愛知県名古屋市に本社を置く名古屋鉄道は昔から特急列車を盛んに運行しており、最盛期には特急の設定がない路線のほうが珍しいというレベルだった。
今では支線区の特急はほとんど廃止されてしまったが、一部の路線では朝や夜の限られた時間帯に運行されている。
特徴
名鉄特急の特徴に特別車と一般車を併結した一部特別車列車という形態の特急を盛んに運行している事がある。
特別車は他の私鉄有料特急と同じようにリクライニングシート、便洗面所を備え、座席指定制。乗車には特別料金が必要である。
一方の一般車は転換クロスシート、あるいはロングシートで座席指定制ではない。特別料金不要で乗車券のみで乗車できる。
種類
中部国際空港と名古屋・岐阜・犬山などを結ぶ最速達列車ミュースカイ、主に名古屋本線、犬山線で運行される快速特急、オーソドックスな特急の3種類がある。
各系統の状況
現在運行されている系統は
- 本線系統
- 豊橋犬山系統
- 空港系統
- 知多半島系統
- その他支線系統
が主である。
以下に各系統の詳細を記す
本線系統
名古屋本線豊橋・名鉄岐阜間を結ぶ名鉄特急の元祖とも言える系統。基本的に豊橋から岐阜へ向かう列車を特急、岐阜から豊橋へ向かう列車を快速特急として運行している。
両者の停車駅の違いは快速特急は国府と新安城を通過し、特急は両駅に停車するだけ。
平日の朝に豊川線豊川稲荷始発岐阜行きの快速特急と特急が1本ずつ設定されており、前者は名鉄一の変態停車駅と言っても差し支えないような列車である。(詳細は豊川線の記事を参照。)
豊橋犬山系統
名古屋本線豊橋から犬山線新鵜沼までを結ぶ系統で2008年12月に誕生した。基本的に豊橋から新鵜沼へ向かう列車を快速特急、その逆を特急として運行している。両者の犬山線内の停車駅は同一である。
休日の朝に3本広見線新可児発豊橋行きの特急が運行されており、広見線内は6両、犬山から終点豊橋までは8両で運行される。
空港系統(ミュースカイ)
空港線中部国際空港と名鉄名古屋、新鵜沼、名鉄岐阜を結ぶ系統。専用種別ミュースカイとして運行され2000系が限定運用される。
原則として神宮前を出ると空港までノンストップ、名古屋本線、犬山線内でも一部の特急停車駅を通過する。
利用者が少ないという理由で日中の岐阜行きミュースカイは名古屋止まりに変更されている。朝夕のラッシュ時には名鉄岐阜まで延長運転される。
夕方の空港発の列車の内、犬山線直通列車は新鵜沼行きと広見線新可児行きを併結して犬山まで運転し、犬山で両者を切り離す。
空港行きの列車にはわずかながら広見線新可児発や各務原線三柿野発の列車もある。
空港系統(特急)
中部国際空港と名鉄岐阜を結ぶ系統。こちらは一部特別車で運行される。2005年の運行開始時は豊橋発着の列車もあったが利用者の少なさから2011年に廃止された。
車両は基本的に2200系または1700系が使用されるが、代走として1000系パノラマSuperが入ることもある。
知多半島系統
名鉄名古屋と河和・内海を結ぶ系統。平日の日中は全車一般車で運行される。途中河和線の富貴までは30分に1本、富貴から先、内海、河和へは1時間に1本ずつである。
平日の夕方のみ名鉄名古屋から先、津島線、尾西線へ直通し佐屋まで延長運転される。
その他支線区特急
現在運行されているのは名古屋西尾系統のみで、平日朝は須ケ口行き(休日は名古屋止まり)、夜は西尾行きが運行されている。