ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

ゴジラ-1.0の編集履歴

2024-03-07 20:37:40 バージョン

ゴジラ-1.0

ごじらまいなすわん

ゴジラシリーズ第30作。2023年11月3日公開。

戦後、日本。

無(ゼロ)から負(マイナス)へ。


生きて、抗え。




本記事には、一部ネタバレを含みます。

概要

ゴジラシリーズの実写映画第30作。ゴジラ生誕70周年記念作品。2023年11月3日に公開。IMAX4DXMX4D版も同日公開。


総監督・脚本・VFXは山崎貴。制作は株式会社ロボットが手掛ける。


正式に発表されたのは2022年11月3日だが、それより前から株式会社ロボットのホームページ上(リンク)で、山崎氏が東宝の「超大作怪獣映画」に関わっていることが仄めかされていた。東宝制作の怪獣映画で、なおかつ“超大作”と付けられて大々的に取り上げられるほどの作品といえばゴジラシリーズ以外にまずあり得ないだろうという見方は多く、この時から「ゴジラの最新作の監督は山崎氏になるのではないか?」という予想が一部で噂されていた。

山崎G

発表時点では、アルファベットG(ゴジラのシルエットに近づけたタイポグラフィー)の書かれたティザーイラストのみが公開されていたが、2023年7月12日に正式タイトルと特報映像が発表され、同時に2023年12月1日に北米での公開も決定した。


正式タイトルとなる「ゴジラ-1.0」について山崎氏は、「何もかもを失った戦後日本。そこに追い打ちをかけるような、かつてない絶望を与える存在を描く。そんな意味も込めて『ゴジラ-1.0』というタイトルは生まれました」と語っている。

そのほか、「一番大きいのは、戦後でゼロ状態になっている日本に、さらにゴジラがやってきてさらに悪化するというか、悲惨な状況になっている状況で、人々がどう立ち上がるのかという意味もあります。初代のゴジラよりもさらに前の時代なので、そういう意味での“マイナスワン”もあります。助走のための“マイナスワン”でもありますし、あるいは何かを失う“マイナスワン”でもあります。いろんな意味を感じていただければ」とのこと。


株式会社ロボットのホームページに掲載されていたエキストラの募集ページでは、本作の時代設定を194547年としており、この時代設定は映画本編でもそのまま適用されているため、1950年代を舞台とした第1作『ゴジラ』よりもさらに古い時代を舞台とした作品ということになる。


11月8日には監督自ら執筆した小説版が発売。

あらすじは映画と同一だが、細かい補完や映画とは異なるセリフなどが描かれている。


2024年1月12日からは、モノクロゴジラ-1.0/C(ゴジラマイナスワン/マイナスカラー)が公開。


あらすじ

太平洋戦争末期の1945年大戸島の守備隊基地に一機の戦闘機が着陸した。特攻隊に任命されていた操縦士の敷島浩一は、機体が故障したとして橘宗作ら整備兵たちに修理を依頼するが、整備を行った橘は「機体に異常はなかった」と敷島に伝える。命令に背いて逃げてきたことを見透かされた敷島は後ろめたい様子でただ一人、休憩を取りに海の方へ歩いて行った。そこで彼は、海面上に多数の深海魚が浮いている異常な光景を目撃する。

その夜、何処からともなく不気味な咆哮が響き渡り突如として恐竜のような巨大な生物が現れ、基地を襲い始めた。整備兵の一人があれは大戸島に伝わる「呉爾羅(ゴジラ)」ではないかとおびえる中、橘は敷島に戦闘機の機関銃で相手を攻撃するよう依頼する。しかし、整備兵たちを蹂躙する怪物を前にして怯え切った敷島は攻撃することが出来ず、結果として敷島と橘を除いて守備隊基地は全滅してしまう。


終戦後、復員した敷島は闇市でのトラブルに巻き込まれた事がきっかけで大石典子とその連れ子である明子と半同棲状態になる。2人を養う必要に迫られた彼は儲かる仕事として戦時中に日米双方が近海にばら撒いた機雷を除去する作業に就き、機雷回収船「新生丸」の乗組員である秋津淸治野田健治水島四郎と親交を結ぶ。時折心の深い傷に苦しめられながらも、敷島は新しい生活の中で徐々に立ち直ろうとしていた。


1946年7月アメリカビキニ環礁において核実験クロスロード作戦」を実行。その数か月後、アメリカ海軍太平洋艦隊の潜水艦駆逐艦などが何かに襲われ大破する謎の海難事件が相次ぐようになる。やがてそれを引き起こしているのが謎の巨大生物であることが判明し、アメリカ政府(GHQ)はその存在と巨大生物が日本列島に接近しているという通達を日本に送る。

1947年5月。破壊されたアメリカ軍の艦艇の調査に向かった新生丸。そこで敷島らの前に艦艇を襲った巨大生物がその姿を現した。


それは、敷島が大戸島で目撃した時から更に巨大な姿となった、あのゴジラであった。


キャスト


登場兵器(ネタバレにつき閲覧注意!)










※その他

この他にも、民間船ながら機雷除去作業のために上記の九三式十三粍機銃を搭載した「新生丸」とその同型船の「海進丸」、初実写化された測天型敷設特務艇などの敷設艦、艇級不明の駆潜艇、終盤の作戦にて水島の図らいで参戦した多数の民間人所有のタグボートなどの他、アメリカ海軍並びにGHQなど進駐軍側からも、磁気機雷とバラオ級潜水艦のタング(SS-306)、架空と思しき米駆逐艦「ランカスター」などをはじめとした数隻の軍艦やトラックなどの車両が登場したが、後者の軍艦群は映像・音声記録や通信のみの登場に留まり、その悉くがゴジラによって大破させられたことが語られた。なお、序盤のとあるシーンで零戦五二型に搭載された九九式二〇ミリ機銃を発砲しようとしたシーンが存在したが、未遂に終わっている。


スタッフ

監督・脚本・VFX山崎貴
製作市川南
プロデュース岸田一晃
音楽佐藤直紀
製作プロダクションTOHOスタジオ株式会社ロボット
製作・配給東宝

興行収入・観客動員

国内

公開初日で前作『シン・ゴジラ』対比265%、公開3日間で興行収入10億円突破を記録しており、『シン・ゴジラ』を上回るロケットスタートを切った。

その後、公開約2週間で20億円突破を果たし、週末観客動員ランキング3週連続1位という快挙を成し遂げている。


公開4週目には2位にワンランクダウンしたが、公開31日目には観客動員数248万人&興行収入38.2億円突破を果たした。物価変動などで単純比較はできないが、これによりミレニアムシリーズ最大の動員数240万人を誇る『ゴジラ・モスラ・キングギドラ大怪獣総攻撃』(GMK)を興行収入(27.1億円)、動員数で共に上回る快挙を為した。


2024年に入っても粘り強い興行を続け、公開から10週以上が経過しても週末観客動員ランキングのトップ10に入り続けている。


公開94日目に興行収入57.3億円を突破、『キングダム(1作目)』を上回り、令和以降公開の実写邦画歴代1位の座を獲得した。


その後の記録

  • 12月21日までの49日間:観客動員数293万人、興収45.1億円突破。
  • 12月24日までの52日間:観客動員数300万人、興収46.1億円突破。
  • 翌年1月3日までの62日間:観客動員数326万人、興収50.1億円突破。
  • 1月11日までの70日間:観客動員数339万人、興収52.1億円突破。
  • 1月21日までの80日間:観客動員数354万人、興行収入54.5億円突破。
  • 1月28日までの87日間:観客動員363万人、興行収入55.9億円突破。
  • 2月4日までの94日間:観客動員372万人、興行収入57.3億円突破。
  • 2月18日までの108日間:観客動員385万人、興行収入59.1億円突破。
  • 2月25日までの115日間:観客動員389万人、興行収入59.7億円突破。
  • 3月3日までの122日間:観客動員392万人、興行収入60.1億円突破。

海外

  • 北米:12月1日から始まった北米公開では、実写邦画史上最大規模となる2000館超で公開され、週末3日間のOP興収で約1100万ドル全米の週末興収ランキングで3位にランクインという好成績を記録している。
    • 公開当初は短期間の限定上映の予定であったが、現地での好評を受けて上映期間が延長、公開館数も2500館まで拡大され、そして現地時間12月5日、全米における累計興収が1436万ドルを突破。これにより北米で1989年に公開された『子猫物語』の興収約1329万ドルを塗り替え、34年ぶりに全米での歴代邦画実写作品興収No.1を達成した。
    • さらに12月10日までの公開10日間での累計で興収約2500万ドルを突破。2023年に北米で公開された外国映画ランキング1位を達成した。
    • 1月10日には、41日間で興行収入4974万ドルを記録。なんと『劇場版鬼滅の刃 無限列車編』を抜き、北米におけるアニメ映画含む日本映画の興行収入で歴代2位となった(歴代1位は『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』が記録した8574万ドル)。これにより北米における外国映画の興行収入において歴代トップ10入りを果たした。
    • 1月29日には興行収入5500万ドルを突破。『パラサイト半地下の家族』『HERO(2002年)』を抜き、北米公開のアジア単独制作の実写映画として歴代1位となった。北米公開の外国語実写映画としては歴代3位となる。
    • 2月1日をもって上映を終了。最終的な興行収入は5641万ドルとなった。
    • 流石にモンスターバースシリーズの『GODZILLA-ゴジラ-』(北米興収約2億ドル)や『GODZILLAvsKONG』(北米興収約1億ドル)等には及ばなかったものの、国産ゴジラどころか実写邦画として見ても前例のない記録を残した。
  • メキシコ:1月19日時点で100万人以上の動員を記録。メキシコで公開された日本実写映画の歴代記録を塗り替えて1位となった。
  • 英国アイルランド:12月15日に公開され、週末で興収約81万ポンドを記録。英国・アイルランドにおける邦画実写の歴代興収1位となった。これまでの記録を初週で塗り替えた形となる。
  • フランス:12月1日からたった2日という超短期間で公開されたが、1月17日より2週間の再上映が行われた。フランス国内のデイリーランキングにてトップ5に日々ランクインする好調なスタートを切っている。

全世界

ボックス・オフィス・モジョ調べによると、12月18日時点で全世界興行収入(日本含む)は6400万ドルを突破。日本円換算で約91億円である。


  • 12月22日:全世界興行収入100億円突破。
  • 1月11日:全世界興行収入140億円突破。前作『シン・ゴジラ』の世界興収を上回った。
  • 1月23日:全世界興行収入1億ドル突破。

公開後の反応

評価

本作は海外を中心に非常に高い評価を受けており、北米興収が国内興収を上回っていることからもそれが窺える。海外のレビューサイトRotten Tomatoesでは2500件以上の一般レビュー、150件を超える批評家レビューにおいて共に98%という非常に高い評価を維持している。

受賞

多くの映画賞で受賞・ノミネートを受けており、日本以上に北米で多くの賞を受けていることが特徴。北米では視覚効果面での受賞が多く、本作のVFX技術がハリウッドの大作と比べても見劣りしないことを示す結果となっている。

国内

海外

  • 第96回アカデミー賞視覚効果賞のショートリスト(ノミネート最終候補10作品)に選出、2024年1月23日にノミネート作品が発表され、視覚効果賞にノミネートされた。邦画が同賞にノミネートされるのは史上初。授賞式は3月10日に予定されており、仮に受賞した場合、日本映画としてはもちろん、アジア映画としても初の快挙となる。

余談

  • 本作公開日の11月3日とは、言うだけ野暮かもしれないが、1954年の第一作目『ゴジラ』の公開日でもある
    • また同時にこの日はゴジラ・フェス2023にて『ゴジラVSメガロ』および『オペレーションジェットジャガー』が公開された日でもあるため、人によっては「マイナスワン→VSメガロ→ジェットジャガー」という怒涛のスケジュールを楽しんだ者もおり、フェス参加者の2/3は既に観た事がトークイベント中に判明している。
  • ゴジラによる破壊・人への直接的被害のシーンは『ガメラ3』を参考にしているとされている(参照)。
  • 平成作品ではゴジラ登場や進撃する際に使われることの多かった「ゴジラのテーマ」だが、本作では第一作目同様にゴジラに立ち向かう人間側のテーマとして使用されており、『キングコング対ゴジラ』のテーマ曲(アレンジ版)や『モスラ対ゴジラ』のタイトルテーマが流される。
  • 総監督である山崎氏はゴジラシリーズの大ファンとしても有名で、『ALWAYS続・三丁目の夕日』でもゴジラの登場シーンを演出し、西武園ゆうえんちの『ゴジラ・ザ・ライド』の映像も担当しているなどかなりゴジラに縁のある人でもあり、両作の完成度の高さを知るファンからは「今までにないゴジラをVFXで見せてくれるのでは」という期待の声が上がっている。山崎氏自身も「劇場で『観る』のではなく、『体験』するにふさわしい作品になったと思います。ぜひ最恐のゴジラを最高の環境で体感していただきたいと思います」と『ライド』を意識したかのようなコメントをしており、同時に「僕が今まで作ってきた映画集大成になっていると思います」と自信を覗かせた。
    • ちなみに、山崎監督曰く「制作費は10億円以上」とのこと。1500万ドル以上(≒22億円前後)だとする海外記事もあるが、監督曰く「そんなにあったらねぇ」とのことから、少なくとも10億~22億円の間のようである。15億円程度とも言われている。
  • かつてのインタビューでは「もし自分がゴジラを作るとしたらと考えたことがあって、それには昭和は切り離せないと考えた」と語っており、有言実行したこととなる。
    • 山崎氏曰く時代設定を1945年~47年にした最大の理由は重巡洋艦高雄」を出したかったかららしく、史実との整合性を考えた際に違和感なく当てはまる時代がここしか無かったと語っている。
  • また『シン・ゴジラ』が上映された際にコメントを求められた山崎氏は「次やる人のハードルはとんでもなく上がってしまいましたね」と発言しており、まさか本当に自分が監督をやるとは思っていなかっただろうから、見事なフラグ回収である。
    • なお、本作は国内興収こそ『シン・ゴジラ』に及ばないものの、世界興収では上回っている他、映画界最高の栄誉の一つであるアカデミー賞へのノミネートという偉業を成し遂げており、フラグを回収したどころか次の監督のハードルがさらに大きく上がったのは間違いないだろう。
  • 公式Twitterでは「目撃情報」として2016年の『シン・ゴジラ』から徐々に作品を遡って紹介するカウントダウン企画を行っていたため、『初代ゴジラ』を紹介した次の日がXデーではないかと噂されていた。そして迎えた2023年7月11日に正式タイトル・トレーラーの発表日時に関する「予告の予告」が行われ、翌日午前4時に満を持してのお披露目となった。
    • 本作の余波によるものか、公式情報の公開以降Twitter上では『シン・ゴジラ』が小刻みにトレンド入りする現象も。
  • 主演を務める神木とヒロインを務める浜辺は同年放送のNHK連続テレビ小説らんまん』でも共演している。なお、オファー及び撮影は本作の方が先であり、神木は『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』に、浜辺は『シン・仮面ライダー』とどちらもシンシリーズ出演している
  • 山崎貴セレクション ゴジラ上映会」にて、山崎貴氏は本作を「『ゴジラ・モスラ・キングギドラ大怪獣総攻撃』(GMK)の影響下にある」と言及しており、実際に作中ではGMKを思わせるような要素も多い。だが、シナリオを製作していた当時の山崎貴氏はGMKの内容をだいぶ忘れており、まるで自分で考えたかのように『-1.0』のシナリオを書いた所、意図せずGMKに似たシナリオになってしまったとの事。
  • 本作の劇場公開期間中に、日本国内のシネコンでは本作の予告をパロった『エクスペンダブルズ4:ニューブラッド』の予告が流れた。
  • 今作をはじめ、数多くの山崎貴作品のプロデュースを担当した株式会社ロボット創業者・顧問の阿部秀司氏は2023年12月11日に死去したため、今作が遺作となった。
    • モノクロ版『-1.0/C』ではエンドクレジットに阿部氏への献辞が追加されている。

関連映像

特報映像


予告


関連タグ

ゴジラシリーズ 令和ゴジラ ゴジラ


ゴジラ2023

東宝特撮

山崎貴


ゴジラ-1.0/C


初代ゴジラ:全てのゴジラ作品の原点であり第一作目。本作をオマージュやリスペクトをしているポイントが数多く存在している。太平洋の架空の島・大戸島鉄道を咥えたり日本劇場を破壊したりするゴジラといった点が共通する。


ゴジラVSキングギドラ:本作と同じくゴジラの前身とされる架空の恐竜が登場する平成VSシリーズ作品。


ガメラ3 邪神覚醒ゴジラ・モスラ・キングギドラ大怪獣総攻撃:山崎貴監督に影響を与えたとされる金子修介監督作品。後者は初代ゴジラとの関係性があり、本作においても人類側は超兵器は使わず比較的現実に即した兵装でゴジラに挑んでいる。


シン・ゴジラ:初代ゴジラとは違ったアプローチの作品。こちらはもし現代にゴジラが現れたら...という観点で物語が進む作品。瓦礫や民間人等が被災及び亡くなるといった直接的シーンが本作にも存在している。


ゴジラVSメガロフェス・ゴジラ4 オペレーション ジェットジャガー:本作と同日に公開されたゴジラ・フェス2023の短編作品。


シン・ゴジラゴジラ−1.0


外部リンク

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました