江戸幕府の八代将軍。紀伊徳川家の出身。幕府中興の祖とも言われるほど、名君と称えられる。
危機に瀕した幕府財政を質素倹約で立直し、大岡忠相を起用した社会政策、飢饉対策など多くの課題に取り組み成功させた。江戸の美化・緑化や行楽地の整備に意を払い、殺風景だった江戸の町を緑したたる美しい街に変えたのも吉宗の功績である。
ただし最大の課題であった米価の安定は不調に終わり米将軍と揶揄される結果に終わっている。
これは、商業資本が発展し、初期資本主義への過渡期を迎えていたこの時代に吉宗の重農主義的な政策が適合しなかったためである。後の田沼意次は、この反省から重商主義の政策をとり、相場経済を味方につけようと模索していた。