RGC-80ジム・キャノンはMSVに登場する地球連邦の中距離支援用量産型MS。
ジムの砲撃戦仕様の機体。
機動戦士Zガンダムにもジャブローに配備されている機体が登場する。
機体説明
一年戦争時、ガンキャノンの量産型という位置づけで開発された。
その名称と外観からジムのバリエーションと位置づけられる事が多いが、ガンキャノンの量産化プランはガンダムの量産化(ジム)と最初から別に進行しており、その延長線上にあるのが本機である。
本来はガンキャノンの設計に若干の手直しを加える程度で量産する予定だったのだが、戦時下の状況を考慮し、先行していたジムの生産ラインを流用する形で設計を変更。
試行錯誤を重ね、このようないわば簡易量産型ともいえる形態へとなった。
ジムとの部品共有度は60%で、切り欠きの入った右肩部にガンキャノンと同じ口径の高初速型ロケット砲が1門取り付けられ、脚部に左右分割方式の増加装甲を取り付けることで、地上戦での安定性を保っている。
ジャブロー工廠にて48機が生産され、全機が実戦参加しているという。その内訳はティアンムおよびレビル宇宙艦隊へは14機、北米戦線へは6機、アフリカ戦線には19機配備、残りの9機はジャブロー防衛用に残されたと記録されている。
それ以外にもオーストラリア戦線で3機が確認されているが、これらの機体はジャブロー方面のものが一部まわされたとする説もある。
一年戦争中の特筆すべき戦果としては、北米方面に配備された機体がある。
反攻作戦開始後から約一ヵ月後に投入された本機はノーマルタイプのジムとの混成部隊を成し、キャリフォルニアベースを奪還した。
この北米方面配備機は冬季迷彩を施した姿が有名だが、これはキャリフォルニアベース奪還後から終戦まで使用されたパターンである。
また、アフリカ戦線における多くの機体はサンドカラーに塗装されていたが、その中でも「踊る黒い死神」ことリド・ウォルフ少佐の乗機として、他とは異なる黒いパーソナルカラーの機体も有名である。
だが、彼が本格的なMSパイロットとして頭角を著すのは、この機体からRX-77D量産型ガンキャノンに乗り継いだ後である。
一方、宇宙軍ではソーラ・レイによるレビル艦隊の壊滅で多数の機体が失われた事もあり、地上ほどの特筆すべき目立った活躍は見込めなかったが、宇宙軍第二連合艦隊所属の「不死身の第四小隊」に配備された機体などは有名である。
生産数の割にカラーバリエーションが豊富なのも本機の特徴。
各地で様々なパターンが確認されている。
戦後にはコクピット部分をリニア・シート方式へと換装するなどの近代化改修を受け、ジャブロー防衛の任に就いている。
その中の機体は何らかの経緯を経て連邦軍に編入された元ジオン軍のキラービー隊に配備されたもので、他の機体との混成部隊を編成していたという。
一部の資料にはこの機体にティターンズのマーキングが確認できるが、既に事実上放棄され空き家となったジャブローに捨て駒として置き去りにされていたに過ぎない。
なお、このジム・キャノンに続き、大戦末期にはより本来の量産化プランに近い形でRX-77D 量産型ガンキャノンなる機体もロールアウトしている。
依然としてジム系列の生産ラインを流用していた事に変化はないが、ガンキャノンに匹敵する高い性能を達成していた。
大戦も後期にあたり、ジムの大量生産を経て、いわゆる量産効果によりMS生産に携わる関連企業の技術力・生産力が底上げされた結果、こういった機体の量産が実現したのだという評論もある。
しかし、この時点でもまだ量産検討モデルの段階に過ぎず、ジム・キャノンⅡなど戦後の機体へとさらに繋がっていく事となる。
関連イラスト
バリエーション
RGC-83 ジム・キャノンⅡ