概要
1994年にカープファンであった中沢啓治による描き下ろし作品であり、戦後の焼け野原となった広島に誕生した広島東洋カープの史実を交えつつカープに熱狂する当時の市民、そして初優勝までを描いた作品。
カープの資金難に対しそれを応援する市民による後援である「樽募金」、熱狂のあまり「暴挙に出るファンの行動」は概ね史実に則って描かれている。
現在、マツダスタジアムにはこの広島カープ誕生物語の登場人物の銅像が建立されている。
ストーリー
原爆投下による壊滅的被害を受けた広島の地で、戦災孤児となった主人公・「大地進」は親友と共に、呉の進駐軍相手に物資を賭けた野球に明け暮れる日々を送っていた。
ある日、広島にプロ野球チームが誕生する事を知り狂喜する。しかし、球団の資金難による解散危機を経てカープは苦難を歩んでいくのだった。
反響
この作品は1994年に発行されたが、それほど売れ行きが良くなく絶版となっていた。2014年に復刊している。しかし、2016年のセ・リーグ優勝の際は再びこの作品が脚光を浴びる事となった。奇しくも初優勝と同じく25年ぶりで、対戦相手が巨人というなんとも不思議な一致である。
本作で描かれるカープファンの暴走はネット上でネタにされることが多く、中沢の漫画作品としては『はだしのゲン』に次いで知られている作品であると言っていいだろう。