TYTANIA
たいたにあ
概要
タイタニアとは、今作のタイトルであり、作中における事実上の人類宇宙の支配者たる一族を指す単語。トクマノベルズ、講談社文庫より刊行されており、アニメ化されている。
2015年2月4日、第5巻の発売と同時に完結する事が判明。2013年に発売された新刊は中断された期間が22年近くに及ぶ事からも話題となった。
ストーリー
広大な宇宙に進出した人類は多数の星間国家を築いたが、その大半は実質的にタイタニア一族の支配下にあった。星暦446年、宇宙都市国家エウリヤはある権益を巡るトラブルからタイタニアの攻撃を受けるが、意外にもこれを撃退してしまう。この戦いを機にタイタニアの覇権を快く思わない人々が動き始め、さらにはタイタニアの内紛も絡んで銀河は激動の時代を迎えようとしていた。
登場人物
ヒューリック一党
ファン・ヒューリック 28歳。
元エウリヤ軍士官、大佐。反タイタニア側の主人公で、髪の色はにんじん色の青年。
砲術戦に長けた若手士官で、その才能をケルベロスの戦いで発揮している。
一目観た時大半の人が受ける印象は、いい加減を絵に書いたような青年。
タイタニアに反旗を翻すことは無謀だと主張していたが、リラの一件でタイタニアに立ち向かう。
何を置いてもオムレツが好物。
エーメンタールで逃亡者としてタイタニアに追われていたヒューリックをかくまった少女。
カサビアンカ公国再興を目指す反タイタニア・グループのメンバーの1人。
ヒューリックに思う所があった模様だが、遂に成し遂げられず・・・。
元カサビアンカの皇女殿下。タイタニアに祖国を滅ぼされたが、元の王宮暮らしに執着することはなく、今の旦那と暮らすことに幸せを感じている。
皇女殿下、という面影は無く、寧ろ姉御肌である。
密輸船『正直じいさん号』の船長。ミランダの夫であるが、若い頃にタイタニアの拷問によって声帯を潰されてしまった。
声は出ないが、常に穏やかな表情をしている。
狐の様な雰囲気を持つ、元エウリヤ軍の士官、中尉。ヒューリックの元情報参謀である。
情報専門である以外にも、アニメ版では艦隊指揮も行った。
エウリヤ崩壊後、場所を転々としつつ、ヒューリックと再会、行動を共にする。
がっしりとした巨躯の持ち主で、元エウリヤ軍の士官、中尉。ヒューリックの護衛役である。
表情はまるで熊の様に愛嬌があるのが特徴で、性格も穏やか。
パジェス同様、ヒューリックと合流するために場所を転々とする。
元タイタニア軍士官、中尉。エーメンタールに配属されていた。タイタニアに秘密裏で密輸に手腕を遺憾なく発揮していたが、ミランダに弱みを握られ、泣く泣く成り行きで軍を抜ける事になった。
タイタニア
五家族
アジュマーン・タイタニア 40歳。第8代無地藩王。
銀灰色の髪をした彫刻的な容姿を持つ。
傑物であり、第2代当主ヌーリィの再来と呼ばれる冷徹な切れ者。
アリアバート・タイタニア 27歳。上将。
「軍事のアリアバート」と呼ばれるほどの、軍事面で四公爵中随一の実績を有する。
リディアから好意的に、イドリスから悪意を込めて「いい人」「善人」と評される温厚な性格をしている。
白っぽい光沢をおびた金髪、青灰色の瞳、端正ではあるが没個性と評される容姿の持ち主。
ジュスラン・タイタニア 27歳。上将。
軍事においては実戦経験が乏しいが、その知略と洞察力により「政治のジュスラン」と評され、四侯爵中、敵味方や内外問わず抜きん出た存在感を示している。
独身だがフランシアという愛人が1人いる。
アニメではタイタニア側の実質的主人公。
ザーリッシュ・タイタニア 26歳。タイタニア屈指の猛将。
勇猛な戦いぶりから初代藩王ネヴィルの再来と言われている。
配下に謀略家がいれば国家を打ち建てる能力の持ち主と言われるが、彼にに仕えている軍人たちは彼を絶対的存在と考えており、忠誠心に厚い反面、主体的な判断力に欠ける者が多い。
弟アルセスを嫌いぬいているものの、母テリーザには甘い。
イドリス・タイタニア 24歳。ヴァルダナ帝国近衛軍団司令官。
容姿はアリアバート以上の秀麗さであり、才気も備えているが、常に傲岸不遜な態度で、何かといえば周りに波風を立てている。
最年少であり、四侯爵の中で最も上昇志向が強く、次期藩王の座を狙っていることを隠そうともしていない。
その他一族
アルセス・タイタニア 23歳。
ザーリッシュの弟。母親に溺愛されるが、ザーリッシュからは厳しい目で見られる。
美貌や学力では兄に勝るが、拷問好きかつ他人にやらせてそれを鑑賞する、等の猟奇的趣味が災いして、一族からは軽蔑の目で見られている。
エストラード・タイタニア 42歳。軍務大臣。
ヴァルダナ帝国侯爵で、アジュマーンの異母兄で、実は藩王の候補でもあった。
弟に抜かれた事を、少なからず根に持っている節があり、それを取り巻きに利用されてしまう。
しかし、誰も予想しない意外な結末を迎えてしまう。
バルアミー・タイタニア 18歳。ヴァルダナ帝国子爵。
エストラードの長男。野心家で、父のエストラードこそが、藩王に相応しいと思っている。
ジュスランの高級副官となるが、事実上の職務はリディアの子守となっている。
完全にジュスランの配下になったわけでない、と気を張っている様子が見られる。
フランシア 18歳。
ジュスランの小間使いであり、愛人でもある女性。容貌は美女と言って差し支えないが、本人はジュスランの傍にいること自体に幸せを感じ、常に控えめに振舞うため、物足りなさを感じさせている。
見かけによらず行動力もあり、単身でジュスランを助けようとする。
リディア 10歳。エルビング王国第二王女。
タイタニアに借金を返せなくなってしまった為、自らが人質となる事で安全を確保しよう、単身でタイタニアに向かう。行動派でかつ天真爛漫かつ聡明な少女。
本音をはっきり言う性格が、本音を隠す生き方を強いられてきたジュスランに気に入られる。
また、時折物事の核心をついた発言で高く評価されてもいる。
テオドーラ・タイタニア 伯爵。
若い女性で、庶民出身者。爵位を受け、タイタニア一族になる。
イドリスに負けず劣らずの野心家で、相続争いで優位になるようにイドリスに迫った他、ジュスランやアリアバートにも接近するなど、行動的でもある。
ラドモーズ・タイタニア 17歳。
イドリスの弟で、粗暴な性格を持つことで度々起きる問題にイドリスの頭を悩ます。
根は兄の為、と思っているようだが、それが実力で出てこない。