御剣信 とは 逆転検事2に登場する弁護士である。
CV:綿貫竜之介(テレビアニメ版)
登場作品
人物像
逆転検事の主人公御剣怜侍の父親である弁護士。作中では故人であり、息子が9歳の頃に、ある事件の閉廷後に裁判所のエレベーターで殺された。享年35歳。
その事件は後に「DL6号事件」と呼ばれるようになり、逆転裁判の前期主要人物たちに大きく関わってくる。
生前は御剣法律事務所の所長をしており、当時はかなり有名な弁護士だった。助手としてまだ弁護士を目指して勉強中の信楽盾之を育てており、弟子のことを大切に思っている。現在御剣法律事務所は、彼の意志を継いだ信楽が所長を務めている。
性格は至って冷静沈着で真面目だが、怜侍よりは堅苦しくはなく社交的である。
逆転裁判一作目の時点では写真のみでしか登場せず彼の人物像や本名も不明だったが、逆転検事2のあるエピソードでは彼を操作することになり、そのエピソードで信の人物像などの設定がが掘り下げられた。
弁護士として
“発想の逆転”と“弁護士はピンチの時ほどふてぶてしく笑う”を作中初めて実践した弁護士であり、基本的に本当にピンチになった時にしか笑わない。
その僅かな可能性、わずかな捜査機会も諦めずに活用する弁護姿勢は、信楽弁護士に強く影響している。
彼の弁護スタイルは成歩堂龍一や綾里千尋とよく似ており、千尋の元所長であった星影や信楽から父の話を聞いた怜侍もよく似ていると述べている。
二人の大元はかつての神乃木荘龍が信と同じスタイルを実践していた為で、それは神乃木の後輩である千尋、そして千尋から弟子の成歩堂に受け継がれていった。信と神乃木が実際に面識があったのかは不明。
また、幼き日の怜侍が法曹界に関心を持ったのも父の姿の影響であり、「DL6号事件」までは父親と同じく弁護士を目指していた。
私生活
息子に対しては必要以上に甘やかすことはしないものの、良き父であろうと努めており、とても大切にしている。幼くして六法全書を読み漁る怜侍が、学校でうまく友達を作れているのか心配している(成歩堂や矢張との出会いはもう少しのちの話)。
捜査中もふとした拍子に息子のことを思い出し、事件が解決したら息子と一緒に人気料理番組の「ダンスイーツ」を見ようと考えている。
紅茶を好んでおり、その趣味は息子と共通している。怜侍は小さい頃から裕福であったらしいが、信の金銭感覚は大人になった怜侍よりも至って普通で、捜査の後に信楽と一緒にラーメンを食べに行くなど、息子と違い庶民的な感覚の持ち主である。
アニメ版では第13話のアニメオリジナルエピソード『逆転の約束』にも僅かながら登場。怜侍と夕飯を取る前に当時成歩堂や矢張の間で流行っていた子供向け番組『大江戸交通安全シグナルザムライ』を見たがった怜侍に対して『普段ニュースしか見ないのに珍しい』と評したり、犬を飼いたいという怜侍の希望を微笑みながら許可したりなど、親子関係は良好だったことが伺える。
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以下ネタバレ
「検事2」で起きた「IS-7号事件」でパティシェ天海一誠被告の弁護を担当し、その菓子つくりへの愛情と無実への確信から死体消失の隠蔽、解剖記録の偽造と手段を選ばない狩魔豪検事と、一年に渡って戦い続ける。
最後は検事側の緒屋敷司に冤罪を押し付けるという脅迫によって天海被告が虚偽の自白を余儀なくされる。
馬堂一徹刑事と協力して自白が脅迫によると証明し、狩魔豪も処罰を受けたものの、有罪判決は覆らなかった。
失意のうちの結審当日に「DL6号事件」が発生。裁判を見に来ていた息子と共に帰ろうとしてエレベーターに乗ったところ、地震が発生して裁判所は停電。息子とたまたま乗り合わせていた係官の灰根と共にエレベーターに閉じ込められ、酸欠から気が狂った灰根と揉みあいになる。二人の争いを止めようとした怜侍が、灰根が持っていた証拠品の拳銃を投げたところ暴発。その音と酸欠状態から三人は意識を失ってしまった。
その直後に電気が復旧し、たまたまエレベーターの外にいた狩魔豪が、他の二人と共に気を失っていた信を発見。豪は「IS-7号事件」での裁判で、今まで完璧だった経歴に「処罰」という汚点を刻んだ信を憎んでおり、落ちていた拳銃を拾い迷うことなく信の心臓に向かって発砲した。
つまり信は、自分が誰に殺されたのかもわからないまま死亡した。この事が後に息子のみならず、「逆転裁判」の前期主要人物ほぼ全員の運命を捻じ曲げ、大きく狂わせる事となってしまった。
その遺志と孤独な依頼人を最後まで守り続ける弁護のあり方は、御剣法律事務所の二代目所長となった信楽弁護士に受け継がれた。
またIS-7号事件の真相調査は、数奇な運命を経て息子の御剣怜侍が担当することになる。