概要
脳噛ネウロが状況に応じて使用する、身も蓋もない事を言えば「ドラえもんのひみつ道具」。単行本のオマケページではタイムマシンなんていう反則なものも出てきたりしている。
名前の読みは「イビル○○」。
作中では捜査や戦闘で使用されるものが多かったが、実際に使われた道具は(原作だけでなくアニメやゲームオリジナルのものを含めても)60に満たない為、イビルステーションのように探偵と関係ない日用家電品的なものも結構あるのかもしれない。
なお読み切り版の名称は『魔界77ツ道具』であり、だいぶバリエーションが少ないものだった。
魔帝7ツ兵器(まていななつどうぐ)
777ツ能力の上位種とも言えるもので、魔界でも数名しか持てない非常に貴重なもの。また莫大な量の魔力を使用するため、魔力を温存せざるを得ないネウロは滅多にこれらを使用しない。
使用したのは五つで、残りの二つは不明。
登場した魔帝7ツ兵器はすべて五行思想における5つの属性だが、「七曜に対応しているのではないか」という考察もあるので、残りはイビルムーンとイビルサンなのかもしれない。
下記の一覧は原作本編で使用したものに限る(単行本のオマケページなどで使われたものもあるが除外)
魔界777ツ能力一覧
- 魔界の凝視虫【イビルフライデー】
- 目玉に脚が付いたような見た目の虫。大量に存在しており、それぞれが個別に活動して監視や偵察等様々な雑用を行う。目の中身は結構機械っぽい。
- 最初に使用された能力であると同時に、魔力のコスパがいいのか、その後も常駐している様子がうかがえる。羽や耳を生やすことも可能で、1体は常に弥子を見張っている。
- 異次元の侵略者【イビルスクリプト】
- 手を介して電子の海に入り込む最強のハッキング能力。データを盗み取るのが基本的な使い方だが、意識をフルダイブさせることも可能。
- 断面への投擲【イビルジャベリン】
- 腕を刃物に変化させてぶった切る。物理的な攻撃力は存在せず、通過した物質の原材料といった情報を解析する。
- 見た目はあまり投げ槍(ジャベリン)っぽくはない。
- 無気力な幻灯機【イビルブラインド】
- 範囲内の物体の存在の解像度を下げる能力。端的に言えば、効果がマイルドになった代わりに効果範囲が広がった石ころぼうし。無機物にも効果を及ぼせる。
- この効果を受けたものの存在や何か動きをしていることは把握できるが、その具体的な内容には目がいかなくなる。また、存在そのものの解像度を下げるため、レーダーを無効化する効果もある。持続時間はやや短め。
- その性質上、この能力を知っておりかつ極めて観察力に長けた相手には気づかれ得る。
- 魔界の追尾蟲【イビルストーカー】
- 特定の人物をストーキングする虫。イビルフライデーでも代用可能な気はするが、後述のイビルステッカーと組み合わせることが前提のようだ。
- 拷問楽器「妖謡・魔」【イビルストリンガー】
- 弦を持たない弦楽器であり、人に寄生して神経線維を引っ張り出してそれを弦代わりにする。中々エグイ。
- 卑焼け線照射器【イビルロウビーム】
- 目に照射することで、網膜に映像を焼き付けて特定の映像が常に見えるようにしてしまう。
- 毒入り消毒液【イビルキャンセラー】
- 周囲との色彩差を相殺する効果のある消視液であり、この液をかけたものは見えなくなる。ドクロが描かれているが、人体への悪影響は多分ない。
- イビルブラインドが石ころぼうしなら、こちらは透明マントといったところ。範囲の限定が無く持続時間も長いが、音や匂いなどはそのままである。
- 孔雀色の絵の具【イビルコクーン】
- 人の背中に塗ることで、その人が化け物に見えるようになる。
- 目潰し目薬【イビルドロップ】
- 目に注すことで目から破壊光線が出る。
- 生まない女王様【イビルバジャー】
- 人の胃に寄生して脳を支配し、特定の1つの食べ物を求め続ける体質に変化させる。本来の名称は「産まない女王蟻」で誤植により名前が変わったが、単行本でもオマケページでツッコまれただけで(今後出番がなさそうという理由で)修正はされていない。
- 追尾蟲の追尾蟲【イビルステッカー】
- イビルストーカーの探知器。近づくほどステッカーを貼った部分が立つので、中指に貼ってしまうと…
- 虚栄の兜【イビルフルフェイス】
- シンプルな煙幕。そのためだけに使われたので、他の効能があるのかは不明。
- 泥の指輪【イビルディパーシー】
- ネウロが髪の先端にいくつも付けている三角形の髪飾り
- 髪を後ろにまとめ上げてこの電池を集めると、治癒の失速同様に魔力を僅かずつ回復する
- 噛み砕くとある程度まとまった量の魔力を得られるが、上述の魔力回復効果は減衰する
- それ自体が魔力を有していることもあって、死体の髪に付けたら髪だけで生き返った、その髪は引き抜いてカツラの様に使える、そのカツラをずっと付けていると意識が逆転しかねない、という中々に異常な効能をもたらす
- カラーバリエーションがあるらしく、ネウロが付けているのは黄色だが、作中ではピンク色の物も登場した
- 禁断の退屈【イビルステーション】
- 立体映像を見られる魔界のゲーム機。映像なのに物理的な干渉もしてくる。
- ネウロがプレイしていたのは地上のジャンルに例えると恋愛シミュレーションのようなものらしいが、とてもそうは見えない。
- 地獄の地獄耳【イビルバタフライ】
- 魔界の盗聴器。親機を壁に取り付けることで音を拾い、子機を耳に付けることでその音を聞くことができる。
- ただし子機はたまにくしゃみして、とんでもなく長い針を突き刺す。普通に死ねる。
- 理性の媚薬【イビルアンプル】
- 脳内の伝達物質の回転速度が2倍になる薬剤。
- 理性的逆上【イビルファンブル】
- 醜い姿見【イビルリフレクター】
- 飛んできた飛び道具を方向だけ180度反転させてそのまま返す鏡。
- 惰性の超特急5【イビルレイピッド】
- 1秒でマッハまで加速する文字通りの超特急。当然人間が乗るとGに負けて体が引きちぎれる。
- 城壁の苔【イビルサラウンダー】
- 金属を餌とする魔界の植物。餌に近づいた敵を攻撃する習性がある。
- 足音の化石【イビルセンティピード】
- 周囲の人間が今いる場所で過去にどれだけ歩いたかを示す。これ自体一応靴らしいが、ムカデみたいであまり履きたい形状はしていない。
- 花と悪夢【イビルラベンダー】
- ドリルみたいな形の近接攻撃用能力。相手に刺すことで花開くが、花弁の形はよく見ると人の手みたいである。
- 銀の被雷針【イビルプレッシャー】
- 筋肉繊維をズタズタに引き裂く魔界の電流を流す。
- 素直な二枚舌【イビルテイスター】
- 舌に付けることでしょっぱさと甘さ、辛さと苦さがあべこべになる。魔界にも人間界同様の味覚は存在するのだろう。
- 拒食の工兵隊【イビルカーペンター】
- 巨大な工兵とその背に配備されている多数の工兵からなる工兵隊。イビルマッドを解体するために使われた。
- 激痛の翼【イビルトーチャラー】
- 3対の翼から成るネウロお気に入りの能力。特殊能力は持たないが、使用者の最もやりたいことを察して自在に動く。本気でキレたネウロがこれを使うと、洪水テロを行った大量殺戮者ですら可哀そうに思えるほどの拷問用能力と化す。
- この拷問は1話丸々使って行われたが、作者としては2話分使いたかったらしい(引かれそうなのでやめた)
- 手掘りの土竜【イビルガントレット】
- 頭にガントレットが付いているモグラで、その部分で相手を掴んで拘束する。よく見るとモグラ部分は割とそのままなので、777ツ能力としては珍しく結構かわいらしい。
- 透け透けの鎧【イビルサーフェイサー】
- 治癒の失速【イビルストール】
- 身に着けておくことで空気中の魔力を集め、じわじわ回復する。ただし大きく動くと集めた魔力が霧散してしまうためほとんど動けない。言わば点滴のようなものであり、「これで魔力を回復しても全く味気ない」とネウロは評しているので、よほどのピンチでないと使われない。
- 登場したのはシックス編だが、HAL編でも描写が無いだけで使っていたのかもしれない。
- 射手の弛緩【イビルスリンガー】
- クソでかいパチンコ。人一人なら余裕で弾き飛ばせる。
- 硫酸の粉雪【イビルブリザード】
- 簡単に言うと、"溶ける"雪を降らせる能力。ただし雪ではなく雪に触れたものが溶ける
- 10巻の番外編、『苦【くるします】』にて使用
魔帝7ツ兵器一覧
- 深海の蒸発【イビルアクア】
- 最初に使用された7ツ兵器。
- ネウロの数十倍もある超巨大な魚型の主砲1つと、それよりは小振りだがやはり数m程度はある6つの副砲から同時に極太ビームをぶっ放す。シンプルなクソ強遠距離攻撃。醤油差しでは無い。
- 朽ちる世界樹【イビルツリー】
- 国を喰う土地【イビルマッド】
- 飛んで虫に入る火【イビルファイアー】
- スズメバチなどの虫の要素を掛け合わせた巨大なキメラのような見た目の兵器。使用者と共に高速で飛ぶ能力を持ち、魔力が少なく出力不足の状態でも余裕で亜音速のステルス機を追跡できるほどの機動力を持つ。見た目に火の要素は特にないが、素材は火なのだろうか。単純にバックファイアー(ジェットエンジンなどでエンジン後方から排出される炎のこと)のことかもしれないが。
- 過去に「(空など)飛べるはず無かろう」なんてほざいていたネウロだが、実際その気になれば飛べたわけである。
- 五行において火は金を溶かす「火剋金」という関係にあり、特殊な金属を扱うシックスとの最終決戦で使われた。
- ちなみに『FireFly』は、『蛍』を意味する英単語である。
- 二次元の刃【イビルメタル】
- 干からびる程莫大な魔力を要求し、更に召喚にも時間がかかるが、その分最強の攻撃性能を誇る兵器。「斬る」という過程を省略して「斬った」という結果だけを出力する能力であり、一度使用されれば魔界王ですら防げず斬られることが確定する。
- シックスとの最終決戦で使用したネウロの切り札であり、最後に発動された魔界777ツ能力/魔帝7ツ兵器である。シックスのルーツである武器職人としてのお株を奪うかのような『あらゆるものを切断できる究極の刃物』で勝敗を決した。図らずしも最後は金と金同士の対決となった。
- なお、最後に発動されて勝敗を決したのはイビルメタルだが、最終決戦の締めくくりを担ったのは最初から最後まで登場し続けたイビルフライデーである。フライデーが日本語で金曜日なのは、決して偶然ではないだろう。
- 見た目の元ネタはGペンだと推測されており、「作者がGペンを引けば"全宇宙一硬い物質"だろうが、逆に"何よりも柔らかいので切れない物質"だろうが立ち所に両断でき、漫画の表現上切るという過程はなく、切ったという結果だけが残る」という漫画作品の最強能力としてある種半分メタ的な能力とも言える。名前が四次元などではなく二次元なのもこれを踏まえると納得である。また、ペンは剣よりも強しを体現している(物理)ほか、シックスにジャーナリストである笹塚衛士の父親・兵士(へいじ)が殺されたことに対する意趣返しの意味合いも含まれているという考察もある。