概要
カウンティ級重巡の第2グループである。4隻建造され、艦名に州名(カウンティ)が名づけられた事からカウンティ級と呼称されているがネームシップの「ロンドン」以外の3隻はイングランドの州名が採用された。
本級の基本設計はエメラルド級軽巡洋艦延長であるものの、基準排水量が1万トン台の大型となった。そのため、水面からの乾舷が艦首から艦尾まで高くなった。さらに、側面には凌波性を良くするフレア(反り返り)の付いた平甲板型船体を採用できた。水線部の船体形状は船体長は192mもあり、、船体の幅を抑えた水の抵抗を少ない船体形状に成形した事により少ない機関出力でも高速を出しやすい形状であった。垂直に切り立った艦首から艦首甲板上に20.3cm砲を収めた連装式の主砲塔が背負い式配置で2基、2番主砲塔の基部から上部構造物が始まり、その上に近代的な塔型艦橋が立つが前級において2番主砲塔と艦橋の位置が近かったために前部主砲を側面に向けて撃つと爆風被害を受けるために本級において約7.5m間隔が開けられたのが外観上の識別点である。
ロンドンのみ1939年~1941年にかけてチャタム海軍工廠にて大規模な改装が行われ、艦橋構造はクラウン・コロニー級軽巡洋艦に準じた形状に代わり、前後のマストは三脚型に更新、煙突の本数は2本煙突となった。格納庫は1番煙突の基部に変更されたが対空火器の増設により航空施設は廃止された。この改造により重量増加して船体にゆがみが生じて漏水する始末で、舷側と船底に新たに外板を張り増す必要があった。
艦型
主砲
前級のケント級、と同じ「Mark VIII 20.3cm砲」。詳細は、カウンティ級を参照。
装甲
防御装甲は、ホーキンス級重巡洋艦では同時期に設計された巡洋戦艦「フッド」と同じく 舷側に傾斜装甲を採用するなど工夫が見られたが、本級の装甲配置は装甲巡洋艦と同じく舷側に直接装甲板を貼る直接防御のままであった。装甲厚においては舷側装甲は機関区水線部のみ25mmで主砲塔の側面は無防御であり、艦内の弾薬庫の壁面に111mm装甲、天蓋の25mmで防御する形式であった。主甲板の防御も38mmでしかなかった。
No | 艦名 | 工廠 | 起工 | 進水 | 竣工 | 戦没 |
一番艦 | ロンドン | ポーツマス | 1926/02/23 | 1927/09/14 | 1929/01/31 | 1950(解体処分) |
二番艦 | デヴォンシャー | デヴォンポート | 1926/03/16 | 1927/10/22 | 1929/03/18 | 1954/12(売却) |
三番艦 | サセックス | ホーソン・レスリー | 1927/02/01 | 1928/02/22 | 1929/03/26 | 1955(売却) |
四番艦 | シュロプシャー | ビアドモア | 1927/02/24 | 1928/07/05 | 1929/09/12 | 1955(売却) |