プロフィール
CV | 矢作紗友里 |
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概要
反タイタニア・グループのメンバーで、カサビアンカ公妃の元侍女の孫。
タイタニアに追われていたヒューリックをかくまった。
カサビアンカ公国元大蔵大臣の遺児フロリモンド・デ・ボーアと恋人同士で、二人で公国再興ごっこをやっている。
カサビアンカの元王女ミランダの妹分でもあり、信頼も厚い。
作中の活躍
200年間負け知らずだったタイタニア軍を撃退するという大殊勲を上げたにもかかわらず、大人の事情でエウリヤ軍をクビになったファン・ヒューリックが民間の職を探すため惑星エーメンタールにやってきた際に出会い、職業案内所を紹介する。
しかし、直後にアルセス・タイタニア伯爵以下のタイタニア側がファン・ヒューリックを連行してしまい、味方に付き爵位を得るか、敵対して犯罪者になるか迫ったため、デ・ボーアと二人でファンを誘拐する。 この誘拐のためにヒューリックは事実上の逃亡者にされてしまう。
その後、ファン・ヒューリックはカサビアンカの元王女ミランダの(半ば強引な)勧誘で密輸を専門として扱う「正直じいさん」号のクルー(事務次長)となる。
その際、リラはエーメンタールに残る事になり、ファン・ヒューリックと次の再会を期し、再び宇宙へと旅立つ彼を見送った。
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注:これから先はネタバレを含みます。
悲劇の結末
反タイタニア派の英雄ファン・ヒューリックを逃がしたのち、デ・ボーアの2人と共に彼の行方を探していた4公爵ザーリッシュ・タイタニアの弟であるアルセス・タイタニアに捕縛され、手荒な尋問を受ける。
デ・ボーアが拷問を受ける一方で、リラもアルセスの部下の男たちから女性として最悪の屈辱を受けそうになるが、直後にアルセスに一矢報いようとし、アルセスと共に肉食魚のいる水槽へと落ち、彼女だけが死亡してしまう。
…という情報のみが小説版ではミランダ元王女の口から説明される。
(アニメ版では、デ・ボーアがリラを売った展開になった挙句、ファン・ヒューリックを再びおびき出す為に利用されたあげくに同じく死亡している。)
彼女に少なからぬ感情を抱いていたファン・ヒューリックはこれを聞いて激怒し、躊躇していた反タイタニア派への合流を決意する。
その後、ウラニボルグに逃げ出そうとしたアルセス・タイタニアを乗艦ごと抹殺する、アルセスの死に取り乱す母テリーザをなだめるためファンの逮捕に向かってきたその兄ザーリッシュ・タイタニアを返り討ちにする、ポニー(いんちき)戦争においてアリアバート・タイタニア艦隊を海中におびき寄せて壊乱させるなど、
作品刊行が一時停止する第3巻までに『ファン・ヒューリック無双』ともいうべき活躍を発揮し、物語の第3軸(というか、見方によってはこっちがダントツのメインであった)としてストーリーを牽引していった。
本当の悲劇
そんなこんなで、アニメ版でもリラとファンの悲恋にリソースが割かれているは、原典でもファンの大好物であるオムレツが得意…というよりもろに彼好みの容姿であるという、誰がどう見ても反タイタニア派の正ヒロインであったにもかかわらず、
物語序盤で今作『タイタニア』における『皆殺しの田中』の一人目の犠牲者にされてしまうという悲劇のヒロインというのが彼女のポジションであった。
しかし、ある意味での本当の悲劇は22年ぶりに刊行が再開された第4巻とラストの第5巻であった。
『天の城(ウラニボルグ)』事変と銘打たれたタイタニア一族間の紛争では、ファン・ヒューリック一党は当初、タイタニアの本拠地であるウラニボルグの実権を掌握してアリアバートとジュスラン・タイタニアの連合軍と対決したイドリス・タイタニアの客分として招かれていた。このパートでは、テオドーラ・タイタニアやラドモーズ・タイタニアといった今までただの端役でしかなかった人物にスポットが当てられていった反面、
ファン・ヒューリック以下の反タイタニア派そのものが『干されたポジション』に移動させられるという憂き目に遭う。そして、特に何の活躍も無く、結局ウラニボルグから離脱してしまう。
この誰得な方針転換には多く往年の読者からも疑問と不満が寄せられる事態となったが、最終巻ラストでも『ただウロチョロしただけで終わった』と読者から形容されるだけの内容----母組織である宇宙海賊としての「本来の仕事」と嘯きながらタイタニア一族の財産をネコババしてまわった----で物語は終了した。
つまり、リラ・フローレンツという一ヒロインの死はインパクトこそ大きかったものの、物語の最後までその趨勢に直接の影響を与えることはできず、ともすれば犬死としか解釈できない結末となってしまったのだ。
(あるいは、作者が読者のニーズに構ってられなくなっただけなのか…)
こうした経緯を辿った為かは不明だが、現在『タイタニア』を専門家()が解説する際には「『タイタニア』という作品は、あくまで『タイタニア一族間の権謀術数』がメイン」という注釈が強調される向きがある。
(その度に古参読者が「絶対に原作を読んでないな…」となるのはご愛敬…でもない)