概要
恐らく、日本において最も知られている千夜一夜物語(アラビアン・ナイト)の物語の一つ。中でも、魔法の扉を開ける「開けゴマ」の呪文はこの話を読んだことが無いであろう人にも通じる程広く浸透している。しかし、アラビア語の原典が存在していないとも言われる。
あらすじ
貧しいながらもまじめに働く男アリババは、ある日、山まで出かけた際に40人の盗賊団が宝を魔法の洞窟に隠しているのを目撃する。「開けゴマ」、「閉じろゴマ」の呪文で開閉するその魔法の洞窟の奥には盗賊団の隠した莫大な財宝があり、アリババはそこから一部を持ち帰り、それを元手に大金持ちとなる。
以前より金持ちだった兄のカシムにもその秘密を話したが、カシムは欲に身を任せた結果、盗賊に見つかり惨殺される。アリババはカシムの遺体を発見し、持ち帰るもその事から盗賊の頭領にカシム以外に秘密を知る人間がいる事を勘付かれてしまい、命を狙われる。
幾度と無く差し向けられる刺客をアリババの元に居た聡明な女奴隷モルジアナが上手くあしらったため、頭領自らが素性を隠し、アリババを狙ってやってくる。
しかし、ひょんなことから盗賊の頭領である事はバレてしまい、隠れ潜んでいた盗賊団の面々はモルジアナによって皆殺しにされ、頭領も隙を突かれてモルジアナに刺殺される。
アリババはこれらの功績からモルジアナを奴隷から開放し、息子の妻とした。そして盗賊団の宝を国中の貧しい民に分け与え、アリババの一族は繁栄した。
最近では
この話に登場する人物を元にした「マギ」に登場するアリババ・サルージャとモルジアナが今ではメジャーだろう。キャラ的にもアリババが一攫千金をしていたり、モルジアナが最初は女奴隷であったり、盗賊団がモルジアナ無双にあったりと共通する点が見られる。
詳しくはそれぞれの該当記事を参照。
余談
「開けゴマ」はあのセサミストリートの名前の由来にもなっている。(開けゴマの呪文は英語でも「open sesame」である)「この呪文のように子どもたちが新しい道、知識への扉を開ける様に」との願いが込められたネーミングとのこと。