概要
火を着けず、煙ではなく直接その香りを楽しむ煙草の形式で、最も古い煙草の形態の一つ。
タバコの粉末を鼻から吸い込み、鼻腔粘膜などからニコチンを摂取する。
噛みタバコと同様に火を使わないため、鉱山や工場のような火気厳禁の場所で愛用されていた。
基本的に小さなケースなどに入れられて販売されており、細かな粉末を鼻から吸引する。
親指と人差し指で粉末をつまみ吸引する他、手の甲の親指、人差し指の付け根のくぼみに一つまみほど載せ、鼻から吸引するのが一般的な嗅ぎたばこの摂取法である。この手首の三角形の窪みは解剖学の分野で「解剖学的嗅ぎ煙草入れと呼ばれている。
タバコの粉末の入った小袋を歯茎と上唇の間に挟む方法もある(「スヌース」と呼ばれる)。小袋に入った状態で販売されているのが一般的だが、粉を直接歯茎と唇の間に挟む摂取法もある。なお、これら口腔内でニコチンを摂取するタイプは嗅ぎ煙草ではなく、噛みタバコとしてカテゴライズされる場合もある。
シガレットケース同様、嗅ぎたばこの粉末ケース(鼻煙壷)にも装飾が施されたものがあり、コレクションの対象となっている。
しかし如何せん、「粉末を鼻から吸引する」様子がコカインの摂取方法を連想させることから誤解を受けやすい行為のため、公共の場で嗜むには注意が必要である。
風味が日本人にあまり合わないため、日本国内ではあまり流通しておらず、専門店以外で入手するのは難しいが、JTでは『ゼロスタイル・ミント』という日本人向けの商品を開発している。
但し、粘膜に直接タバコを接触させてニコチンを吸収するため、口腔ガンや鼻腔ガンのリスクは高くなる。