概要
コカノキから抽出されるアルカロイドで、中枢神経興奮作用がある。
アンデス山脈の原住民の間では、コカノキの葉から作るハーブティー(コカ茶)が高山病予防の健康茶として日常的に飲まれていた。
本来の用途は医療用の麻酔薬である。
日本では麻薬及び向精神薬取締法でコカ関係は全て規制対象となっている。
かつては他の麻薬と違って依存性などの害はないと考えられ、欧米では風邪薬など多くの薬品に普通に入っており、コカ・コーラにも昔は含まれていた。
しかし、あまりにも広く使われたためにその強い依存性などの危険性が知られ(コカインの肉体依存は弱いものの、精神依存は他の麻薬と同様に生じる)、各国で規制が厳しくなっていった。
依存症以外の主な副作用としては虫が居るような感覚になりかゆくなるコーク・バグなどがあり、最悪錯乱状態となる。鼻から吸い込むかたちで常用すると粘膜に腫瘍ができることもある。また軟骨を溶かすこともあり、常用者の中には鼻の形が崩れるものもいる。
19世紀の欧米では、精神安定剤や嗜好品として普通に嗜まれていた(シャーロック・ホームズもコカインを常用していた描写がある)が、コカインの規制が厳しくなるとともにおおぴらに嗜まれることはなくなった。
日本では覚醒剤に比べるとやや馴染みが薄いが、欧米の有名芸能人の薬物スキャンダルでは多くコカイン常用疑惑が取りざたされ検挙された者、治療施設に入院した有名人も少なからずいる。
アメリカではベトナム戦争帰還兵や不良富裕層の間でも乱用者が多く、深刻な社会問題の一つとなっている。
このためコカインの密売で利益を得ているラテンアメリカのマフィア対策にアメリカが軍を派兵して彼らの拠点を銃撃もしくは空爆したこともあり、メキシコ・コロンビア・ペルーなどでは麻薬カルテルと呼ばれる密売組織とそれに協力する左翼ゲリラ組織は、莫大な利益を元手にほとんど軍隊レベルの武装を備えて警察側や対立組織の人間を惨殺する事件も頻発しており、治安の深刻な悪化を招いている。
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