「(ユーザー)必滅の呼び声」とは、PSO2において2012年10月10日に行われた第一弾大型アップデートの後半内容、「必滅の呼び声」をユーザーが皮肉をこめてつけた呼称である。
アップデート概要
・クラスレベル上限を50まで開放
・サブクラスの導入
・既存スキルツリーに新スキルを追加します。
・新フォトンアーツ・新テクニックの追加
・レアエネミーの追加
・VH(ベリーハード)クエストの追加
・新インタラプトイベントの追加
・新クライアントオーダーの追加
・新デイリーオーダーの追加
・新アイテムの追加
・レアリティ★10アイテム、Lv11以上のフォトンアーツ&テクニックのディスクの追加
・クエストシステム仕様変更の追加
・キャラクタークリエイト仕様変更
・NPCショップ調整
・武器属性値調整
・ドロップ調整
・クライアントオーダー調整
などなど、内容はさておいて、かなりの大規模なアップデートであった。
実際のユーザー側の評価は…
・クラスレベル上限を50まで開放
開放クエストがアイテム収集(90x3種類の270個)という内容かつ、41から必要経験値が280万、とあるところで解ったことだが、49→50までに4800万という膨大な経験値が必要と発覚し、それにともなって取得経験値が増えるどころか、据置だったためユーザーの大半が落胆した。
(想像以上にここまでのレベルアップ速度が速すぎたためにそれを抑制するためだったのだが、締め付けをやり過ぎてしまったらしい。)
10月10日付けNext経験値テーブル
Next経験値
40→41 91420
41→42 2834000
42→43 3627520
43→44 4643230
44→45 5943320
45→46 17829990
46→47 22822380
47→48 29212650
48→49 37392170
49→50 47862000
・既存スキルツリーに新スキルを追加します。
既存スキルツリーにテコ入れが入ったにもかかわらず、スキルツリー(ポイント制で振分け)がリセットされないため、新たにスキルツリーを構築する場合は「有料アイテム」購入して対処せざる得ない形でユーザー側から不満が高まる。
・VH(ベリーハード)クエストの追加
VHにいくにはLv41という制限が加わったのだが、一部のフリーフィールドはLv42以降という制限が入った。40→41は約9万台に対して41→42に280万台というとんでもなく高い仕様で、いったいいついけるのか解らないという状況であった。
・NPCショップ調整
NPCへの売却価格が軒並み1/5~1/6という価格帯へ変更(例:1000メセタ→200メセタ)。にもかかわらずNPCから購入する消費アイテム(回復アイテムなど)の価格は据置のため、フィールドで拾ったアイテムをNPCに売却してNPCから薬品などのアイテムを購入という形が行いにくくなった。(マイショップの値段が高騰しすぎないようにするためでもあったのだが、なぜか出荷額の最低ラインも当時から13年9月現在も未だ据え置きのため、逆に強化などに必要なメセタを稼ぐべくアイテムを高額で販売するユーザーが増え、レアアイテムやスクラッチ(一般的なソーシャルゲームで言う「ガチャ」。主に衣装やサポートアイテムが出る)景品の1部が大幅に高騰した。後にメイト系などは値下げがされ、ドゥドゥの店での強化費用なども値下げされた。)
・ドロップ調整
ボスのドロップ率(特にメセタ関連)を調整となったが、通常のボスが5~6メセタ程度から8~9メセタにややアップしただけだった。ぶっちゃけ金を稼ぐだけなら何度もボスに挑むよりマルチエリアを延々回ってコンテナを破壊するほうが楽である。
などなど、代表的な大きい物のほかにもイロイロあり、枚挙に遑(いとま)がない。
とにかくアップデート前から告知されていた内容とそれ以外が、蓋をあけたらとんでもなくぶっとんだユーザーへの締め付け内容だったため、必滅の呼び声はユーザーが発していると、皮肉をこめて「(ユーザー)必滅の呼び声」と称す形となった。
その後の経緯
2012年10月11日に、これらの内容の苦情が大量に入ったために同年同月12日に異例となる修正アップデートを行う事が告知された。同日告知でNPC販売価格も後日下げるというという公表も行われた。
・実際に行われた内容は…
経験値テーブルの見直し(約1/10程度)だけであり、その他は据え置きであったため、多少は緩和された形にみえるが、一般からみたら相変わらず高く締め付けは続く形となった。
参考:10月12日付け 修正後Next経験値テーブル
Next経験値
40→41 91420
41→42 283860
42→43 480000
43→44 690000
44→45 950000
45→46 2000000
46→47 3500000
47→48 5300000
48→49 7400000
49→50 9700000
※まだきつ過ぎると要望が多数入ったために11月にもう一度テーブル修正が行われた。
そして2013/09/04。 ~追憶のHDD事件~
PC版のアップデートにより、「PC上のデータが削除され、最悪起動できなくなる」という
致命的な不具合が発覚した。(Vita版は全く問題なし)
PSO2のアップデートデータをインストールした際、
当時制作中だったデータ削除プログラムが不完全なまま誤って先行アップデートパッチに混入し、本来ならアップデート後に不要になるアップデートデータの一時ファイルだけを削除するはずが、誤作動によりPSO2がインストールされていたドライブのファイルが削除される
という恐ろしい不具合が発生していたのである。
また、場合によってはOSのシステムファイルまでもが削除され、PCが起動できなくなる
という事態に陥るプレイヤーも存在している。
公式サイトは9/5に問題を発表、翌日9/6に酒井プロデューサーからのコメントが発表された。
お詫びとして問題の先行アップデートをした約2万人に対し対応窓口を設け、
5000円の金券か1万ACを配布すると発表。
PC破壊など重大な問題が起こったユーザーに対しては個別対応も行い、可能ならば外部の企業に依頼し削除されたデータの復活を行う(データへのアクセス権のみが削除されただけでデータそのものは削除されていないというパターンの可能性もある)との事。
しかし事件から2ヶ月が経過した11月現在も対応が行き届いていないようで、運営からの音沙汰が無く対応の順番を待たされているユーザーも居る。
公式ブログ内の謝罪記事には「なぜ発覚から謝罪発表や対応窓口の設置までに二日以上もかかったか(しかもその間に被害報告を送ったユーザーは再度窓口から報告しなければならないため2度手間になる)」「子供などパソコンのシステムに詳しくない人間が遊んでいる可能性もあるのにユーザーがパソコンのシステム構造を完全把握していること前提の対応はおかしい」「先行アップデートをしてないのにデータが消えた。これは補償対象外なのか」「再インストールしたせいで上書きされデータの復旧が不可能になる危険性があるなどの操作に関する注意や説明が一切されてない」「金券について種類などの具体的な詳細が語られない」「わざわざ原因にもなったゲーム内の通貨を配布するのは配慮不足」など、対応の後手後手ぶりや見当違いを指摘、批判するコメントが数多く投稿されている(余談だが同ブログへのコメントは検閲されており、一部批判は表示前に削除されているため、実際はさらに多くの批判が殺到していると思われる。「励ましなど好意的なコメントばかり載せてさも頑張ってますと言わんばかりに白々しく書いている」などこれに関する批判も多い」)。
ちなみにユーザーによるバグ報告(特定のイベントが発生しない、ある行動をするとグラフィックがおかしくなるなど)→運営の謝罪と補償のアイテム配布は半ば形式化しており、以前からこの流れに対する批判も相次いでいた。(この手のバグは今どき珍しくないのだが・・・。)
また事件2週間前の8月21日にはその日行ったアップデートでバグが発覚し、ユーザーから報告があったにもかかわらず、それを実質放置して翌週盆休みに入っている。
これらを踏まえて「そもそも必要な点検を怠っているのではないか?」「今までに散々指摘されたのにそれを先送りした結果こうなった」など、運営の体制そのものに対し不信感や失望を露にするコメントも多い。
尤も、実際にはこうした対応状況がどうなっているのかは正確には解らず、またやることはPSO2関連の他にも山のようにある可能性もあり、それ以前に批判のすべてが正しい批判(筋道が通った論理的な思考から導き出された結論に基づいた批判)とは言い切れ無いのが現状である。(感情任せのただの文句言いも少なからず存在する)
そもそもこういう体制の運営は今時珍しくない。
寧ろ比較的頑張っている方だと思われる。
なお、起動できない状態になっても実は起動用のプログラム(専門用語でいうと「ブートプログラム」)が含まれた外部OS等を使って起動することはよほど酷い状態でない限りは可能。
OSの種類が違う場合は一部プログラムの起動などはできない場合があるが、データを外部の記録端末に移動させて救助することも一応は可能。
余談だが、被害を受けたユーザーの半数以上が1万ACの補填を選択していた事が発表された。
酒井Pは感謝を述べると共に不具合対策に一層の努力をすると意気込んだが、チェック体制などを強化する反面、
不具合精査などに時間を掛けるため、アップデートスケジュールの延期も発表されている。
その後も大小不具合はあったわけだが…。
(擁護しておくとアップデートを重ねるオンラインゲームにとって不具合をなくすことは不可能に近い。)
これ以外の問題点
上記の様にオンラインゲームとは不特定多数を対象に配信されているため、不満や不具合を完全になくすことは不可能に近い。
しかしそれを抜きにしてもPSO2には明らかに運営の怠慢やユーザーが不利益を被る仕様が多数存在している。
以下はその1例である。
近接の待遇に対する矛盾
PSO2の攻撃は打撃、射撃、法撃の3パターンに分かれているが、基本やたらと打撃系統を持ち上げている。例えばPVの見せ場は大抵打撃武器のキャラが活躍しているのに対し、射撃武器のキャラは攻撃どころか構えるシーンすら極僅かなことが多い(特にガンナー)。
尤も、これは打撃や法撃は見た目が派手なので絵になりやすい反面、射撃系は絵になりやすい派手な攻撃が出来る武器がランチャー(大砲)と、バレットボウ(弓矢)の二つしかなく、残りのアサルトライフル(機銃)とツインマシンガン(双機関銃)は手数勝負の武器故に派手さに欠け、よほど工夫しないと絵にしづらいというのが原因でもあるのだが。しかし、OP2では最後にツインマシンガンでファルス・ヒューナルの顔面(あるいは胸元のコア)に対してほぼ接射でありったけの弾丸を叩き込んでいるなど、決めるところは決めている。
ストーリー中最強と言われている六芒均衡の武器は打撃系が3種、法撃系が2種(型違いがもう一個あるので実質3種)、残りの1つはガンスラッシュで打撃と射撃の混合武器と射撃系は現段階では少な目。
一方実際に使ってみると足の速さは他2つと変わらないため、全体的に射程が短く、また攻撃の最前線故に相応に頑丈でないと容易く死んでしまうなど考えなしに運用することができない。
特に広大なエリアや機動力の高い敵との戦闘に対してはすでに敵がいないのに延々と虚空に向けて攻撃していたり、ひたすら敵を追い続けるだけで碌に攻撃できなったりする事態が多く、そのせいで「ランナー」と呼ばれたり、パーティー募集にて「近接お断り」「射撃、法撃オンリー」と弾かれたりしている。
これに対し運営がやっているのは、単純な威力の底上げのみ。それでさえ高難易度のボス敵相手には火力不足に陥りやすい。
ちなみに酒井Pは「必滅の呼び声」実施前のニコニコ生放送にてガンナーを担当したのだが、操作が全然できておらず、共演者の会一太郎から「踊ってる場合じゃないですよ」とツッコまれていた。しかもその様子が新クラスに慣れてないというより素人ゲーマーのようだったことから、「コイツ絶対ロクにプレイしてないな(根拠なし)」と失笑した視聴者も多かった。
レア武器のドロップ率
オンラインゲームの醍醐味といえば強力なレア装備の収集だが、PSO2はその出現率がかなり低く、酷いときは週ごとに更新されるクエストのドロップ履歴リストに載ってない。
一方で低レベルのレア装備(通称ハズレア)はボロボロ出てくるのだが、どれも1度でも装備すると他のユーザーに対し販売や譲渡が不可能になる(NPCには可能)。
性能も低レベル故に高レベルのレア武器と比較するとどうしても見劣りする。
不要ならばクラフトで分解しなければアイテム倉庫を圧迫するだけのゴミにしかならない。
更にレアな敵が登場する「パラレルエリア」や特定クエスト開始前に発生する特殊イベント「アブダクション」の発生率もかなり低いため、狙ってプレイするのは難しい。
一部では「ID毎にレア装備が出やすいか出にくいか抽選されている」とも邪推され、結果複数アカウントを取得するユーザーも多数存在している(基本1アカウントごとに最大10キャラ使用できるが、3キャラ以降は課金枠で、しかもキャラ消去時は枠も消えるため再度課金しなくてはならない)。更に「ユーザー数で騒いでる時はだいたい複数アカウントをを一括せず、RMT等の違法行為で凍結されたアカウント(通称BAN垢)もカウントして水増ししてる」と邪推されており、高々宣伝していたCMには動画サイトで「有効アカウントや実際のプレイ人数はそこまで多くはない」と冷ややかなコメントをされたことも。(根拠が全くないのだが)
余談だが、兼業している人も多いだろう提督業の本部は複数アカウント取得も違反行為であり、それも含めて違反アカウントを停止(BAN)して新たな登録者を増やしているが、それでも間に合わないらしい。
ストーリーの問題
ある意味売りの1つともいうべきストーリーだが、実はこれも問題が多い。
まず第一に進行が面倒くさい。一応特定キャラの頼みを聞いたり、イベントを見たりといった従来の方法もあるのだが、大半はなぜかドロップ先の敵と付属スキルを指定された装備の収集で、しかもそれを集めてどうするわけでもない。
そのせいで当初は「アイテムが出ないせいでストーリーが進まない」とクレームもあったためか後に仕様を変更されたが、その内容は「一定数倒せば必ず出る」といったもの。「なんで廃止しないんだ」と言ったクレームは実質無視されているとも言われている。
シナリオ自体に対しても明らかに無視できない穴や矛盾と言った展開の不備、言葉の誤用、果ては実質ライターが同人時代の作品をベースに過去作を継ぎ接ぎして流用(例えば冒頭のゼノ登場シーンや、登場人物クラリスクレイスの容姿やキャラは、まんま「伊月の戦争」からの流用)していたことが判明し、シリーズファンを呆れさせた。
その結果シナリオライターが交代することになったらしい。
何もマイナスばかりじゃない!
だが、こんな風にボロクソ書かれているが、実はこれ、説明文としては欠陥まみれである。
物事を片側からしか見ておらず、これだけで真実と言い張るのはナンセンスである。
実際、チュートリアルシステムは大規模なアップデートを重ねるたびに強化が繰り返されており、最初期からの古参プレイヤーがサブキャラクターを作って始めた際に「すごくわかりやすくなっている」と感嘆したという。
ストーリーの進行システムも最初期と比べると格段に進化しており、現段階ではある程度まとめてアイテム収集やイベント閲覧ができるようになっている。
その他の面でもただピックアップされていないだけで最初期や登場初期と比較すると試行錯誤を繰り返しつつ着実に変化している。(その中で退化、改悪が発生するのは試行錯誤の中では当たり前のように起こることなので仕方がない)
なお、クレームが無視されるとか言われているが、クレームの内容によってはどう直すべきか長時間話し合って方向性を決める必要があるのですぐに修正されるとは限らない。また、内容いかんによっては修正が不要な場合も存在する。(主に言いがかりやただのめんどくさがりなど)