「目ざわりだ さがれ」
プロフィール
概要
遠月茶寮料理學園高等部一年の女子生徒。
遠月学園総帥の孫娘である『薙切えりな』の秘書を務めており、年齢・学年共に同じであるが、彼女の事を「えりな様」と呼び崇拝し、付き従っている。
初登場は第2話と、かなり初期からのキャラクターであったが、長らく本名が判明していなかった。その為、一部のファンからは「秘書子」というニックネームで呼ばれた事もあったが、第52話にてようやく本名が判明した。
その名残りで現在でも本名より「秘書子」の方でピンとくるファンも多く、ついには作中にも逆輸入(雑誌掲載時のアオリでも「秘書子」呼びされたことがあり、公式からも完全に認知されている模様)されてしまい、それが悩みの種にもなっている。
性格
幼少期から激務に追われるえりなを気遣い、公私共に支え続けてきた真面目で優しい性格。
類稀な料理のセンスを持つえりなの傍に仕えるため、そしてえりなに寄り添い歩くために、血の滲むような努力を重ねてきた「忠義」の持ち主。
えりなに忠実な反面、えりなに対する軽口や不遜な態度をとる者は見過ごせず、特に登場初期から長きに渡って創真に対してはえりなと同様の敵愾心を向けていた。
しかし、スタジエール編を経て創真を見る目が変わった事からもわかるように、あくまで自分の目で見定めて相手を認められる度量も持ち合わせており、認めた相手に理不尽な物言いはしない。
料理人としての向上心も人一倍強く、秋の選抜ではえりなからの助言すらも拒み、優勝する事以上に自分の力で挑戦する事に意義を見出しており、その心意気をえりなからも認められている。
ちなみに最近ではキャラが定まってきたせいか、えりな以外の同級生に対してすっかり男性的な口調で話すようになっているが、選抜編初期の頃はあの貞塚ナオに対しても割と普通に話していた。
また、秘書だけあって外部の人間や目上の人間に対してはしっかりと礼節を弁える。
薬膳料理のエキスパート
えりなの秘書を務めるだけあってその料理の腕前は一流で、「秋の選抜」の出場者にも選ばれており、予選では最初に90点超えの高得点を獲得する程の実力を見せつけた。
新戸家は古くから続く漢方医の家系であり、そこで生まれ育った緋沙子はその知識の全てを料理に昇華させており、東洋医学に基づき食と医・薬学を融合させた料理『薬膳』のエキスパートと呼ばれるまでに至っている。古代中国の宮廷では皇帝に「食医」という食事療法医が仕え、薬膳を提供していたというが、緋沙子にとっての『皇帝』はえりなであり、緋沙子の薬膳は日常的に激務をこなすえりなの体調管理にも活かされている模様。
また、会計ソフトを用いた伝票整理なども日常的に行っており、スタジエール編でもそれを一手に引き受けると同時に若年層が気軽に予約できるシステムを作るため、新しい端末の導入を薦めながらそれについての説明を行うなど、独自のPCスキルを存分に発揮して創真すらも感心させている。
ちなみにPCを扱う際はPCメガネを着用しており、こちらも後述の三田村エプロンと同様に似合っていると、読者からは好評の模様。
作中での活躍
幼少の頃より仕えていたえりなに対しては、盲目的なまでに従順かつ崇拝しており、彼女に恥をかかせたと考えている幸平創真を敵視していた。その為、彼を成敗する事が「秋の選抜」の目標の1つにもなっていた。また、えりなとは不仲の薙切アリスの事も敵視していた模様。敵と見なした相手に対しては態度がきつく、口調も男性的になる。
同じく1年で、えりなにアブノーマルな好意を寄せている貞塚ナオからは、一方的に敵視されており、中学時代に「えりなの秘書」の座をかけて食戟を行った結果、勝利して「えりな様から半径50m以内をうろつかない」事を約束させているが、これが原因で恨みを買う事になった。
「秋の選抜」の予選では貞塚が84点の高得点を出したのに対し、自身は92点という圧倒的な差で上を行き、「自分」の事しか考えていない料理を作る貞塚を蔑んでいるが、それが逆に災いして、今度は彼女から「緋沙子お姉様」と熱烈な求愛をされてしまう事になった。
その後の本戦一回戦第三試合の「ハンバーガー」対決では葉山と対戦し、試合ではスッポンを使用したハンバーガーを作るも、敗北。試合後、遠月の頂点に立つことを目標とする葉山とは対照的に「えりなに次ぐNo.2」であることに固執し続けた料理人としての志の狭さを葉山アキラから痛烈に批判されてしまい、書き置きを残してえりなの前から姿を消した。
決勝後のスタンジエール編では幸平創真と一緒に激戦区のレストラン洋食店「洋食の三田村」三代目オーナーシェフ三田村 衛のもとで現場経験をこなしていくことになる。余談だがこの時、エプロン姿を披露し創真と読者曰く非常に似合っていると評された。
最初は現場の動きについていけず戸惑っていたものの、既に現場経験している事で柔軟に対応が出来る幸平創真の様子を見た事で、自分に活を入れたと共に創真のことを認め始めるようになる。そして、自分がえりなに仕える資格が無いと気に病んでいた際は、創真から「えりなの隣に立って歩ける自分に変わっていけば良い」と助言される事になり、彼からえりなへ渡すための漫画を託された際は、今まで創真に見せる事の無かった柔らかな表情で「ありがとう」と言い去っていった。
後の十傑と対面を行う「秋の紅葉狩り」では、創真との関係も大きく軟化しており、学園祭の準備期間では、えりなに麻婆豆腐の味見をしてもらおうとしていた彼の行動も止めなかった。また、月饗祭の最終日にて、えりなが実父・薙切薊の存在に怯えていたのを助けられなかった時に創真が姿を現した際には安堵の笑顔を見せており、彼に対する信頼が強くなっている事を窺わせる。
スタジエール以降は、物語での出番等もかなり増えており、恵やえりな、郁魅、アリス等と同様、ヒロイン格として扱われ始めている。
また、2015年4月に行われた企画「遠月学園十傑選抜総選挙」(第2回キャラクター人気投票)では、創真、えりな、タクミ、恵に次ぐ5位にランクイン。僅か一票差ではありながらアリスを上回り、その人気の上昇ぶりを見せ付けた。
その後、連載4周年を記念して行われた第3回キャラクター人気投票(多重投票不可)では前回の上位陣が大きく得票数を落として苦戦する(創真、タクミに至っては3600票以上も落とす)中で、アリスと共に前回から1000票以上も得票数を伸ばすという健闘を見せ、なんと1位のえりなに次ぐ2位を獲得して主人公の創真をも凌ぐ人気を見せ付けた。
クーデターで総裁の座を奪った薙切薊により秘書を解雇された緋沙子は途方に暮れていたところをアリスが発見し薙切邸からえりなを連れ出し逃走を図る。雨が降りだした途上で田所恵と遭遇し彼女が住まう極星寮に泊める事になる。緋沙子は恵達寮生に極星寮に匿うよう説得(寮生達は当初は「薙切家のお嬢様」を理由に敬遠したが、緋沙子が事情を話して納得した。)し、仙左門の呼び出しから帰ってきた創真にはえりなが徐々に笑っていく姿を感じてた。そして創真が見送りに現れ、創真に「薊にとってえりなは鍵だろう」と忠告し寮を後にする。それから数日はえりなの着替えを用意するため度々極星寮に出入りしていたが、叡山枝津也が創真と食戟する裏での手下たちが極星寮の寮生を強制退去をために現れる。極星寮の寮生達は籠城し、創真が食戟をすると知って極星寮に駆けつけていた緋沙子もえりなの部屋の前で警護することになる。しかし、創真が食戟に勝利した事で強制退去は中止となり、事なきを得た。
この一連の騒動や極星寮での不思議な寮生達との日々を通じてえりなは自分の料理が絶対と考えていた事に疑問を抱くようになり、寮生達の中心に創真がいる事を知る。そして創真を信じて戦った寮生だけではなく、緋沙子も創真が何かをやってくれる事をまるで知っていたかのような…そんな表情をしていたのは何故?と緋沙子に尋ねる。
それに対し、緋沙子は「根拠も何もないのですが、私も…予感している事があります」と前置きした後、「もしかしたら今の遠月を薊殿から救うのは あの男だったりするのかもしれない……と」
と答え、創真への信頼をえりなに対しても隠さずに、はっきりと示すようになっている。
残党狩り初日では青木大吾と佐藤昭二と同行し、紀ノ国寧々のいる会場の視察を行った。
残党狩りによりセントラルの権力が強まっていく中、女子更衣室でアリスが主将を勤める最先端研究会以外の料理研究会が破れた事をえりなに報告する緋沙子。しかし、残党狩り初日、アリスの元に駆け付けていたが、そのアリスから「いつまでも殻に籠ってちゃダメ」と言う言葉に「私はどうしたいのだろう」とえりなは緋沙子にその出来事以降の自らの苦悩を打ち明ける。2人が更衣室を出て目に飛び込んできたのは創真と十傑第一席・司瑛士の姿が……そして司が第一席の座を賭けた食戟を持ちかけてセントラルの方針を聞かされ反発する創真はこれを受諾。緋沙子はえりなと共に(アニメでは恵も同行)創真と司の食戟の用意を窺うことに。
余談だが、秋の選抜時に創真からの(正確には創真を経由した恵からの)供給ラインが確保されるまでは、えりなの読む少女漫画は彼女が提供していた。
関連イラスト
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ユダ(トリコ):ジャンプ漫画の薬膳料理人繋がり。