概要
かつて、海上自衛隊が保有していた、はるな型護衛艦1番艦である。日本の艦艇名としては、金剛型戦艦に次ぐ2代目である。また、艦名は榛名山からきている。
説明
本艦は日本初のヘリコプター搭載護衛艦であり、このような艦艇は、発展改良型のしらね型護衛艦を含め、現在に至るも世界唯一と言ってよく、日本の特殊な用兵思想を色濃く反映している。装備面での特徴としては、ヘリコプター運用時に姿勢を安定させるためのフィンスタビライザーを自衛艦で初めて装備したほか、揺れる艦上における飛行作業の安全・効率化のため、着艦拘束装置(ベアトラップ)を初めて装備した。
はるな型以前の護衛艦にもヘリコプターを搭載している艦艇もあったが、はるな型の場合、ヘリの運用を特化した護衛艦であると言える。つまり、複数のヘリを所有することで、他の護衛艦のヘリとも合わせて常にはるか前方を連続的に対潜哨戒でき、場合によっては空海からの共同攻撃も可能であると言えよう。
本級は、第3次防衛力整備計画に基づく昭和43年度計画4,700トン型ヘリコプター搭載護衛艦2401号艦として、三菱重工業長崎造船所で1970年3月19日に起工し、1972年2月1日に進水、1973年2月22日に就役し、第1護衛隊群に直轄艦として編入され、横須賀に配備された。
1974年11月9日に発生した第十雄洋丸事件の際には、積み荷のナフサやプロパンの爆発による二次災害を防ぐため、はるなを旗艦とする臨時処分部隊が災害派遣出動し、11月26日に「DD-164 たかつき」、「DD-166 もちづき」、「DD-102 ゆきかぜ」とともに処分現場に派遣され、翌27日から28日にかけて海没処分するための射撃を実施し、第十雄洋丸を沈没させなどの戦果を挙げ、護衛艦の象徴とも言うべき艦だった。
複数のRIMPAC参加等を経て、「DDH-143 しらね」が火災事故でCIC(戦闘指揮所)を喪失した際は費用対効果の面から退役予定だったはるなからCICの移植を行い、2009年3月18日に除籍となった。代艦は同日就役した「ひゅうが」だが、ひゅうがは第1護衛隊群第1護衛隊に配属され、同隊所属の「しらね」が同日付、第3護衛隊に編入されはるなの後任に就いた。