機体説明
型式番号MSA-0011[Ext]。Sガンダムの攻撃/防禦強化型重装形態。機体名称の「Ex-S」とはExtraordinary-Superior(エクストローディーナリィー・スペリオル)の略称である。
Sガンダム本体と併行して開発されたブースター・ユニットを装備しており、ノーマル形態に比べて全備重量は8割増しになるがその推力は11倍になる。そのため他のMSのフルアーマー形態に見られる機動力の低下が本機体には見られない。
この形態はRX-78の頃から念願だったMS←→巡航形態を実現し、しかもMSの戦闘力も極限まで高めたスペシャルバージョンである。また、強大な出力を活かしてMSとしては珍しいIフィールド・ビーム・バリアを装備している。コックピット周辺に数秒単位で発生させる程度のものだが、ALICEシステムの無傷回収を至上命題とする本機体においてはパイロット保護の観点からしても非常に有用である。
だが、実はこのMS形態への変形は意図されたものではなく、パーツの可動だけで偶然MS形態とGクルーザー形態を行き来できただけである。
メインはあくまで巡航形態のGクルーザーであり、MS形態はExtra(おまけ、余計な)形態なのである。
追加武装
背部ビーム・カノン×4門
Sガンダムの背部ビーム・カノンは1対2門だったが、本機体のブースター・ユニットには2対4門が装備され、火力が増強されている。
胸部Iフィールドジェネレーター
胸部パーツの変形時の応力に対する強化を兼ねたIフィールドバリア発生装置。コクピットの防御も兼ね、機体各部の4か所のジェネレーターから常にエネルギーをチャージし、着弾時にコクピットを中心に秒単位でバリアを発生させる。ビグ・ザムやデンドロビウムのような大型MAのように常時発生はできないが、この時代の20m級機体はバイオセンサーを発動でもさせない限り、高級機でも似たようなスペックである。
リフレクター・インコム
膝部ニークラッシャーに代わり装着されるユニットに収納されている。局所的にIフィールドを発生させることができるようになっており、有線式のポッドを射出した後に機体から発射したビームをこれで反射することにより、疑似オールレンジ攻撃を行うことができる。機体に搭載された多数のビーム兵器とこのリフレクター・インコムの組み合わせは、コンピューターが最適値を求め、より効果的な攻撃を行うことが可能である。一方でとんでもなく複雑な計算を要求する性質上ALICEのサポート抜きではまず使えず、エネルギー容量の関係から1度しか作動させることができない。(元来のセンチネルの表現は、ニュータイプ描写には否定的であり、後年の文献やゲームで言われるNTがらみの描写は全て後付けである。敵のビーム攻撃を反射することも可能…というのも後年のゲームでの後付け。
)それでも思いがけない所から攻撃をかけられるのは大きなメリットであるが、熟練パイロット相手には挙動を読まれることがある。またこのユニットにはビーム・サーベルが内臓されている。
外部出演
Gジェネレーションシリーズ
Sガンダムから開発可能。
MS形態ではシールドが無いため物理攻撃に対するダメージ軽減策が無く、防御力は低め。
対して攻撃面では貫通BEAMのビームスマートガン、支援に最適なビームカノン、そのビームカノンを上回る射程を誇り特殊射撃の為ダメージが軽減されにくいインコムと充実のラインナップとなっている。
Gクルーザー形態ではビームスマートガンが使えなくなるものの、インコムが引き続き使えるので前線に急行しつつ援護も出来る柔軟性を持つ。
また原作再現の一環としてALICEを搭載し、ユニットのHPが30%以下(ゲージが赤色になる領域)になると機動力・防御力が+20される。登場するパイロットに底力(HP50%以下で攻撃・防御力が最大+25)を習得させると攻撃・機動力が最大で+25、防御力が+45され、ユニットの育成次第であるが体力が減ってから勝負のユニットとなる。
また近年の作品ではプレイヤーが育成した状態のユニットが敵増援として登場する事が多いので、そうなった場合は支援をフル活用して一撃で倒そう。で無いと、ALICE発動で倒しにくくなる。
カラーリング&ポージング
劇中では青・赤・白のガンダム・トリコロールに塗装された機体が活躍したが、ムックに掲載されたカトキハジメ氏の画稿による、白と青を基調にしたスプリッター迷彩パターンも高い人気を誇り『Gジェネレーション』シリーズなどでも採用されている。また、同画稿のビーム・スマート・ガンを前面で支えたポーズは本機体のトレードマークとされており、Pixivにおいてもこのポーズで描かれたEx-Sガンダムは多い。
また、パロディ・オマージュとして他のキャラクター(多くの場合『長い得物』を持ったキャラクター)がこのポーズをとっている絵も多く見られる。
関連イラスト
MG Ex-Sガンダム
2003年に1/100スケールのマスターグレードモデルとして発売された同機体のガンプラ。複雑なGクルーザー形態への完全変形を可能としている。その総パーツ数は604個にも及び、製作にはかなりの手間と時間を要する。完成後変形させるのにも一苦労である。
そのため、発売から10年以上経った現在でもHGUCデンドロビウムと並んでガンプラ界のラスボスの一角、初心者が手を出してはいけないガンプラとして話題に上がる。
だから、危険だって言ったのに…