クロスアンジュ 天使と竜の輪舞の物語に深く関わる重要な部分がありますので、読む前に苦手な方は退出してください。また、それでも構わない方は読んで下さい。
概要
マナ
人類が進化の果てに得たとされる魔法の様な技術とそれを扱う人間の事。
念動力のように物質を浮遊・移動させたり、光や熱を発生させたり、魔法陣のような拘束・防護用の結界を張ることも可能。統合システムへのアクセスによってマナ使い間での情報共有が可能であるため、相互理解を深め合うことが容易になり、これにより、人々は互いに繋がることによって相互理解を深め合い、戦争や貧富の差も消滅したとされ、貧困や格差の存在しない、平和で穏やかな理想郷を築きあげた。
しかし、マナの力を持たない人間「ノーマ」に対して、忌み嫌われ、嫌悪され、蔑まされ、差別されている。
作中世界の根幹となる設定で、マナをあつかえることが「普通の人間」の絶対条件であり、マナの恩恵を得られる人間のみに都合の良い平穏を享受しており、 マナ至上とする人道的な差別社会であるが、マナを扱える者達の多くはその事に何の疑問も抱かず、むしろ当たり前の様に考えている。
しかし、一部の中にはノーマに対して理解する者(ミスティ・ローゼンブルムやモモカ・荻野目など)も少なからず存在する。
ノーマ
マナの力を持たない人間。
産まれながらにしてマナが使えない突然変異体で、マナによる干渉も受け付けない体質を持ち、結界などによる直接的な捕縛はできない。ただし、マナで動かした物による拘束は可能。
マナを否定する「退化した人間」と見なされ、社会システムを破壊しかねない危険な存在として人々から忌み嫌われて、差別されている。
何故か女性体しか発生しないが、その理由は一切解明されていない。
日々検疫官がその存在を取り締まっており、ノーマと判明した者は発見後は速やかに社会から隔離され、ノーマ管理法に基づき認定番号が与えられて拘束され、アルゼナルへ送られて名前を取り上げられ、対ドラゴン用兵器として訓練され、ドラゴンと戦い、一度も外の世界に戻ること無く死んでゆくことが使命とされるなど、人類社会の防人として強制的に軍務に使役される。
その為、彼女達の活躍は功績も献身も一般に喧伝されることはなく、実質的な奴隷である。
ネタバレ
ここから先は本編に関するネタバレになりますので、ご注意ください。
マナの正体はかつて有史より繰り広げられる人類同士の戦争を憂うエンブリヲが人類全てを平等にするために争いや差別の無い理想郷を創る為に長い年月の末にあらゆるものを思考で操作できる高度な情報化テクノロジー「マナ」やそれを扱うことができ争いを好まない穏やかで賢い新人類を創造した。
即ち遺伝子操作によって生み出されたのがこの世界の人間で、彼らが発現する精神エネルギーの一種が「マナ」である。
しかし突然変異を起こしマナを持たない人間「ノーマ」が誕生した事により、長年の研究と心労が報われなかった事からエンブリヲはノーマを反社会的存在として世界に植え付け、差別意識で世界のバランスを保とうと考え、マナ社会の崩壊を招く危険分子として畏怖・嫌悪されるよう仕向けることで、世界の平穏を保とうとし、さらにノーマの反乱も考慮してラグナメイルを開発した。
また、ノーマの正体は遺伝子操作前の旧人類の因子を持つ突然変異種で、常に一定数のノーマが生まれ続ける現状に苦慮したエンブリヲは、マナ社会の崩壊を招く危険分子として畏怖・嫌悪されるよう仕向けることで、必要悪として敵意の対象とし世界の平穏を保とうとしていた事が明かされた。
因みにアルゼナルはかつてはエンブリヲが構築したノーマの隔離先にすぎなかったが、マギー率いるノーマ達により、対ドラゴン基地として体裁を整えていた。
これがクロスアンジュの世界観に隠された重要な秘密である。
さらにネタバレ
古の民(旧人類残党軍)
遺伝子操作によって誕生したマナ誕生前に存在していたかつての人類で、マナが使えず、世界から追放された。
しかし、マナを持つ者により虐げられる世界になった事を憂い、アルゼナルのノーマと手を組み、エンブリヲを打倒し、世界を改変しようと立ち上げた。
多大な犠牲を払い、ラグナメイルの一機「ヴィルキス」を奪取する事に成功し、リベルタスの要として、計画を立てていた。
一時は使いこなすメイルライダーがいなかったが、皇族の血を引くノーマ、アレクトラ(ジル)が現れた事で、計画を実行するも、アレクトラは右腕や失う重傷を負い、起動に必要な指輪を失った事で、失敗に終わった。
メンバーの多くは失ったが、少なからず生き残った者は、虎視眈々と水面下で機会を窺っていた。
タスクはその末裔である。