概要
『ワンナイR&R』はフジテレビ系列で放送されていたお笑いバラエティ番組。主にコントを中心に構成。元々はエブナイという番組名であったが、放送枠を転々とする間にワンナイに改名し、最終的に水曜十時の枠に収まり「水10!ワンナイR&R」に落ち着いた。
放送期間は2002年10月9日(前身番組を含めれば2000年10月19日)から2006年12月20日まで。
雨上がり決死隊、DonDokoDon、ガレッジセール、ペナルティなどがレギュラー出演していた。
名物キャラクター
ワンナイは数多のコントキャラクターを生み出してきたことでも有名である。使い切りのキャラも含めると100を越える数である。
その中でも代表的なキャラクターを選別し、解説する。
松浦ゴリエ
ガレッジセールのゴリ扮するスーパーガール。恋に命をかける女前であり、凄まじい身体能力で大立ち回りを演じる女傑である。
大学のクラスメートである川ちゃんに一途な思いを抱いており、川ちゃんのためなら比喩表現抜きで何でもやってのける。ただし川ちゃんは女好きのジゴロであり、ゴリエのことは邪険に扱っている。しかも最終回前には彼女に会っていた時点ですでに結婚していたとしれっと話したため、ショックからくずの二人の制止を振り切り「この世からドロンする」といい、姿を消した。
しかし実は死にきれずに北海道を旅しており、吹雪の中彷徨っていたところを食堂を営む男性ジョージに拾われ、それ以後彼と暮らしていたが、突如妻と別れた川ちゃんが現れ、プロポーズされるも一度は拒否する。しかし、ジョージも実は既婚者であり、「こんな事二回もあるか?」からかう川ちゃんに対し「一回目はお前じゃろがい!」と怒るもプロポーズを受け入れ、川ちゃんと結婚した。
ワンナイキャラの代名詞であり、そのある意味生々しい女らしさから女性ファンも多かった。
デビュー曲『Mickey』にて紅白出場も果たした。
くず
元ヤクザの二人組であるHIRO(宮迫博之)とANIKI(山口智充)で結成したスーパーデュオユニット。コント内のキャラクターであったが、二人の歌唱力の高さから実際にCDデビューを果たし、大ヒットシングル『全てが僕の力になる!』にてオリコン初登場一位を獲得した。
最終回では川ちゃんとの失恋のショックで生きる希望を失っていたゴリエを励ますも、彼女は「みんなのいないところにいく」といい北海道へ行ってしまった。そして3年後、HIROはハゲた姿で、ANIKIは太った姿となって路上ライブを行っていた。そこに「ゴリエどこに行ったかしらね?」と聞いてきた川ちゃんを「3年間もほったらかしにしたくせに何言ってんじゃお前は!?」一喝し、ゴリエからの手紙を託して彼女を探しに行くよう促した。そしてラストではゴリエと川ちゃんの結婚式で「すべてが僕の力になる!」を演奏した。
ホトミ
蛍原徹演じるゴリエの同級生で、口癖は「ホトミよ~」。大のケチャラーで常にケチャップを携帯している。ドMでありいつも同級生で彼氏のヒロシにいじめられている。
番組終了後は「めちゃイケ」の「恋のかま騒ぎ」に出演している。
落武者
ゴリ演じる自称「正義のバブル侍」。上半身裸で、頭に矢が三本刺さっている。女性(小池栄子)が落ち込んでいるところを現れて陽気に慰め、最初は仲良くなるものの調子に乗って「付き合っちゃわない?」などと口に出すと小池の態度が一変し、「嫌だ、気持ち悪い」と断られて、落胆してぼそぼそした声になり変態的な事を言い出す、というコントのキャラだった。男性を慰めた事もあるがやはり結末は同じ。
何度か番組の企画でタイや韓国の軍隊や日本の応援団に入って修行していたこともあるが、真面目にやらずに周囲に当たり散らすなど、そのあまりの情けなさに小池を呆れさせ、さらには本当に泣かせてしまったこともある。
最終回では関わっていくうちに完全に打ち解けた小池と結婚し、政治家として活動している。
オンディーヌ
ゴリ演じる貴族。居合わせた庶民に対し威張り散らし、『君の名前をトロッコモロッコに変える事だって出来る』『君のポッケを生レバーで一杯に出来る』『君を町一番の口臭男に任命できる』など、微妙な脅し方をした後、『オンディーヌ家の一族だからねぇ!!』と、やたらとエコーをきかせた声で自らの権力の大きさを自慢する。だが、最終的にサッカーボールを女投げする、ママと一緒に風呂に入っている等、情けない一面を見いだされ、大暴れした後「友達になってください!」「子供のころから大人との付き合いばっかりでまともに友達ができたことがない」などと号泣する。「フランス革命」なる必殺技(タックル)を持つが、宮迫に別の技「ベルリンの壁崩壊」で返された事もある。
轟さん
宮迫博之が演じる怪人。元々は打ち切り番組「アメジャリチハラ」にて生み出されたキャラであり、ワンナイ発とは言い切れない。
純度の高いゲイであり、やたらと特徴的なしゃべり方をする愉快な人。マッチョな男子(だんすぃ)が大好物であり、女子(じょすぃ)は大嫌いだが、松浦ゴリエとは仲良しである(メタなことを言えば中身は男すぃだからだろう)。
しかし、最終回では人力車を引きながら全国を回っているうちに「男も女も好きになっちゃえば幸せも2倍になる」ということに気付いたことで女性も受け入れられるようになっていた。
そして別れ際に「もう二度と会うことは無いだろうけど、今まで本当に楽しかったな!ゴリエちゃんのこと、絶対に幸せにしてやれよ!」」と視聴者の涙を誘うような一言と共に去っていった。
その外見に似合わず多種多様な芸能を身につけた万能超人であり、東京大学を卒業した頭脳をもって大騒動を引き起こしている。
Sせん
小池栄子演じる鞭を持った女教師で、ごくせんのパロディ。他のメンバーに無謀な課題を与えながら面白くない場合はSM用の鞭やビンタで制裁を与える。もんじゃろ学園ではサディスティックな理科教師。途中から「みやお」を格好の餌食にしている。
最終回ではみやおの銅像を掃除する川ちゃんと轟を発見し、仕上げとして海水に浸した鞭でみやおの像を叩いた。
みやお
ワッキー演じるオレンジ色の袈裟を体にまとっている和尚。柄杓で顎を叩けば願いが叶うと言って、ゴリエと立ち回りをする事が多い。2006ゴリエ杯争奪全日本チア選手権では、一般出場者である史上最強の素人「ペコリ牛山」と凄まじいバトルを展開した。「もんじゃろ学園物語」では柄杓しかデッサンしない美術教師役。Sせんの相方になってからはMキャラが定着し、レイザーラモンHGのホットパンツのみを穿いた格好がメイン。Sせんにムチで叩かれた時はいつも本気で痛がっている。
最終回では北海道に初めて柄杓を持ち込んだ者として小樽市の港に銅像が立っており、きれいにしてやろうという川ちゃんと轟によって海水をかけられたり雪を持たされたり、しまいにはSせんに鞭で叩かれたりと散々目に遭っていた。
ゴリケル・ジャクソン
ゴリ演じるマイケル・ジャクソンのパロディで、山口演じるジャーナリスト、グッチー・バシールによる『ゴリケル・ジャクソンの真実』に登場。彼の整形疑惑をもじって着け鼻をしている。5歳になる息子を溺愛しており、幼少期に虐待を受けたことから彼を叱りたくないという一心でバシールにちょっかいを出そうが美術品を破壊しようがバットで殴られようが一切注意することはない。バシールから着け鼻を整形と言われても、「整形じゃない、成長だよ」「これはクッキーだよ」などと真っ向から否定する(たとえ明らかにズレていたり外れていたり、プリンスに奪われていても、である)。その他、問い詰められる度に苦し過ぎる言い訳をしている。最近は訴訟騒動の影響で生活苦らしい。
プリンス・ゴリケル1世
宮迫演じるゴリケルの5歳になる息子。マスコミを毛嫌いするゴリケルの教育方針からか、マスクで顔を覆っている。ほとんど「ダディ!」としか喋らない。バットで殴る、器物損壊といった凶行とすら呼べる悪質な悪戯を、グッチーやゴリケルの区別なしに数多く行うが、幼少期に虐待を受けたゴリケルは断固として彼を叱ろうとしない。着け鼻で父を判別しており、着け鼻が着いているものなら何でも「ダディ」である。
ムチャゴロウ
山口演じるムツゴロウこと畑正憲のパロディ。『ムチャゴロウと不愉快な仲間たち』で登場。扇風機やミキサー、掃除機などを勝手に生き物にして無茶なネーミングをしている。また、「マレーシアオオトカゲ」や「ウガンダゴリラ」といった動物たちに無茶な注文や、行動をさせ反撃されることもある。その度に「じゃれてるんですね」という。
音村奏
山口演じる駅員。以前は新幹線売り子等の最終面接官をしていたが、最近は服屋や宝石店など様々な職場に顔を出しては客や店員などに迷惑をかけている。かなり独特のイントネーションを体得していて、返事は「モン」。回れ右や敬礼などでも独特の動きを見せる。上司の宮迫を何故か「ミヤサク」とよぶ。着ているワイシャツは常にズボンの中に入れている。マザコン。
最終回では人様にあまり迷惑のかからない北海道のとある小さな駅で駅長となっていた。
ギノ&マンタ
ガレッジセールが演じ、「クイズ$シュリオネア」「シュリビアの泉」「脳内エステ 琉Qサプリ」といった番組のパロディを行う。本国からのゲスト(宮迫)が突っ込みを担当しており、番組の内容に毎回突っ込みを入れている。また、この二人のそばにはいつもシーサーちゃんというマスコットがいるのだが、ゲストの宮迫を嫌っているのか話しかけられても無視をしたり、そっけない対応をしたりして彼をイライラさせている。
チョコボーイ山口
山口演じる色黒い顔の青年。黒のタンクトップにウエストを高くした白いジャージという服装で、金色のペンダントを首にかけている。手の動きや口調が卑猥で、性的なものを連想させるもの(バナナ、ちんちん電車など)を見聞きすると「ああ〜っす!」と叫び興奮する。またコントによっては対象物にわざとモザイク処理することで卑猥に見せる演出もあった。「ワイドショー番組のお宅訪問コーナー」や「料理番組」のような形式で行われ、進行相手は蛍原演じるおばあちゃんで、コントに応じて若干設定が変わっていた(料理学校の校長、園芸暦20年のベテラン、イチゴ農家など)。回によっては監督(川田)も登場し、基本的に蛍山おばあちゃんにダメ出しをする役だが、時折山口にもアドリブでダメ出しするシーンも多かった。しかし、下ネタが多いので「水10!」に移行してからは封印された。
2003年1月1日の深夜に20分間だけ復活したが、CM・スポンサーは無しでこれまで以上に過激な下ネタをやりたい放題しており、宮迫に「時間帯に関係なく存在抹消や」と言われるだった。
最終回ではおばあちゃんと結婚(本人曰く愛があれば年齢なんて関係ないとのこと)、小樽市の市場で鮮魚店を営んでいる。
富井
ぐっさん演じるやたらとハイテンションでノリの軽いホスト。自分を二十歳だと言い張っているが、「なめ猫の免許証を持ってた」「スーパーカー消しゴムが好きだった」「タッキーと同期だった」などなど、明らかに二十歳じゃ無いエピソードが満載な人物。カラオケの相の手や調子の打ち方なども一々古く、語尾にやたらと「フワッフォウ!」を付ける鬱陶しいキャラクターだが、妙に憎めない。