乙一
おついち
概要
代表作として「夏と花火と私の死体」、「GOTH」、「暗いところで待ち合わせ」など。
1996年、「夏と花火と私の死体」で第6回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞し、17歳でデビュー。
執筆時は16歳であり、デビュー当時は若き異才として注目された。その後も学生生活の傍らで作家活動を続け、現在に至る。
当初はライトノベル作家として活動していたが、『GOTH』で本格ミステリ大賞を受賞して以降は一般小説での活動へとシフトしていった。
小説以外でのメディア展開されている作品も多く、「ZOO」、「きみにしか聞こえない」、「傷 -KIZ/KIDS-」、「死にぞこないの青」、「GOTH」は映画化、漫画化の両方がなされている他、栗山千明による朗読作品『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』や写真家新津保建秀とのコラボ『GOTH モリノヨル』など、一般的な小説の枠に留まらないメディアミックス作品も見られる。
作風
悪趣味ですらある陰惨な残虐描写・恐怖描写と、簡潔ながらも無駄のない繊細な筆致による人間の内面描写という相反する要素が同居した特異な作風を持ち、乙一作品に対する感想は「グロい」と「切ない」の両極に別れる。
乙一自身は「狙ってものを書く事が出来ない作家」と自己評価しており、雑誌企画で「切ないものを書いてほしい」と指定を受けた際は酷く悩んだという。
ユーモラスな後書きを書く事でも知られ、書籍化されたブログなどは普段の作風とは打って変わって抱腹絶倒の代物となっており、その方向でのファンもいる。
人物
学生時代から『スレイヤーズ』『ロードス島戦記』などライトノベルのファンであり、また出身がライトノベル作家だっただけあってライトノベルに対して強い思い入れがあるようで、ライトノベル作家時代の短編をハードカバーで新装した『失はれる物語』の後書きでは「一般小説よりも程度が低いとされるライトノベルのイメージを覆せず、ライトノベルのままでは手に取ってくれない客層がいるというのは、作家としてある種の敗北(要約)」とまで語っている。
趣味は映画観賞。ジブリ映画のファンである事を公言している他、作中でも映画のパロディ(例としては映画「Calling you」からタイトルを拝借したり、短編『BLUE』に「グレムリン」と思しき生物が登場したりなど)や、アイデアの換骨奪胎(「ジョニーは戦場へ行った」からの『失われる物語』など)が多く見受けられる。
大学時代から自主映画の制作も行なっており、本名名義で映像作品の脚本制作も手掛けている。
DDRの愛好家で、DDRのおかげでかつては85キロもあった体重も現在は65キロ前後まで落としたという。