CV:花澤香菜
概要
本作の裏ヒロイン。不破真広の1歳下の義妹にして、滝川吉野の彼女。ただし吉野との付き合いは、真広も含めた周囲には隠していた。
旧性は間宮で中学1年の夏に母親が真広の父と再婚し、その後は不破の屋敷で暮らしていたのだが、本編開始から1年前、彼女が中学3年の秋に両親と共に何者かに殺されている。
そのため、作中の出番の多くは吉野か真広の回想となっている。
彼女の殺害は始めはただの強盗の仕業と思われていたのだが、葉風が行った特殊な魔法探査でも何も出てこなかった為、そこから逃れる特権を持った鎖部一族の仕業と推測された。
ところが鎖部哲馬の追加調査から「愛花の死後、はじまりの樹に許される儀式を行った者はいない」ことも判明し、新たに「絶園の魔法使い犯人説」と「はじまりの樹による犯人隠蔽説」が出されたが……。
人物像
どこか達観している上にかなりの毒舌家で、義兄である真広のことを早い段階から「マヒロ」と呼び捨てにし、吉野共々しょっちゅう皮肉や嫌みを浴びせたり、煙に巻くような言動で惑わしたりと2人を度々振り回していることから、彼氏の吉野をして「性格が悪い」と言わしめている。
もっともこうした面は2人にしか見せておらず、その合間に僅かな気遣いや好意を垣間見せていることから、彼女なりに心を許していたようである。
愛読書はシェイクスピアで、特に『ハムレット』と『テンペスト』を好んでおり、台詞を度々引用していたが、大抵遠回しの嫌味にしか聞こえない。
ちなみに胸はあまりない。
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死の真相
以下原作8巻(アニメ第20話)以降のネタバレ注意。
では誰が彼女を殺したのか。
結論から述べれば彼女自身である。
前述の通り捜査は完全に手詰まりで、出された仮説はどちらも決め手に欠けていたため、「葉風が再び過去に渡り、事件の目撃者となる」という最終手段が採られる事となった。
過去に飛び、事件当日に彼女の地元に到着した葉風だったが、街中で偶然愛花と接触、すれ違いざまに声をかけられる。
その場は一時的に切り抜け、ひとまず人気のないビルの屋上に降り立った彼女だが、突如愛花が背後に現れる。動揺する葉風に向かって愛花はこう名乗った――。
初めまして、私は不破愛花。
「絶園の樹」と呼ぶものの意を受けるもの。
さしずめ、あなた方なら――「絶園の魔法使い」とでも呼ぶものでしょうか。
実は彼女自身が「絶園の魔法使い」であり「はじまりの樹」と「絶園の樹」の真実を知る者であった。
時を超えてきた葉風から自分自身が何者かに殺される未来、そのあとに起こる世界の変化について聞いた彼女は「2つの樹の真実」、さらには自身の殺人事件の真相を推理し、語り出す。
本人の口から語られた不破愛花を殺した犯人は不破愛花自身。つまりは自殺。
自らの手で家の中を荒らし、金品を「絶園の力」で塵にすることで強盗事件に見せかけ、さらに力を使えば凶器を使わずに自分に致命傷を負わすこともできる。「絶園の魔法使い」である愛花が自らを殺すことで鎖部の魔法探査にもかからず、犯人を特定することができない。
自分が死ぬことで真広は復讐を考え、葉風とつながり、親友である吉野がこれに介入、吉野から亡くした恋人への想いを聞かされた葉風は「はじまりの樹」を倒す決断を下す。
姫宮である葉風がその判断を下さなければ、いずれ「はじまりの樹」によって現代文明は破壊され、人類は僅かな数しか生き残ることができなくなるのだ。
絶園の魔法使いとして世界を知りすぎていたため、周りに壁のようなものを作っていた愛花。
人との間に微妙な距離を取っていた自分にとって特別な存在であった吉野と真広。
2人が生きる未来の為、彼女は死を選択したのだった。