概要
薙切えりなの実父。おそらく遠月茶寮料理學園の卒業生と思われる。
整った顔立ちであるが、黒のスーツにコートを身に纏い、実業家やマフィアのボスを思わせる、どこか威圧的な様な風体の持ち主。髪型はオールバックで、一部の髪は白くなっている。
徹底とした美食至上主義であるらしく、真の意味で美食を追及した料理を「芸術」と例えるのに対し、それに値しないものは「餌」と断言する程。
理由は不明であるが、10年程前に遠月から追放されているらしく、食品関連の実力者達からは忌み嫌われてるのと同時に恐れられ、実の娘であるえりなに至っては、数年ぶりに再会しただけで、恐怖のあまり顔を引きつらせている。
また、遠月から追放された後、遠月ではその存在に関する記録が徹底的に抹消されており(強いてあげるなら図書館の古い料理誌くらいにしか残っていない)、新戸緋沙子の父親も「禁句」として彼に関する質問をしてはいけない事になっている。これらの点からも、遠月や料理会ではかなりの危険人物として扱われている様である。
追放後の行方は一切分からなかったが、遠月学園の学園祭である「月饗祭」の最終日にて、突如えりなの経営するレストランに姿を現す。現在の遠月の状況を憂いているらしく、遠月を「あるべき姿」に戻すべく、改革を行う事を宣言する。
そして、10年ぶりにえりなに料理を振舞っているべく、城一郎用として空けられていた席に座り、えりなに料理の要求をするが、そこへ幸平創真が姿を現す事になる。
なお、余談だが、堂島銀が所有している卒業生アルバムに載っている、当時の遠月十傑のメンバーリストには、「中村薊(なかむら あざみ)」という名が第三席として記入されている。これが薙切薊本人だとすると、城一郎や堂島とは同じ第69期で、なおかつ彼らに並ぶ実力を持った料理人である事が伺われる。