概要
鎌倉時代の備中青江派による大脇差(1尺8寸以上2尺未満の脇差)である。元は2尺5寸の太刀だったが、後に2尺へ、さらに1尺9寸9分へと磨りあげられ現在の姿になっている。
この「にっかり青江」という珍しい名前の由来として伝承がいくつかある。
- 領内に化物が出るという噂を耳にし領主が現地へ赴いてみると、夜中にも関わらず子供を抱いた怪しい女が立っており、その子供を抱いてほしいと懇願する。子供が近寄ってきたがそれを切捨て、さらに「にっかり」笑う女の幽霊を切り捨てたという。翌朝その場所を確認をしてみると石灯籠が真っ二つになっていた(『享保名物帳』より)
- ある夜、旅を急ぐ男が夜道で女と出会うが、その女が振り向き「にっかり」と笑うのに不気味さを感じ取った男は女の首を刎ねた。翌日旅の帰り道でその場所を見てみると首の無い地蔵があった。(『常山紀談』より)
女を切った人物についても諸説あるがその後刀は柴田勝家に所有が移り、子の柴田勝敏に譲られた。さらに柴田勝敏を討った丹羽長秀から豊臣秀吉に献上され、子の豊臣秀頼から京極高次に与えられ以降京極家に秘蔵される。
江戸時代の狂歌に京極家について歌ったものがありそのなかで
『京極にすぎたるものが三つある。ニッカリ茶壺に多賀越中』
とにっかり青江の名もあがっており、当時から名品として有名だったことがうかがえる。
1940年に重要美術品に認定され、太平洋戦争後に流出するが1997年に丸亀市が購入し、現在は丸亀市立資料館に所蔵されている。
『刀剣乱舞』のにっかり青江
僕はにっかり青江。元は大太刀の大脇差さ。うんうん、君も変な名前だと思うだろう?
・・・・・・でもさ、にっかりと笑った女の幽霊を斬ったのが由来、と聞いてまだ君は笑っていられるかな?
名前 | にっかり青江 |
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図鑑No. | 19 |
種類 | 脇差 |
刀派 | 青江 |
刀工 | 青江貞次 |
一人称 | 僕 |
CV | 間島淳司 |
絵師 | べっこ |
大脇差であるためか、脇差男士の中では青年としてデザインされた刀剣男士
穏やかな物言いだが、時折心の清らかではない審神者は意味深に思えるような言動をすることも。自身にまつわる伝承(『享保名物帳』にて伝わっている方)にやや思うところがある模様で、石切丸と出陣することで発生する回想でも触れられる。
髪型はハーフアップでは無くポニーテール。(当該ツイート参照)右目は髪で隠れているが真剣必殺にて見ることが出来、赤目のオッドアイなのが確認できる。また肩にかけているのはマントでは無く白装束である。
関連イラスト
にっかり青江というインパクトのある名前からそれをネタにする審神者たちも多い。