身柄を拘束すること。日本国憲法33条で現行犯として逮捕される場合を除いては、逮捕令状がなければ逮捕されないと定められている。
概要
犯罪や法律に違反する事を犯し、または犯したと疑われる者（被疑者）は、警察官や検察官に逮捕される。被疑者の逃亡や証拠隠滅を阻止するためである。
ただし警察官であっても誰でも彼でも逮捕できる訳ではなく、原則として逮捕するには裁判所から発行される「逮捕状」が必要である（通常逮捕）。この原則の例外となるのは「現行犯」（現行犯逮捕）。「現行犯逮捕」は警察機関の人間でなくても、誰でも可能である。
またもう一つの例外として、急を要する場合はまず身柄を確保してから逮捕状を請求する「緊急逮捕」という手続きも定められている（これは刑事訴訟法に定められている手続きだが、上記の憲法33条との絡みから違憲説もある）。
逮捕状を持って警察に身柄を拘束される事を逮捕と呼ぶ訳だが、今ここに書いたとおり逮捕とは警察による被疑者の身柄の拘束のみを指すものであり、犯罪者である事が確定する事とは異なる。
警察とて無根拠に動いている訳ではないのだが、警察も人間である以上は誤認や調査不足などによる間違った逮捕と言う可能性は常に存在し、裁判を経て各種証拠などを検証し有罪判決が出て初めて公式に認められた犯罪者となる。
しかしながら、警察に容疑をかけられている時点で何かしらあるのだろうという風潮に加え、この段階でマスコミが大々的に報道を行ってしまう事、そしてその後無罪であったことが分かっても名誉回復がなされる事が滅多に無い事から、世間一般では「逮捕＝有罪」と言う認識を持ってしまっている人が少なくないのが現状。
繰り返し述べたように、逮捕されることを以って犯罪者であることが確定する訳ではない。あくまで、裁判で有罪判決が出るまでは『犯罪者』とはならないので、その点誤解のないように!!
なお法律違反を犯した被疑者となっても、その全てが逮捕されるとは限らない。犯した罪の程度や、逃亡の恐れがなく、捜査に協力的などの理由で逮捕に至らない場合もある。この場合は後日在宅起訴されるなどの措置が取られる。
なお、法的根拠が無いのに他人を逮捕すると「逮捕・監禁罪」と言う罪に問われる。警察・検察官でない者（俗に言う逮捕権を持たない者）が逮捕を行う事はもちろん、警察官や検察官が不当に人を拘束した場合も不法行為となる。
ただしこれにおいても「現行犯」に対しては例外とされ、一般人でも、また逮捕状がなくても独断で
逮捕を行う事ができる。当然、一般人が現行犯を逮捕した場合、速やかに警察に通報の後引き渡されるべきであり、それ以上の拘束を行うと罪に問われる可能性はある。
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