概要
外なる神の一柱。『時空そのもの』ともされる存在。
「門にして鍵」「全にして一、一にして全なる者」「原初の言葉の外的表れ」「外なる知性」「混沌の媒介」などの異名を持つ。
クトゥルフ神話における最高神『アザトース』の産物『無名の霧』から生まれた神性。
シュブ=ニグラスの夫、ハスター、ヴルトゥームの親とも言われている。また、クトゥルフを始めとする地球生息の旧支配者は概ね『これ』の子孫であるようだ。
人間との間に子を作ったという物語も存在するが、いずれも奇形となっている。
虹色に輝く球体の塊の姿をしており、現在では『全てに繋がり、どこにも繋がっていない場所』に追放されているという。
いかなる時間・空間にも自らを接続できる存在、または常に全てに隣接している(触れている)存在であるとされている。
時空を超えた知識を欲する人間が『これ』を求めることも多い。
ただし、『これ』の力で時空を通過するには『銀の鍵』なる道具が必要とされている。
この世全ては結局ヨグ=ソトースの一部であるともされるがヨグ=ソトース「本人」は現在は宇宙の外に追放されている。
「ダンウィッチの怪」にてキリストの最後のパロディととれる描写があることや、「一にして全、全にして一なるもの」「究極の邪神」「無限を体現するもの(無限そのもの)」などキリスト教の唯一神を意識していると考えられる描写や情報が多い。
化身
・アフォーゴモン
時間の神。その姿は何者にも見ることができないが、この神を冒涜して怒りを向けられた者はその限りではない。
人間と意思を疎通しようとする場合は崇拝者の体を通す。
時間と一体であるため自由自在に時間を止めたり、時間の流れから出たり入ったりできる。人間の精神の理解を超えた速度で移動したり、物品を移送することもできる。
過去をやり直したい者に追い求められるが、その支配領域を侵す者は怒りを買うことになる。
アフォーゴモンを怒らせると、ドリームランドにいて深淵にぶら下がっている巨大な石のいすに、裸で鎖につながれていることに気づく。そこで永劫の間座って報いを待たなければならない。最終的に加熱された鎖に焼き尽くされ、覚醒の世界で発見された遺体はすぐに「存在」しなくなる。裁かれた者に関するあらゆる知識、記憶、記録までが薄れて消えてしまう。
タウィル・アト=ウムルとも表記される。
門の導き手にして守護者としてのヨグソトースの一面。
人間の半分ほどの大きさで、人間に先行するか、または沿った輪郭を備えていたと描写される。だが、単なる肉体を遙かに超えた存在であることが見ただけで理解でき、姿にあまり意味はない。
ふさわしき旅人に究極の門を提供し、参入の儀式を執り行う。
夢見る人や旅人を案内する役も務める。
万物を知っており、人々の夢を現実のものとすることができる。テレパシーを使って交信する。
ふさわしき者であれば人間にも友好的な態度を見せる。
関係性
直接子供だとされる存在も多いが、設定を考察することで必然的にヨグ=ソトースの子供、あるいはその血縁であるはずの存在も数多い。
・造物主
アザトースから生まれた。ナイアルラトホテップと違い息子とされることはない。
アザトースが魔王であるのに対し、ヨグ=ソトースは副王。
・クトゥルフ
孫とされる場合と息子とされる場合がある。少なくとも縦の血縁関係があるということだろう。
・クタニド
クトゥルフの兄弟である以上、この旧神もヨグ=ソトースの孫、あるいは息子である。
・ウェイトリー兄弟
人間の娘との間に生まれた双子の兄弟。ヨグ=ソトースが産ませたというより魔術師が自分の目的のためにヨグ=ソトースと契約し、娘に孕ませたというほうが正しい。
弟のほうに名前がないため、資料で言及されるときはこのように呼ばれる。
兄は博士号を持つ優秀な若者。弟は不可視で巨大な怪物。
・ヤード=ザダジ
この旧神は「情け深い」ヨグ=ソトースの姿をしている。クトゥルフに対するクタニドのように何らかの血縁関係があると言われているが詳細は不明。
・イブ=ツトゥル(イブ=スティトル)
ヨグ=ソトースに仕える神。旧神との戦いにもバグ=シャースとともにヨグ=ソトースに付き従っていた。ナイアルラトホテプの息子だとされる。
・バグ=シャース
ヨグ=ソトースに仕える神。旧神との戦いにもイブ=ツトゥルとともにヨグ=ソトースに付き従っていた。イブ=ツトゥルの同胞。