概要
1997年にニジェールで発掘されたスコミムスは、吻部がワニに似ていることから名前は「ワニを模倣する者」を意味する。
全長11メートルと当時のアフリカでは最大級の肉食恐竜だったが、恐らく魚を主に食べていたと考えられる。
最大の特徴はその細長い頭部で、顎には百本ほどの歯が並んでいて、わずかに後方に湾曲していた。また、近縁のスピノサウルスほどではないが、スコミムスの脊椎の刺突起もやや長く伸びていた。
同じ時代のニジェールにはエオカルカリアやクリプトプスなどの獣脚類が生息していたが、前述のようにスコミムスは魚や水棲動物を捕食することで彼らとの競合を避けていたと考えられる。
また一部の古生物学者は、イギリス産のバリオニクスと似ていることから、スコミムスはバリオニクスの一種だと考えている(実際、同時期のイギリスに棲息した鳥脚類「ヴァルドサウルス」はニジェールでも化石が見つかっている)。