海上保安庁が運用する、ヘリコプター搭載型巡視船(PLH)。就役以来、北海道を管轄区域とする第一管区海上保安本部に所属する。
「宗谷」の後継船として1978年竣工。先代「宗谷」の運用実績を生かし中型ヘリコプターを一機搭載する砕氷船として建造され、その設計はその後の「つがる型」や「みずほ型」などの大型巡視船のプロトタイプとなった。
就役以来、大韓航空機撃墜事件・北海道南西沖地震の海上捜索、流氷に閉じこめられた船舶の救出、ロシア国境警備隊との折衝、海氷の調査などに活躍。
2009年、通常の巡視船の耐用年数である25年を超えたことから海上保安庁が建造した巡視船としては初の大規模な延命工事が施され、最新巡視船並みの機能が整えられた。少なくとも2020年代までは引き続き活躍する見込みである。
東日本大震災では、津波の被害を受けた釜石港に係留され救難基地としての役割をつとめた。
なお余談であるが、「そうや」は(現在も訓練設備として使用されている先代「宗谷」を除くと)消防巡視船「たかとり」と並んで最古参の巡視船となっている。先代「宗谷」と、鉄道省/国鉄連絡船の「宗谷丸」は、太平洋戦争を生きのび戦後も長く活躍した幸運船であり、「そうや」もこの両船から強運と長寿を受け継いだのかもしれない。