すると改めて依頼が出された書き込みが削除されるが、いったん消された書き込みが復活することはない。
2023年1月18日には、掲示板のレスポンスへの評価を可視化するレス評価機能が追加されたが、この仕様には賛否両論がある。